FXでスイングトレードはやめとけと言われる理由|初心者が誤解しやすい落とし穴と本当の強みとは?

「FXのスイングトレードはやめとけ」「初心者には向かない」

このような声をネットやSNSで見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。

確かにスイングトレードは、数日〜数週間ポジションを保有するため、含み損を抱える時間も長く、初心者には心理的負担が大きい手法です。

しかし、こうした意見の多くは、正しいリスク管理やエントリールールを知らないまま始めたことによる失敗体験に基づいています。

この記事では、「スイングトレードはやめとけ」と言われる理由を冷静に整理した上で、スイングトレードの誤解や本当の強みにも踏み込みながら、活用するためのヒントをお届けします。

「FXでスイングトレードはやめとけ」と言われる3つの主な理由

FXのスイングトレードは、一見ゆったりした取引スタイルに見えるため、初心者でも始めやすいと感じる人が多い手法です。

しかし実際には、感情や資金管理のブレが利益を遠ざけてしまうことが多く、「やめとけ」と言われる理由には一定の根拠があります。

以下では、代表的な失敗パターンを3つ紹介します。

理由①:含み損に耐えられず途中で損切りしてしまうから

スイングトレードは、エントリーから数日〜数週間にわたりポジションを保有するため、途中で含み損を抱える場面も珍しくありません。

このときに冷静に相場を見られないと、まだ損切りするべきではない局面で感情的に決済してしまうという失敗につながります。

特に初心者は、「利益にならない=間違ったエントリー」と思い込んでしまい、計画していたトレードを自ら崩してしまうこともあるでしょう。

スイングは「途中で含み損を抱えるのが前提」と理解したうえで、損切りラインや保有期間を事前に決めておくことが大切です。

理由②:資金管理が中途半端になりやすいから

スイングトレードは保有期間が長い分、思わぬ値動きに巻き込まれるリスクも大きいため、資金管理の重要度が非常に高い手法です。

しかし、日をまたいでポジションを持つことに慣れていない初心者ほど、「とりあえずロットを抑えれば大丈夫」と曖昧な管理になりがちです。

損失許容額・レバレッジ・証拠金維持率などを明確にしないまま始めると、想定外の下落であっという間に強制ロスカットという事態にもなりかねません。

スイングこそ、「のんびり取引」と思わず、計画的なリスクコントロールが求められる手法です。

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理由③:エントリーと損切りの判断が曖昧になりやすいから

FXのスイングトレードでは、1時間足〜日足チャートなど、様々な時間足を用いた中長期的な相場分析(マルチタイムフレーム分析)が求められます。

しかし、エントリーの根拠が曖昧なまま「なんとなく上がりそう」だけで入ると、トレードの軸がブレやすくなるでしょう。

また、損切りラインを「なんとなく下の方に置く」といった曖昧な設定では、ロスカットが広がりすぎてリスクリワードが望ましい結果にはなりません。。

スイングでは、テクニカル分析に基づいた明確な根拠と、「どこで間違いを認めるか」という基準の明文化が非常に重要です。

FX初心者が抱えがちなスイングトレードの誤解と実態

スイングトレードは、初心者にとって「時間に追われず、ゆったり取引できそう」と映ることも多く、デイトレードやスキャルピングよりも気軽に始められると誤解されがちです。

しかし、実際には中長期保有ならではの注意点やリスクも存在します。

ここでは、スイングトレードに対するよくある誤解と、その実態について解説します。

レバレッジをかけた長期保有は危険?実は資金管理がカギ

「スイング=長期保有=稼げる」というイメージから、レバレッジを高めにして放置する初心者も少なくありません。

しかし、長期保有中に為替が急変すれば、数日で口座が一気に追い込まれるリスクもあります。

実際には、スイングこそレバレッジを抑えてじっくり構えるべき手法であり、資金に対して無理のないロット数、余裕ある証拠金維持率で保有し続けることが成功への近道です。

長く持てば勝てるのではなく、「耐えるための資金設計」が肝心です。

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強制ロスカットの仕組みを知らずに大損する人が多い

スイングトレードを始めたばかりの初心者の中には、「証拠金維持率が下がると強制ロスカットされる仕組み」をよく知らずにトレードしている人もいます。

スイングでは、含み損が出る時間が長くなる分、維持率がじわじわと下がっていくケースも多く、気づいた時にはロスカット寸前だったという状況も珍しくありません。

そのため、ポジションを建てる前に「この通貨ペアでこのロットを保有する場合、どれだけ下落しても耐えられるか?」という下落余力のシミュレーションを行っておくことが重要です。

スワップポイント狙いで保有し続けるのは本当に得?

高金利通貨ペア(例:メキシコペソ円、南アフリカランド円など)では、スワップポイントを目当てに長期保有するスイングスタイルも人気があります。

ただし、「毎日もらえるから放置でOK」というわけではありません。

スワップは確かに日々の利益になりますが、為替変動による含み損がスワップを大きく上回ることもあるため、差益とスワップのバランスを見ながら戦略を練る必要があります。

スワップ狙いのスイングを選ぶ場合でも、為替の方向性を無視した放置トレードはNG。あくまで戦略の一部として使う意識を持ちましょう。

FXにおけるスイングトレードの強みとは?

