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ストップ狩りについて対策しておかねば、ふとした拍子に、大口の手口に巻き込まれてしまうかも知れません。
FX相場はMM(マーケットメーカー)や機関投資家と呼ばれる大口に支配されていますので、FXがゼロサムゲームである以上、個人投資家は狩られる立場にあると言えるでしょう。
いつ襲ってくるかもわからないストップ狩り、皆さんも大口から狙われてはいないでしょうか?
もし対策が不十分であると感じるのであれば、ぜひ本記事から学び取って、皆さんのトレードに活かしてみてください。
目次
FXにおけるストップ狩りとは?
ストップ狩りとは、主に大口が行う投資手法の一つで、トレーダーのストップロス(損切)注文を「狩り」にいくことを指します。
例えば、現在レートが1ドル135.000円として、大衆が1ドル130.000円にストップロス設定をしている状況を考えてみましょう。
ここから徐々に円高が進み、1ドル131.000円くらいになった時、大口がドルを大量に売ることで、強引にドル円下落の圧力を強めたらどうなるでしょうか。
1ドル130.000円に到達した時点で大量のストップロス注文がかかり、円高が加速し、最初に売っていたヘッジファンドは買い戻して簡単に儲けることができます。
そして、その一連の流れを再現したのが、2019年1月に起きたフラッシュクラッシュなのです。
フラッシュクラッシュとは?過去事例から分かる原因と対策についてストップ狩りの代表的なパターン
ストップ狩りには、主に次の2つのパターンがあると言われています。
機関投資家・ヘッジファンドによるストップ狩り
一般的にストップ狩りと言われるものは、ヘッジファンドによる場合がほとんどです。
一応補足しておくと、ヘッジファンドとは、富裕層や大口投資家から出資を募って資金を運用するファンドのこと。
個人の投資家からすると大口は厄介な相手ですが、彼らの行為はなんら違法性はなく、むしろ大金を任されている以上利益を狙いにいくのは当然のことと言えます。
そのため、普段の取引からストップ狩りは起こるものとして、しっかり対策を取っておくことが非常に重要です。
悪徳FX業者によるストップ狩り
これは確たる証拠があるわけではありませんが、FX取引において、その業者自身がストップ狩りを行っているという噂もよく耳にします。
その理由としては、FX会社の呑み行為が挙げられ、吞み行為とは簡単に言えば「顧客の注文をFX会社内だけで完結させる」というものです。
ストップ狩りで退場に追い込むことで業者側は儲けがでるため、業者側は「意図的にスプレッドを広げる」「到達していないストップロス注文を約定させる」などの噂がトレーダー間で頻繁に話題に上がります。
あくまで噂ではありますが、業者を選ぶ際には、そういった評判も含めて選定したほうが安全でしょう。
FX初心者必見!ストップ狩りを防ぐ方法とは?
ストップ狩りは大口によって、不定期で必ず引き起こされるものです。
なぜなら大口としても、顧客から預かった資金を運用して利益を出す必要があり、安定的に利益を出せる手法がストップ狩りだからです。
つまり大口から狙われる立場にある個人投資家である以上、ストップ狩りの対策は必須であり、その仕組みについても理解しておかねばならないのです。
対策1:キリの良い数字を避ける
FX取引においては、100.000円や110.000円のようにキリの良い分かりやすい数値は、個人投資家が損切設定しやすい価格帯として知られています。
当然その点についても機関投資家やヘッジファンドは把握しており、ストップロスをキリ良く設定してしまうと、ストップ狩りの恰好の餌食になってしまうでしょう。
そのため損切りラインを設定する際には、あらかじめキリの良い数字を避ける、あるいは分割して逆指値を仕込む等の対策をお勧めします。
そうすることによって、いくつかのポジションが巻き込まれたとしても、無事なポジションは残した状態で再起することができるため、退場を免れる可能性も高まるでしょう。
対策2:FX業者を選ぶ際は慎重に
ストップ狩りは、投資ファンドが行う場合は戦略として認められますが、FX業者が行う場合は不正な価格操作として認められておりません。
とはいえFX会社の口コミを見ると、不正を疑われるような怪しい操作、不自然なスプレッドの広がりを感じている人も少なからずいるようです。
そこで業者を選ぶ際には、信用・評価の高いところを選ぶか、色々な業者を利用してみて、価格が妙な動きをするところは控えることを推奨します。
基本的にFX会社のホームページでは、過去の値動きを示すグラフ等の資料が公開されており、一方公開していない、もしくは他社と比べて安値が大幅に低い業者は、少し疑ってかかった方が良いかも知れません。
対策3:DD方式ではなくNDD方式の業者を選ぶ
FX業者はDD方式かNDD方式のどちらかに大別され、トレーダーにFX取引ができる環境を提供しています。
簡単に違いを説明すると、前者はトレーダーとインターバンクの間を仲介しているのに対し、後者はトレーダーが直接インターバンクとやりとりをする仕組みです。
国内FX会社は主にDD方式を採用しており、スプレッドが狭いというメリットの反面、取引の透明性に欠けるという大きなデメリットを抱えています。
というのもDD方式の場合、トレーダーが注文した内容を、FX業者が呑まない可能性があります。
その理由としては、トレーダーと業者の利益が相反しているからであり、それゆえに「業者によるストップ狩り」といった噂も存在するほどです。
もちろん国内業者がすべて悪徳という訳ではありませんが、少しでもストップ狩りの懸念を減らしておきたいのであれば、NDD方式を採用している海外業者を利用してみてはいかがでしょうか。
対策4:証拠金維持率を保つ
ストップ狩りに遭わないために最も効果的な対策は、退場を免れるよう証拠金維持率を高く保つことです。
そもそも、ストップ狩りによって退場に追い込まれてしまった場合、その落ち度は大口ではなく、資金管理できていなかったトレーダー自身にあります。
レバレッジをかけすぎず、欲を出しすぎず、健全な運用が継続できていれば、ストップロスに怯えることもありません。
では、具体的にどの程度の証拠金維持率を保つべきなのか…?
