FXのリスク、危険を解説!元本割れの失敗例と理由、コントロール術も

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FXにはさまざまなリスク・危険がありますが、特にレバレッジとロスカットは元本割れや追証(追加保証金を求められること)を招く可能性がある高リスク要因です。

「FXで人生終わった」という声がネット上に存在する理由は、ロスカットやレバレッジの意味・仕組みを十分に理解せず、取引を続けた結果と言えるでしょう。

しかし、適切なリスク管理を実践すれば、計画的に資産を増やす投資手段としてのトレードが期待できます。

本記事では、FXに潜む7つのリスク・危険を具体例とともに解説し、資産を守るための実践的な管理・コントロール方法を紹介します。

記事を読むと分かること
FX取引における7つの主要なリスク・具体的な失敗例と元本割れが起こる理由
リスクリワード比率を重視した「損小利大」の取引方法
自分のリスク許容度に基づいた適切な資金管理の方法
勝率
ストップロスオーダーで機械的にリスクをコントロールする具体的な注文方法

FXの7つのリスク・危険

FXの主なリスク・危険は以下の7つです。

  1. レバレッジリスク
    少額の資金で大きな取引ができるが、損失も証拠金以上に膨らむ可能性があるリスク
  2. ロスカットリスク
    含み損が一定水準に達すると強制的にポジションが決済され、損失が確定するリスク
  3. 為替変動リスク
    為替レートが予想と逆に動き損失が生じるリスク
  4. 金利変動リスク
    通貨間の金利差が変動することでスワップポイントが変化し、損益に影響を及ぼすリスク
  5. 信用リスク
    FX業者の破綻や取引相手の債務不履行により、預けた資金や利益が返還されないリスク
  6. 流動性リスク
    通貨ペアの取引量が少なく、希望する価格やタイミングで取引できないリスク
  7. システムトラブルのリスク
    取引システムの障害やサーバーダウン、通信トラブルにより注文・決済ができず損失が発生するリスク

まずはFX特有の高リスク「レバレッジ」「ロスカット」について、解説していきます。

1.2. FX特有の高リスクはロスカットとレバレッジ

レバレッジとは少額資金で大きな取引を可能にする「てこの原理」を意味する仕組みですが、予想と逆に動くと「損失」にも同様のレバレッジがかかります

例えば10万円の証拠金で25倍のレバレッジをかければ250万円分の取引ができます。
しかし、予想と逆に動くとわずか4%の為替変動で証拠金全額が失われます。

損失は10万円(元本全て)で、為替変動が4%以上予想と逆に動くと元本割れとなります。
利益も25倍になりますが、損失も25倍となるのです。

ロスカットは証拠金維持率が一定水準を下回ると自動的にポジションが決済される仕組みで、急激に相場が変動した際には、想定以上の価格でFX会社により強制決済されることがあります。

さらに重要指標発表時や週末に大きな値動きがあると、ロスカットが間に合わず証拠金以上の損失(元本割れ)が発生する可能性があるのです。

この場合、FX業者から追加証拠金(追証)を請求されることもあります。
投資した10万円が失われるだけではなく、さらなる借金を背負うケースもあるのです。

ネット上に「FXで人生終わった」という声があるのは、レバレッジとロスカットの恐ろしさとも言えるでしょう。

レバレッジとロスカットについては、下記記事にて詳しく解説しています。

レバレッジとは レバレッジとは?FXを始めるために必要な知識を初心者向けに解説! ロスカットとは ロスカットとは?資金を守るために知っておくべき特徴を解説!