ここまでスイングトレードの注意点や誤解を取り上げてきましたが、実はこの手法には他のスタイルにはない強みも多く存在します。

特に、トレンドの波にうまく乗れたときのリターンや、時間的な自由度の高さは魅力的です。

ここでは、スイングトレードだからこそ得られるメリットを3つ紹介します。

為替はトレンドが長期化しやすく、波に乗れれば利幅が大きい

FX市場の為替は、一方向に動き出すと数日〜数週間かけてトレンドが継続することが多いという特徴があります。

これは株式よりも参加者がグローバルで、ファンダメンタル要因がじわじわ効いてくるためです。

この長期トレンドを捉えることができれば、短期トレードでは得られない大きな値幅(pips)を狙うことができます。

忙しい平日でも、ポジションを持ったあとはチャートを日次で確認する程度で済むのも大きな利点です。

金利差によるスワップポイントが日々加算される

スイングトレードでは、ポジションを数日〜数週間保有するため、スワップポイント(通貨間の金利差による報酬)を受け取る機会も多くなります。

たとえば、高金利通貨を買いで保有していれば、毎日スワップが加算され、トレンドによる為替差益に加えて金利収入も得られるという構造が作れます。

もちろん、スワップ狙いだけでの長期放置は危険ですが、戦略的にスワップを取りにいく設計ができるのはスイングトレードならではの強みです。

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中長期の相場構造を捉えやすく、戦略の再現性が高い

スイングトレードでは、1時間足〜日足といった中長期チャートを活用するため、短期的なノイズに惑わされにくく、相場全体の流れを把握しやすいという利点があります。

特にトレンド相場が発生した際には、「押し目買い」や「戻り売り」などの王道パターンが機能しやすく、再現性の高い戦略を構築しやすいのが特徴です。

また、ファンダメンタル要因(政策金利・経済指標など)の影響も日足レベルで効いてくるため、「数日〜数週間の方向感」が明確に出るケースが多くなります。

結果として、テクニカルとファンダメンタルを組み合わせた腰を据えたトレードができるのは、スイングトレードならではの大きな強みです。

FXのスイングトレードに向いている人

スイングトレードは、短期売買のように画面に張り付く必要はありませんが、その分「待つ力」や「自己管理力」が問われる手法です。

ここでは、スイングトレードに向いている人の特徴を紹介します。自分に合うスタイルかどうか、ぜひ照らし合わせてみてください。

値動きに一喜一憂せず、ポジションを数日〜数週間持てる人

スイングトレードでは、エントリー後にすぐ利益が出るとは限りません。

むしろ含み損の時間が長くなることも多く、目先の値動きに過剰に反応せず、冷静に保有し続ける精神力が求められます。

ポジションを長く持てば持つほど、値動きの幅も大きくなるため、「今下がってるけど、まだ損切りラインではない」といった判断をブレずにできるかがカギです。

短期トレードのせわしなさが合わない人には、むしろ向いているスタイルとも言えるでしょう。

指値・逆指値でトレード管理できる人

スイングトレードは、頻繁にチャートを確認するのではなく、事前に損切り・利確の水準を決めて注文を出しておく「戦略的な放置」が理想です。

そのため、感情で動かず、機械的にルールを守れる人が向いています。

「指値(利確)、逆指値(損切り)を事前にセットし、トレード中は必要以上に介入しない」

それができる人ほど、スイングに向いていると言えるでしょう。「見すぎると判断がブレる」という人ほど、こうした自動管理のスタイルがハマりやすい傾向にあります。

FX初心者がスイングトレードを成功させるためのポイント

スイングトレードは、きちんとリスク管理と準備をすれば、初心者でも再現性のある堅実な手法になり得ます。

ここでは、スイングで継続的に利益を出すために意識したいポイントを3つ紹介します。

損切り・利確の水準は必ず「値幅」で事前に決めておく

スイングトレードでは、損切りも利確もチャートを見ながら感覚で決めるとブレが生じやすくなります。

たとえば「損切りは直近の安値から○pips下」「利確はリスクリワード比で2:1を目安に」など、具体的な値幅でルール化することが大切です。

事前に想定できていないと、含み益が出た時に「まだ伸びるかも」と利益を逃したり、逆に「もう無理かも」と早まった損切りをしてしまう原因になります。

事前設定→放置のスタイルを徹底することで、冷静なトレードが可能になるでしょう。

ロット数とレバレッジは「余裕を持ちすぎる」程度に調整

スイングでは長期保有による予期せぬ急変動に備えて、レバレッジはできるだけ低く、ロット数も小さめに抑えるのが鉄則です。

たとえば証拠金維持率は最低でも500%〜1,000%以上を確保しておくと、含み損の局面でも精神的に安定します。

「ちょっと余裕ありすぎかな?」と思うくらいの設定が、スイングではむしろ丁度良い設定であり、理想です。

余裕を持って相場に耐えられるからこそ、冷静な判断とルール遵守が可能になるでしょう。

通貨ペア選びとニュースチェックの習慣化

スイングでは、1回のトレードで数百pips以上を狙うこともあるため、通貨ペアごとの特性を把握し、ファンダメンタルズ(経済指標・要人発言など)にも目を向けることが重要です。

たとえば豪ドル円やポンド円などボラティリティの高いペアは短期間で大きな値幅を取りやすく、メキシコペソ円や南アフリカランド円はスワップを活かした中長期戦略に向いています。

また、経済指標カレンダーや為替ニュースをチェックする習慣をつければ、ポジション保有中の突発的リスク(政策金利発表・戦争・災害など)にも備えることができます。

まとめ:「スイングトレード=やめとけ」はNG|正しく学べば初心者にもチャンスはある

FX初心者の方は特に「スイングトレードはやめとけ」と言われがちですが、正しく学び、リスク管理を徹底すれば初心者でも十分に活用できる手法です。

値動きに一喜一憂せず、自分のルールを守れる人には特に向いています。

焦らずコツコツと経験を積み、あなたに合ったスイングスタイルを見つけていきましょう。