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FXはゼロサムゲームであり弱肉強食の世界、勝ち組と負け組にはっきりと分かれるマネーゲームです。
チャートが上がるか下がるかを予想するだけなので、確率論的に収支はトントンに落ち着いてもよさそうですが、多くの人は勝ちきることができていません。
特に最近は円安相場の影響もあり、多くのトレーダーが苦戦を強いられ、また退場に追い込まれています。
一体なぜFXで勝ちきることができないのか、本記事では勝てない理由の根本について深堀していきたいと思います。
目次
なぜFXで勝てないのか
そもそもFXで勝てるのは一部の限られた天才だけなので、凡人がいくら努力したところで勝てないのでは…このように考えていないでしょうか。
確かに、才能があれば苦労せずとも稼げるようになるでしょう。
しかし実際のところFXで勝ち越すことについては、そこまで難しいものではなく、むしろ過半数がプラス収支を得ているという調査結果もあります。
とはいえ欲を持ちすぎたり、基本が備わっていない状態で運用してしまえば、当然負け続けることになるでしょう。
また例えば「100万円以上負ければ1000万プレゼント」という企画があったとして、クリア可能かどうか考えてみてください。
FXでは、勝とうと思っても勝てるものではありませんが、同様にわざと負けることもできないのです。
値動きの不確実性ゆえに結果を操作することはできませんが、それ以上に「プロスペクト理論」が作用することを覚えておかねばなりません。
FXで勝てない理由はプロスペクト理論!
プロスペクト理論とは、以下2つの性質を合わせた行動経済学を意味します。
・目の前の利益が見えると、利益が手に入らないというリスクを回避しようとする性質
・損失が見えると、損失そのものを回避しようとする性質
このプロスペクト理論がFXにおいてどのように作用するのか、本節で詳しく解説していきましょう!
含み益は伸ばせない
「目の前の利益が見えると、利益が手に入らないというリスクを回避しようとする性質」
これは一見すると問題ないように思えて、実は大きな落とし穴があります。
なぜなら利益確定を優先してしまうと、リスクリワードのバランスが崩れて、勝ちは小さく積もる一方で負けが大きくのしかかることになるからです。
FXで勝つためには、利益額が常に損失額を上回る必要がありますが、そのためには含み益を大きく、含み損は小さく決済していかねばならないのです。
含み損を切れない
米ドルを1ドル100円で10,000ドル保有、つまり口座内に100万円分の資産がある状況を考えてみましょう。
ここから米ドルが90円まで下落してしまった時、口座内の資金は90万円まで目減りすることになります。
しかし大半の方からすれば、当初口座内にあった100万円という資金が脳裏に焼き付いて、なかなか損切に踏み切ることはできません。
1ドル100円に回復することを祈って、ポジションを握り続けるでしょう。
そして次第に含み損が証拠金維持率を圧迫するようになり、ついには強制ロスカット…そして退場という典型的な負けパターン。
FXで生き残り続けるためには、プロスペクト理論に負けない強い判断力が必要不可欠なのです。
円安相場で負ける理由
ドル円が24年売りに高値を更新するなど、為替相場は大きな転換期を迎えつつあります。
年初は110円代だったドル円が今や140円代と、ここまで大きな値動きを誰が予測できたでしょうか。
Twitter等のSNSを覗いてみると、読めない展開に苦しめられ、退場に追い込まれた人も数多くいるようです。
では一体なぜ、円安の影響によって負けやすくなってしまうのでしょうか。
値ごろ感が強まるから
為替レートは刻一刻と変化していますが、今が高値圏なのか安値圏なのか、チャートがある程度形成され終わっていなければ誰にも判断できません。
最近の円安進行ぶりを見ると今は高値圏になるかと思われがちですが、来年から観測すればまだまだ安値圏だったということも十分考えられるわけです。
ここまで上昇しているのだから、そろそろ下落するはず、トレンド転換を迎えるはず、このような思惑でつい売りポジションを仕込みたくなる気持ちも分かります。
しかし、同じような考えで120円~130円代でショートを仕込んだトレーダーは瞬く間に飲み込まれることになりました。
値ごろ感でエントリーしたとしても、その感覚には何も根拠がなく、希望的観測に過ぎないということを覚えておきましょう。
大幅なレンジアウト
FX自動売買のように、一定のレンジ相場に狙いを定めた運用は、今回のような大きいトレンドで生き残ることは困難です。
1つ例を示しましょう。
2017年から2021年まで、ドル円は100〜120円のレンジで推移していたため、そのレンジに絞って自動売買を稼働していた人は大きな打撃を受けることになったでしょう。
ロング方向のエントリーであれば問題ありませんが、高値圏内では当然ショートのエントリーを狙うのが一般的です。
となれば、ショートポジションは現状大きく含み損を抱えることになり、その負荷に耐えきれなかった人が次々と退場することになります。
テクニカルが機能しにくい
強いトレンド環境においては、一部のテクニカルインジケーターが機能しづらくなります。
一例として、2022年6〜7月ドル円RCIを見てみましょう。
赤丸で囲った部分は、テクニカル的には買われ過ぎと判断できる状況になりますが、そこで売りエントリーを仕掛けてしまうと、すぐに含み損を抱える展開となりました。
このように、テクニカル指標と実際の値動きが乖離する現象をダイバージェンスと呼びます。
強力なトレンド環境ではオシレーター系のインジケーターが無視されやすくなるため、過度に信頼を寄せないよう留意しておきましょう。
まとめ:負けに不思議な負けなし!
FXで確実に勝つことはできませんが、負けた理由を取り除くことは可能です。
プロスペクト理論の克服や、円安相場で負けやすくなる理由を知って、より慎重に立ち回ることをおすすめします。
激動の時代が訪れるのは現実社会だけでなく、為替相場においても同様です。
24年ぶりにドル円が高値を更新したように、今後においても数十年ぶりのイベントが起きることを想定しておく必要があります。
追い詰められた時に慌てるのではなく、日頃から余裕を持ち、自分が負ける理由について振り返る習慣を持っておきましょう。
以上、参考にしていただければ幸いです。