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ハーモニックパターンは、フィボナッチ比率を利用して、チャート上のWやMのような形を分析し、今後の動きを予測するテクニカル分析の手法です。
買い・売りのタイミングを判断する材料の1つとなります。
ガートレーやバタフライなどパターンごとの数値や使い方を理解し、ダマシを避けながらルール通りに運用することで、統計的な優位性を活かしたトレードが可能になります。
今回は、ハーモニックパターンとは何か、FXで使われる4種類のハーモニックパターン、各パターンのフィボナッチ比率や数値の一覧、ハーモニックパターンの見つけ方・使い方、勝てないと言われる理由やダマシの回避方法まで詳しく解説します。
さらに、TradingViewで利用できるハーモニックパターンの描画方法についても紹介しますので、「初心者だけどハーモニックパターンをFXで活用したい」という方はぜひ最後までご覧ください。
目次
ハーモニックパターンは、価格の転換点を予測するテクニカル分析の手法
ハーモニックパターンとは、「フィボナッチ数列・比率」の考え方を、トレードに応用したテクニカル分析の手法です。
チャート上に出現するWやMのような形を分析し、価格の転換点、そして買いまたは売りのタイミングを予測します。
フィボナッチ数列とは、「前の2つの数字を足すと次の数字になる」という規則を持つ数列で「1、1、2、3、5、8、13、21、34…」のように続いていきます。
数列は、数字同士を割ると「0.618(61.8%)」や「1.618(161.8%)」といった値に近づいてくという特徴があります。
自然界にも多く見られる比率であることから「価格の動きにも一定の法則があるのではないか」と、FXを始めとした投資でも活用されるようになりました。
特に「どこでエントリーすべきか」「どこで利益確定や損切りを行うべきか」を判断する際の参考として、欧米の多くのトレーダーに利用されています。
ハーモニックパターンで「勝てない」と言われる理由とダマシ
ハーモニックパターンは反転ポイントを予測するのに役立つ手法ですが、SNSやブログでは「勝てない」という意見も存在します。
しかし、過去にハーモニックパターンの検証を行ったところ、条件を満たしたパターンをルール通りに運用した場合、50~60%程度の勝率が期待できるという結果があります。
ハーモニックパターンを熟知していても、パターンを無理に当てはめてしまう、反転サインを確認せずにエントリーする、ノイズの多い短期足ばかりを見ているなど、偏りがあるトレードでは勝率は下がってしまうでしょう。
そして「ダマシ」の存在も勝てないと言われる理由の1つです。
ダマシとは、パターン完成後に反転すると見せかけて、予想とは逆方向に価格が動いてしまう現象を指します。
ダマシはRSIやMACD、サポート・レジスタンスラインなど、他のテクニカル指標と組み合わせることで、遭遇する確率は下がっていきます。
ハーモニックパターンを始め、投資に「100%勝てる手法」はありません。
ただし、ハーモニックパターンはルールに従い継続的に運用することで、統計的な優位性を活かせるテクニカル分析手法といえるでしょう。
FXのハーモニックパターン一覧:ガートレー、バタフライ、バット、クラブ
ハーモニックパターンにはさまざまな種類がありますが、まず覚えておきたいのが「ガートレー」「バタフライ」「バット」「クラブ」の4種類です。
ハーモニックパターンはチャート上でWやMのような形を描きながら「X→A→B→C→D」と推移し、転換点を迎えます。
例えば「Mの強気ガートレーで、数値も範囲内だから買いでエントリー」など、買い・売りを判断する材料の1つとして活用できます。
ガートレー(Gartley)と各ポイントの数値
ガートレーは、基本的なハーモニックパターンの形です。
1935年にハロルド・ガートレーによって紹介され、現在でも多くのトレーダーに利用されています。

主なフィボナッチ比率は以下の通りです。
- AB:XAの61.8%
- BC:ABの38.2~88.6%
- CD:BCの127.2~161.8%
- AD:XAの78.6%
各ポイントがこれらの比率に近いほど、ガートレーパターンとしての信頼性が高まります。
イメージとしては「100段上った階段を62段下り、その後少し戻しながら最後は78段目付近で反転する」とおさえておきましょう。