その詳細は以下の記事にて解説しておりますので、参考にしていただけると幸いです。
FXトレードスタイル別!意識するべき証拠金維持率の目安とは?対策5:経済指標発表前の取引を避ける
ストップ狩りが起こりやすいのは、価格変動が大きくなるタイミングと言われています。
というのも、ヘッジファンドはこの値動きが大きいタイミングを狙って、大きな利益を得る戦略を立てることが多いためです。
特に雇用統計など重要な経済指標の発表前後には取引量が多くなり、ストップロス注文が増えやすくなるため、ヘッジファンドなどもストップ狩りを狙ってきます。
なので、雇用統計やGDPなど、重要な経済指標をしっかりと把握し、その前後はストップ狩りを考慮して慎重に取引を行うようにしましょう。
対策6:流動性の低い通貨ペア・時間帯の取引を避ける
流動性が低く、取引量の少ない通貨ペアや時間帯では、ヘッジファンドに狙われやすい傾向があります。
その理由は、取引量が少ない場面では、チャートを動かすのに必要な資金が少なく済むため、ストップ狩りを行いやすいからです。
通貨でいうと、南アフリカランドやトルコリラなどのマイナー通貨、時間帯でいうとニューヨーク市場が閉じる日本時間朝6時頃は、取引量が少なくなります。
などで、必ず避ける必要はありませんが、特に理由がないなら、マイナー通貨や取引の少ない時間帯は、極力避けるようにすると良いでしょう。
ストップロスの原因と対策まとめ!ストップロスを狙う大口の心理とは?
ストップ狩りを狙う大口の手法については、明確に公開されているわけではありません。
しかし、狙い目となるタイミングは、大衆心理からある程度推測することができます。
レンジ相場狙い
レンジ相場は、ポジションが決済されず溜まりやすい状況下であるため、ストップ狩りも狙われやすい状況と言えるでしょう。
なぜなら一度含み損を抱えても、レンジ圏内であれば回復する見込みも高いため、大多数が損切りを見送ってしまうからです。
また、逆指値や損切りを決断するラインについては、大衆がほぼ同じレート帯を想定しています。
そのため注文状況が把握できる大口にとって、レンジ相場は、余力の少ない弱者から巻き上げる狩場となるのです。
ポジションが溜まりきったタイミングで、レンジブレイクを引き起こし、少し伸びたところで買い戻す…。
レンジ相場において大きなヒゲが確認できるようであれば、ストップ狩りの一連の流れが済んだ後なのかも知れません。
薄商い狙い
大衆の意識が市場から薄れているタイミング、例えば正月やゴールデンウィーク等においても、ストップ狩りが起きやすいと言われています。
例えば2019年1月3日のフラッシュクラッシュでは、クロス円通貨全般に大きな陰線を付けるチャートとなりました。
上述したようにストップ狩りの狙いとしては、相場に圧力をかけて退場者を出す→あふれたポジションを安く買い戻すことです。
仮にロングのポジションであれば、損切り・決済によってショート注文が市場に殺到することになり、さらなら損切りを生み出すことになるでしょう。
ストップ狩りをきっかけに、フラッシュクラッシュのような、損切りが新たな損切りを生み出す大相場へと発展することもありますので、やはり日頃からストップ狩りの対策に目を向けておかねばなりません。
COTレポートを活用する
ヘッジファンドの動きを予測するためには、ヘッジファンドのポジションの動向を把握することが重要です。
そこで、その動きを把握するために利用されている情報に、COT(Commitments of Traders)レポートがあります。
COTレポートは、各種先物契約のうち未決済の情報を公表しているレポートで、MT4やTradingViewなど高性能チャートツールで確認することができます。
これを見ると、大口投資家がどのようにポジションを取っているか分かるため、ストップ狩り対策にも大いに役に立つでしょう。
まとめ:ストップ狩りの対策意識は常にON!
本記事では、FXにおけるストップ狩りについて、以下のポイントを中心に解説しました。
- ストップ狩りの概要について
- ストップ狩りの具体的な対策4選
- ストップ狩りを狙う大口の心理について
大口やマーケットメーカーと呼ばれる相場の支配者は、弱者が、弱りきったところを徹底的に狙ってきます。
どうして自分だけ…たまたま維持率が低くてタイミングが悪かった…などと思わず、意図的に狙われていることを重々認識しておきましょう。
以上、参考にしていただければ幸いです。