3. 為替変動リスク

通貨ペアの為替レートが予想と逆に動き、損をするリスクです。
特に為替相場は、証券取引時が開いている時間のみ価格が変動する株とは異なり24時間絶えず変動しています。
例えば30万円の証拠金で米ドル円を10倍のレバレッジで取引していた場合、重要な経済指標の発表や要人発言により、数時間で3円動けば30万円の損失が発生します。

FXが危険な理由の1つとして「24時間止まらない相場」に晒されることが挙げられます。
週末を挟んで月曜朝に大きく窓を開けて始まることもあり、その場合は損切り注文すら機能しません。

4. 金利変動リスク

通貨ペアの金利差によって得られるスワップポイントは、各国の金利によって変動します。
高金利通貨でポジションを保有しスワップポイントを期待していても、政策金利の変更により金利差が逆転すれば、マイナススワップを支払うことになります。

5. 信用リスク

信用リスクとは、FX業者の破綻や取引相手の債務不履行で、資金などが返還されないリスクです。

国内のFX業者が破綻しても、顧客の資産を自社の資産とは完全に分離し、信託銀行に信託して管理(信託保全)することが義務付けられています。

しかし、過去に旅館業に投資するファンドの取得勧誘を行っていたイニシア・スター証券株式会社は、顧客からの出資金の大半を投資家に説明することなく委託業者に前払金として流用しており金融商品取引法に基づき金融庁から登録を取り消されています。

また、海外FX業者は信託保全制度が適用されませんので、特に注意が必要です。

2022年11月には、野球選手の大谷翔平さん、テニス選手の大坂なおみさんなどが広告をしていた暗号資産(仮想通貨)交換業大手FTXトレーディングが経営破綻しています。

著名人が広告をしていても、経営破綻の可能性がありますのでFX業者を選ぶ際には慎重に検討しましょう。

6. 流動性リスク

市場参加者が少なくなると流動性が低下し、買い手が少なくなり「売りたくても売れない」状況に陥ってしまいます。

経済指標の発表直前直後、クリスマスや正月などの休場日付近、そして地政学リスクなどによる市場の混乱時には流通量が少なくなる傾向があります。

特にマイナー通貨ペアではこの傾向が顕著で、希望価格で決済できず、想定外の損失を被る恐れがあります。

7. システムトラブルのリスク

通信回線や取引システムの障害により、意図したタイミングで注文や決済ができず、損失が拡大してしまう、機会損失をしてしまうリスクです。

また、自身のインターネット回線がつながらなくなるリスクもあります。

ネット回線ダウンのリスクに備え、スマートフォンアプリなど複数の取引手段を用意していても、業者側のシステムダウンには対処できません。

FXのリスクを管理・コントロールする方法

FXでリスクを管理・コントロールするために、勝率よりも「リスクリワード比率」を重視する、「損小利大」の考え方を取り入れるなど以下4つの方法を実践してみましょう。

1. 勝率よりも「リスクリワード比率」を重視する

FX取引では、勝率よりもではなく、リスクリワード比率(リスク・リワードレシオ)が重要となります。

リスクリワード比率とは、1回の取引における「利益」と「損失」の比率です。
成功しているトレーダーは、比率が1以上、つまり「平均損失よりも平均利益が大きい」状態を維持しています。

例えば損切りは1万円、利益確定は2万円に設定すれば、リスクリワード比率は2.0です。比率が1以上であれば、勝率が50%でも利益は残ります。

長期的に見ると、7回負けても3回の大きな勝ちでトータルプラスにする「損小利大」の考え方が、FXで利益を出すために重要なポイントです。

トレード日記を付けている方は、随時リスクリワード比率を計算し参考にしましょう。
ちなみに、リスクリワード比率は一般的に「2~3程度」が理想とされています。

2. 負けることを計画に織り込む

FX取引で、100%勝ち続けることは不可能です。

まず「損失を避け続けることは無理」という前提で、損失を織り込みトータルで利益を出すことを目指しましょう。

「今月は10回の取引で3回負けるかもしれない。そのための損失額は合計5万円までにおさえる」など、あらかじめ負ける回数や金額を具体的に設定しておきましょう。

完璧を求めず、全体で勝つ戦略を立てることをおすすめします。

3. 自分のリスク許容度を正しく把握する

リスク許容度とは、損失が出た時に「精神的・経済的にどこまで耐えられるか」の限界値です。
個人の経験レベルや資金状況・性格などにより異なります。
多くのプロトレーダーが推奨するのは、1回の取引で全資産の1〜2%以内に損失を抑えることです。