例えば、上昇トレンド中に調整が進み、D点がXAの78.6%付近で形成されると、そこから再び上昇に転じるケースがあります。
そのため、強気ガートレーではD点付近が押し目買いの候補となり、弱気ガートレーでは戻り売りの候補として注目されます。
バタフライ(Butterfly)と各ポイントの数値
バタフライは、名前の通り蝶のような形のチャートパターンです。
ガートレーと似た形状ですが、D点がX点を超えることが最大の特徴です。

- AB:XAの78.6%
- BC:ABの38.2~88.6%
- CD:BCの161.8~261.8%
- D点:XAの127.2%
大きな値動きの後に形成されやすく、天井や底を捉える場面で活用されます。
バット(Bat)と各ポイントの数値
バットは、ハーモニックパターンの中でも検知されることが最も多いチャートパターンです。ガートレーよりも深い押し目が形成されやすい傾向があります。
B地点はXAの38.2%~50.0%、D点がXAの88.6%付近に位置することが特徴です。

- AB:XAの38.2~50.0%
- BC:ABの38.2~88.6%
- CD:BCの161.8~261.8%
- D点:XAの88.6%
クラブ(Crab)と各ポイントの数値
クラブは、ハーモニックパターンの中でも特に値動きが大きくなりやすいパターンです。
名前の由来は、チャートの形状がカニ(Crab)の脚を広げた姿に似ていることから来ています。

最大の特徴は、D点がX点を大きく超えて形成されることです。
D点はXA波の161.8%付近まで伸びますので、4種類の基本パターンの中でも最も深い反転ポイントとなります。
パターン完成後には大きな価格反転が発生するケースもあります。
利益を狙いやすい一方、損切り幅も大きくなりやすいため注意が必要です。
ハーモニックパターン4種類の数値早見表
パターンを見分ける際には、各ポイントのフィボナッチ比率を把握しておくことが重要です。
代表的な4つのハーモニックパターンの主要なフィボナッチ比率は以下の通りです。
トレード時にすぐ確認できるよう、スクリーンショットを保存しておくと便利です。
| パターン | AB | BC | CD | AD(D点) |
| ガートレー(Gartley) | XAの61.8% | ABの38.2~88.6% | BCの127.2~161.8% | XAの78.6% |
| バタフライ(Butterfly) | XAの78.6% | ABの38.2~88.6% | BCの161.8~261.8% | XAの127.2% |
| バット(Bat) | XAの38.2~50.0% | ABの38.2~88.6% | BCの161.8~261.8% | XAの88.6% |
| クラブ(Crab) | XAの38.2~61.8% | ABの38.2~88.6% | BCの224~361.8% | XAの161.8% |
【FX実践手法】ハーモニックパターンの見つけ方と使い方
ハーモニックパターンは形を見つけ、「どこで反転する可能性が高いのか」を把握し、適切なタイミングでエントリーすることが重要です。
チャート上での見つけ方、ダマシを減らすための実践的な使い方を解説します。
チャート上での見つけ方とエントリーポイント
ハーモニックパターンを探す際は、まずチャート上にX、A、B、C、Dの5つのポイントを見つけ、それぞれの波動がフィボナッチ比率に近いかを確認します。
ガートレーやバタフライなどのパターンが完成すると、D点付近に「PRZ(Potential Reversal Zone:潜在的反転ゾーン)」が形成されます。
PRZとは、価格が反転する可能性が高いと考えられるエリアのことです。ハーモニックパターンでは、D点ではなく周辺の価格帯をPRZとして捉えます。
ただし、パターンが完成したからといって、すぐにエントリーするのはおすすめできません。
D点付近で、ローソク足の反転パターンが現れる、サポートラインやレジスタンスラインと重なる、RSIやMACDが反転を示しているといった複数の根拠が揃ってからエントリーすることで、精度を高めることができます。

