FXトレーダーの取るべきアクションは、「買う」や「売る」だけでなく、「待つ」もまた重要な選択肢です。
現在では、先人トレーダーが研究し尽くした様々な手法が公開されておりますが、「待つ」ことの重要性を知らないばかりに、難航している初心者トレーダーも数多くいるでしょう。
そこで本記事では、FXトレードにおける待つこと、すなわち我慢の力について、その意義や得られるリターンについて詳しく解説します。
目次
FXにおける「待つこと」で得られるメリットとは?
FXにおいて、焦ってエントリーを済ませたところで勝ち目は薄いと言えるでしょう。
本節で解説する「待つことで得られるメリット」を理解して、極限までに狙い澄ましたエントリーを会得していきたいところです。
メリット1:ロングタームでの勝率の向上
「長期目線でトレードすることで、FXの勝率は高くなる」
まずは上記を理解しておくだけでも負けにくくなるでしょう。
なぜならFX相場の7割は「レンジ相場」と呼ばれる、一定のレート帯を往来する値動きになっているからです。
一度含み損を抱えてたとしても、価格レートが戻ってくるのを待ち続けることができれば、ほぼ全てのトレードで勝ちを拾えることになります。
メリット2:エントリータイミングの見極め
急いでポジションを取ったり、トレード回数を増やすことは、ロングタームでの勝率を下げる可能性があります。
それに対して、待つことで市場が熟成し、より明確なトレンドやテクニカル指標の出現を待つほうが、勝率が高いのは言うまでしょう。

メリット3:メンタルマネジメント
FXで勝つためには、メンタル管理もまた欠かせません。
トレードでは常に、勝った負けたでメンタルが揺さぶられることになり、特に損失を抱えた局面では、判断力や意思決定力が低下してしまうことがあります。
そこで考えていただきたいのが、頻繁にトレードを繰り返すのと、じっくり待って一戦一戦をこなすのとでは、どちらがよりメンタルに負担を抱えるかということ。
言うまでもなくその答えは前者であり、時間を投入してメンタルマネジメントに努めることもまた、トレーダーに必要なスキルの1つなのです。
「待つ」ことでトレードの勝率を上げるポイントとは?
「待つ」ことを活かした戦略には、次の2つが挙げられます。
レンジ相場を理解する
上述したように、FXでは値動きの大部分占める「レンジ相場」の理解が重要です。
レンジ相場を持つ通貨ペアとしては「NZDUSD」が有名で、ほとんどの値動きが0.60000〜0.85000に収まっていることが分かります。
仮にエントリーの見極めが甘く、早々に含み損を抱えてしまったとしましょう。
ただそのエントリーが史上最高値・最安値になる可能性は極めて低く、レンジ相場の性質を信じて待ち続けることができれば、そのポジションは高確率で救われると考えられます。

上位足を徹底意識
FXにおける「待つ」ことの本質は、形成に時間のかかる上位足(4時間足、日足、週足など)を活かすことです。
上位足と下位足、どちらのトレンドが強く、そして予測しやすいのかと言えば、その答えはやはり上位足となります。
なぜなら上位足に移るほど取引量も多く、またインジケーターも機能しやすくなるため、上位足の値動きをじっくりと待てるトレーダーほど勝ちやすくなるというわけです。
上の図のように、小さなトレンドは最終的に大きなトレンドに飲み込まれるということを意識できれば、時間をかけて形成される上位足の重要性にも気づけるのではないでしょうか。
待てないトレーダーが負けやすくなる理由とは
待つことができないトレーダーは、5分足のような短期ローソク足を主軸にトレードすることになりますが、相場の動きが短期的かつ急激な状況下では、予測が困難です。
トレードの難易度は短期になるほど高くなりますので、いち早く初心者を脱して安定して稼ぐためには、じっくりとローソク足の形成を待てるようになる必要があります。
短期足ではトレード難易度が高くなる理由
例えば、5分足のローソク足でトレードを行う場合、一つのローソク足が形成されるために必要な時間はたったの5分です。
ここまで時間が短いと、一つのローソク足で価格が急激に変動し、次のローソク足で価格が逆方向に動いてしまうことも珍しくありません。
そのためトレードのギャンブル性が高くなってしまい、5分足のような短期ローソク足では、相場がどのように動くか予測が難しくなるというわけです。

利益率の低下を招く
短期的なトレードは、エントリー・決済のタイミングが非常に重要であり、タイミングを誤ると損失を出す可能性が高くなります。
実践してみると分かりますが、1pipsのような微益決済では、約定力の弱い口座ではタイミングがずれることも多く、利益が残らないことも起こり得ます。
加えて、スプレッドや手数料などのコストを支払う回数も多くなるため、トータルの利益率が低下するというわけです。
ポジポジ病の罠
待つことができないトレーダーは、相場が動くたびに取引をしようとするポジポジ病に陥ることがあります。
ポジポジ病を自覚しないままでいると、エントリー前の分析を怠るようになり、トレード精度の低下を招くことになるでしょう。
以上の理由より、基本的に初心者が短期トレードに取り組むのは部が悪いと考えられるため、まずはローソク足の形成しっかりと待てるように意識してみてください。
待つためのポイントはレバレッジを意識!
待つことが重要であると理解しても、状況によっては待つことが許されないこともあります。
それが強制ロスカットであり、そうなれば含み損の回復を待つことも叶いません。
では、運用方針としてどう対策していくのか、それはやはり恒常的にレバレッジを効かせすぎないことです。
長期で待ち続けるには数十pips〜数百pipsと大きな変動にも耐える必要があり、レバレッジの余裕がメンタルの余裕に直結します。
また「レバレッジはなるべく抑え目に」という意識は、短期・長期いずれの時間足に移っても共通する心構えとなりますので、以下の記事を参考の内容も踏まえておきたい所です。

まとめ:待てるようになるとFXの勝率は高まる!
投資の神様、ウォーレン・バフェット氏の言葉に、次のようなものがあります。
「時間は私たちの味方であり、私たちは時間に逆らってはならない。」
この名言は、バフェット氏が投資において長期的な視点を持つこと、また待つことの重要性を説いたものです。
投資家が長期的な視点で投資することで、市場の短期的な変動や揺らぎに影響されないようになり、それが最終的に最大限の利益をもたらす。
これはFXにも同じことが当てはまり、短期的な変動に左右されていては、堅実な勝ちは得られません。
なるべく長期で、チャンスもピンチもじっくりと待てるような運用を心がけていきましょう。