ただし、リスク許容度は以下の項目に左右されますので、自身でチェックし調整を行いましょう。

チェック項目リスク許容度
リスク許容度
余剰資金の額多い少ない
世帯構成単身世帯ファミリー世帯
年齢20~30代40代以降
性格大胆慎重

4. 低レバレッジ・少額からスタートする

個人投資家は国内で最大25倍のレバレッジをかけられますが、初心者が高レバレッジで取引するのは避けた方が無難です。

まずは1〜3倍程度の低レバレッジから始め、相場に慣れることを優先しましょう。
例えば10万円の資金で2〜3倍程度から始め、取引に慣れてから徐々にポジションを大きくしていきます。

高レバレッジでの取引は、わずかな為替変動でロスカットされるリスクが高まります。

5. 機械的にFXのリスクをコントロールする「ストップロスオーダー」

FXでエントリーと同時にストップロスオーダー(損切り注文)を設定することで、感情に流されず、機械的に損失を限定する仕組み作りが可能となります。

ストップロスオーダーの基本は「逆指値注文」です。

逆指値注文は指値注文とは逆に「指定した価格まで下がったら売る」「指定した価格まで上がったら買う」とする注文方法です。
例えば米ドル円145円で買いポジションを建てる際、同時に142円に逆指値の売り注文を入れておきます。
予想通り相場が上昇すれば、この注文は発動しません。

しかし予想に反して下落した場合、142円で自動的に決済され、3円分の損失で食い止められます。

初心者ほど「もう少し待てば戻るかも」と損切りを先延ばしにする傾向がありますが、あらかじめ予約注文をすると感情に左右されず、確実に損失をおさえられます。

損切りだけでなく、利益確定も同時に予約できる注文方法があります。以下3つの注文方法をおさえておきましょう。

 

IFD注文

(イフダン注文)

新規注文と決済注文をセットで予約する方法。
「145円になったら買い、147円になったら売る」という2つの注文を一度に出せる。
ただし、利益確定か損切りのどちらか一方しか設定できない。

OCO注文

(オーシーオー注文)

利益確定と損切りの2つの決済注文を同時に出せる。

既に保有しているポジションに対して「147円で利益確定、144円で損切り」と設定すれば、どちらか一方が約定した時点で、もう一方の注文は自動的にキャンセルされる。

IFO注文

(アイエフオー注文)

新規注文、利益確定、損切りの3つを一度に予約できる。
例えば「米ドル円が145円になったら買い、147円で利益確定、144円で損切り」という3つの注文を同時に出せる。
エントリーした瞬間に出口戦略も完結するため、チャートをチェックする必要がなく、感情的な判断も排除できる。

トレーリング

ストップ注文

含み益が増えると自動的に損切りラインを引き上げてくれる注文方法。
145円で買いポジションを持ち、トレーリングストップを50銭(50pips)に設定すると、146円に上昇した場合自動的に損切りラインが145.50円に引き上がる。

「損小利大」のトレードをするために、上記のストップロスオーダーは欠かせない「相棒」となります。

損切りを手動で行うと感情が判断を鈍らせる可能性がありますが、ポジションを建てる時点でストップロスオーダーを設定することで機械的に損切り、利確が実行できるのです。

まとめ

FXには7つの主要なリスク・危険が存在し、特にレバレッジとロスカットは元本割れや追証を招く恐れがあります。
しかし、適切な管理方法を実践することでリスクは軽減できます。

リスクが気になる方は、まず自身のリスク許容度を知り、勝率よりリスクリワード比率を重視する、負けることを計画に織り込む、そしてストップロスオーダーを設定するなどの方法を実践してみましょう。

FXで長期的に利益を出すためには「退場しないこと」が重要です。小さな損失をおさえる仕組みを整え、コツコツと利益を確定させることで、トータルで大きな利益となる可能性があります。

まずは余剰資金で少額から始め、1回の取引で許容できる損失額を計算し、ルールに従った取引を徹底しましょう。