ハーモニックパターンでダマシを回避するコツ
ハーモニックパターンは一定の優位性があると言われる手法ですが、すべてのパターンが機能するわけではありません。
ここでは、ダマシを減らしてトレードの精度を高めるための実践的なポイントを紹介します。
ダマシを減らす3つのポイント
ハーモニックパターンで失敗する原因の多くは、パターンだけを見てエントリーしてしまうことです。
ダマシを減らすためには、次の3つを意識しましょう。
①上位足でトレンド方向を確認する
②D点到達後のローソク足の反転サインを待つ
③RSIやMACDなど他のテクニカル指標で根拠を補強する
上記を取り入れることで、トレードの精度向上につながります。
ハーモニックパターンで特に悔しい「一瞬だけ損切りに掛かってから順行するダマシ」は、最終的なエントリーのタイミングが早すぎるために起こります。
では、プロはD点(反転ゾーン)に到達した後、どんなサインを見て「今だ!」と判断しているのか?を動画解説付きで詳しく解説しています。
無駄な損切りを減らしたい方はぜひ続けてご覧ください。
ダマシを回避するためのマルチタイムフレーム分析
ハーモニックパターンのダマシを減らす方法として有効なのが、マルチタイムフレーム分析です。
これは、複数の時間足を組み合わせて相場の方向性を確認する分析方法で、多くのトレーダーが活用しています。
例えば、15分足で強気のガートレーが完成した場合でも、4時間足や日足が下降トレンドであれば、反発が小さく終わる可能性があります。
ただし、下記のように上位足と下位足の方向性が一致している場面では、反転の信頼性が高まります。
日足:上昇トレンド
4時間足:押し目形成中
1時間足:ハーモニックパターン完成
エントリーする時間足だけを見るのではなく、「一つ上の時間足」と「二つ上の時間足」も確認するように心がけましょう。
TradingViewでハーモニックパターンを活用・描画する方法
フィボナッチ比率を確認しながら実際にチャート上でハーモニックパターンを描画することができます。
ここでは、TradingViewを使った実践方法を紹介します。
基本的な手順をお伝えしていきます。
1.左側のツールバーから「XABCDパターン」を選択します。

2.チャートパターンの中から一番上の「XABCDパターン」をクリックします。

3.チャート上でX→A→B→C→Dの順番にポイントを指定します。

フィボナッチ比率が自動で表示されます。上の図ではXBが1.062=106.2%と、その場で確認できます。
4.ガートレーやバタフライなどの比率に近いかを確認します。
数値は早見表を使いましょう。

| パターン | AB | BC | CD | AD(D点) |
| ガートレー(Gartley) | XAの61.8% | ABの38.2~88.6% | BCの127.2~161.8% | XAの78.6% |
| バタフライ(Butterfly) | XAの78.6% | ABの38.2~88.6% | BCの161.8~261.8% | XAの127.2% |
| バット(Bat) | XAの38.2~50.0% | ABの38.2~88.6% | BCの161.8~261.8% | XAの88.6% |
| クラブ(Crab) | XAの38.2~61.8% | ABの38.2~88.6% | BCの224~361.8% | XAの161.8% |
数値がどのパターンにも当てはまりません。
4つのパターンのいずれかに該当する場合は、D点付近のPRZ(潜在的反転ゾーン)で反転シグナルを待ってエントリーを検討します。
まとめ
ハーモニックパターンとは、フィボナッチ比率を利用して価格の反転ポイントを予測するテクニカル分析の手法です。
代表的なパターンには、ガートレー、バタフライ、バット、クラブの4種類があり、それぞれ異なるフィボナッチ比率を持っています。
TradingViewでは、XABCDパターンの描画ツールや無料のハーモニックパターンインジケーターを利用できるため、初心者でも比較的簡単に分析を始められます。
まずは4つの基本パターンとフィボナッチ比率をおさえ、チャート上で実際にパターンを探しながら経験を積んでいきましょう。
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