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FXのトレードに勝つためには、市場の参加者の心理を読むことが重要です。
その中でも「投機筋が保有するポジション」は市場の流れを決める要因の一つであり、その情報を有しているか否かでは、雲泥の差が生じます。
そこで本記事では、投機筋のポジションを確認することでどのような情報が得られるのか、どのようにトレードの戦略に活かせるのか、これらについて解説していきます。
目次
FXにおける投機筋とは
「投機筋」という言葉は、株式・為替などの金融市場で、短期的な利益を狙って大量の取引を行う投資家や業者を指す、俗語的な表現です。
時に投機筋の影響によって市場が歪められることもあるため、個人投資家は常にその動向を注視しておかねばなりません。
以下より、投機筋と呼ばれる存在の具体例を2つ紹介していきます。
1:ヘッジファンド
ヘッジファンドは大口投資家の一種であり、運用対象資産の多様化や、投資先の選定によってリターンを最大化しようとする投資家です。
大口ポジションを保有することも頻繁にあるため、相場に与える影響も甚大なものになります。
2:FX企業トレーダー
FXトレーダーは個人だけでなく企業としても存在し、金融機関や証券会社、投資ファンドに勤めながら、大きな資金力を行使できるトレーダーです。
自社の資金を運用し、また外貨建ての投資や為替リスクヘッジなど、個人トレーダーとは比較にならない規模であるため、市場に与える影響も相応に有しています。
投機筋の情報を活用したトレード術「COTレポート編」
投機筋の持つポジションを確認する方法は、取引所や市場監視機関などから公表される報告書をチェックすることが一般的です。
その中でも、毎週金曜日に公表される「コミットメント・オブ・トレーダーズ(COT)レポート」が有名です。
COTレポートを確認する手順
COTレポートは、米国商品先物取引委員会(CFTC)が公表しており、CFTCのウェブサイトから、以下の手順でCOTレポートをダウンロードすることができます。
- CFTCのウェブサイトにアクセス
- メニューの「Market Reports」をクリック
- 「Commitments of Traders」を選択
- 検索条件を設定し、「Submit」をクリック
- 検索結果が表示されるので、該当するCOTレポートを選択しダウンロード
では、COTレポートから投機筋のポジションを確認することで、どうようにトレードに活かせるのか、以下より詳しく解説していきます。
トレード術1:トレンドの兆候を察知
COTレポートには、大口投資家(ヘッジファンドや投資信託など)の保有するポジション数が含まれています。
ある通貨ペアで大口投資家の買いポジションが増えている場合、それが上昇トレンドの兆候となる可能性があるため、COTレポートの情報に目を通すことで、よりトレンドに乗じやすくなるでしょう。
トレード術2:逆張りトレードの検討
投機筋が一方向に偏ったポジションを持っている場合、市場が逆方向に動く可能性が高くなるため、逆張りトレードを検討することができます。
言い換えるならば、トレンド転換に合わせた逆張りエントリーが成功しやすくなるということです。
トレード術3:エントリータイミングの検討
投機筋のポジション状況が、エントリータイミングを判断するための参考になることがあります。
例えばトレンドが生じておらず、公開ポジションの買い勢力と売り勢力が拮抗している場合、その後どちらに転じるかは神のみぞ知る…といった状況です。
ギャンブル的なトレードに身を委ねても勝ち目は薄く、また仮に勝ったとしてもそれは実力ではありません。
FXで勝ち続けるには、読めない相場には手を出さないことが重要となりますので、そういった状況を見極めるためにも投機筋の公開ポジションは役立つわけです。
投機筋の情報を活用したトレード術「IMM通貨先物ポジション」編
投機筋が抱えている為替取引のポジションは、「IMM通貨先物ポジション」から確認することができます。
「IMM通貨先物ポジション」を簡単に説明すると、アメリカで最も影響力を持つ取引所が現状「買い」「売り」どちらのポジションを抱えているか、これをグラフ化したものです。
IMM通貨先物ポジションのデータは、FX相場のトレンドや方向性を把握する上で非常に役立つ情報源です。
以下より、IMM通貨先物ポジションのデータを活用して、FXトレードに活かす方法をいくつか挙げていきます。
トレード術1:センチメント分析
IMM通貨先物ポジションのデータを利用して、投資家の市場に対する見方や期待を読み取ることができます。
上のグラフを見てみると、買い勢力(ロング)よりも売り勢力(ショート)の方が圧倒的に多く、投資家の大半は「ドル円チャートは下落しやすい状況だ」と考えるでしょう。
このような分析をセンチメント分析といい、市場心理とトレンドに便乗することで、より有利にトレードを進めることができます。
トレード術2:ボリューム分析
IMM通貨先物ポジションのデータでは、通貨ごとの投機筋の持つポジションを読み解くことができ、これをボリューム分析と呼びます。
どの通貨ペアにどの程度の資金を投入しているか、どれだけ取引されるのかが予測できるため、COTレポート同様にトレンドの兆候を察知できるようになるでしょう。
NZドル/米ドルを例に挙げると、上の画像では2022.6〜10にかけて売りポジションが伸びており、実際のチャートにおいても大きく下落トレンドが生じています。
長期的にポジションを保有するのであれば、投機筋のポジション状況から見て、買いと売りどちらが優勢なのか、都度チェックしておきましょう。
相場を操っているのは、個人投資家ではなく大口の投機筋であることを踏まえれば、彼らの持つ公開ポジションがいかに有益な情報であるか、推して知るべしです。
まとめ:投機筋の公開ポジションは相場の先読みに役立つ!
本記事では、投機筋の保有するポジションの確認方法や、公開情報を活かすトレード術について解説しました。
記事中でも解説した通り、投機筋のポジション情報を活用することで、トレンドの把握やエントリータイミングの決定、リスク管理、相場の先読みなど様々なメリットがあります。
ただしポジション公開情報は、あくまで一つの指標であり絶対的なものではありません。
各種インジケーターや分析ツールを併用することで、トレード1回あたりの精度を高めていきたいところです。
以上、参考にしていただければ幸いです。