FX初心者向け「クソポジチェッカー」の使い方・見方について|オーダーブックで注文状況が一目瞭然!?

自分のポジション状況は、客観的にみて有利なのだろうか、それとも不利なのだろうか?

それを判断するためのツールが、本記事で紹介する「クソポジチェッカー」と呼ばれるものです。

一見ふざけたネーミングのように思えますが、これが実に有用で、自分の置かれている状況を即座に判断できる優れものなのです!

具体的な使い方、またトレードにおける活用法など詳しく解説していきますので、ぜひ本記事をきっかけに興味を持っていただければと思います。

クソポジチェッカー(オーダーブック)とは?主な機能を紹介

クソポジチェッカーとは、各FX会社が公開している顧客の注文・ポジション状況のことであり、正式にはオーダーブックと呼びます。

読み取れる情報は多岐にわたるため、クソポジチェッカーが手元にあるのとそうでないのとでは、明確な差が出てくるでしょう。

・ポジション量の偏り状況

・大衆の心理状況

・指値や逆指値の注文状況から相場の転換ポイント

・サポートとレジスタンス帯の強さ

・大口の仕掛けるタイミング

クソポジチェッカー(オーダーブック)は基本的に無料で利用できるトレードツールであるため、ぜひとも手持ちカードの1つとして、正しい使い方を知っておきたいところです。

クソポジチェッカーを提供しているFX会社・サービス

クソポジチェッカー(オーダーブック)は、各社が「投資家の建玉比率」や「注文状況」といった形で提供しています。ここでは、実際に利用できる主要なサービスを紹介します。

OANDA Japan「オーダーブック」

OANDA Japanは世界的に有名なオーダーブックを提供しています。

機能:オープンオーダー(未約定注文)、オープンポジション(保有中のポジション)

更新頻度:オープンポジションは約20分ごとに更新

特徴:海外トレーダーを含む幅広いデータを反映

外為どっとコム「外為注文情報」

国内大手の外為どっとコムでは、注文・保有比率を公開しています。

機能:オーダーブック(未約定注文)、売買比率、ポジション比率

更新頻度:30分ごとに更新

特徴:国内口座数が多く、日本人投資家の動向を把握しやすい

みんなのFX/LIGHT FX「ポジションブック」

トレイダーズ証券が運営する「みんなのFX」「LIGHT FX」では、投資家比率を詳細に公開しています。

機能:ポジションブック(人数・数量ごとの偏り)、オーダーブック、売買比率

更新頻度:30分ごとに更新

特徴:スワップ投資家も多く利用しており、中長期ポジションの偏りが把握しやすい

ヒロセ通商(LION FX)「ポジション情報」

ヒロセ通商は独自に細かい情報を提供しています。

機能:価格帯別ポジション情報(3分おき集計)、顧客センチメント(1時間おき更新)

特徴:短期売買ユーザーが多いため、直近の動向を細かく把握可能

SBI FXトレード「投資家比率」

SBI FXトレードでは、シンプルな売買比率データを公開しています。

機能:通貨別新規売買比率、時間帯別・価格帯別の比率

特徴:SBIグループの口座規模から、日本国内の投資家心理を反映

楽天証券「楽天FX・売買比率」

楽天証券でも注文・保有比率を公開しています。

機能:売買比率(注文・保有)、価格帯分布

特徴:楽天証券ユーザーの傾向を把握でき、株式投資家の動向も影響

FOREX.com「クライアント・センチメント」

FOREX.comも世界的に有名なセンチメントデータを提供しています。

機能:FXや指数CFDの買い/売り比率

特徴:FXに限らず、幅広い銘柄で大衆のポジション状況を確認可能

URL:https://www.forex.com/jp/market-analysis/client-sentiment/

 

クソポジチェッカーの使い方・見方について

クソポジチェッカーの使い方

クソポジチェッカーは様々な種類がありますが、OANDAが公開しているオーダーブックがもっともおすすめです。

使う際に口座開設を済ませる必要もなく、ページにアクセスするだけで誰でも簡単に使えるようになります。

また口座開設を行なった場合は、オーダーブックの更新頻度がアップするため、本格的にクソポジチェッカーを取り入れたい方は済ませておくべきでしょう。

クソポジチェッカーの見方について

オープンオーダー:指値の注文状況 オープンポジション:保有中のポジション状況

  1. 売り指値:利益確定のため売りたい
  2. 買い逆指値:損切りのために買いたい
  3. 売り逆指値:損切りのために売りたい
  4. 買い指値:利益確定のために買いたい
  5. 含み益のある売りポジション
  6. 含み損のある買いポジション
  7. 含み損のある売りポジション
  8. 含み益のある買いポジション

①~⑧まで、それぞれを正確に覚える必要はありません。

どの場面でどう扱うのかについては、次節で詳しく解説していきます。

「クソポジチェッカー」の由来

今更になりますが、クソポジとは含み損を抱えたポジションのことです。

つまり⑥&⑦の状況に追い込まれたトレーダーのことになりますが、初心者の方からすれば、これらの情報が分かったところで何の意味があるの、と思われるかも知れません。

情報は使ってこそ価値を発揮しますので、是非とも正しい活用法もあわせて習得しておきたいところです。

クソポジチェッカーの活用法!実際のチャートからエントリーポイントを探る

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ここからは、クソポジチェッカーをどのようにトレードに活かすのか、具体的なやり方についてお伝えしていきましょう。

ポイント1:オープンポジションをチェック

まずはオープンポジションに注目して、ポジションがどちらに偏っているのかを確認してみましょう。

上の画像で言えば、⑧のエリアに大きな偏りが見られ、含み益を抱えているトレーダーが多いということがわかります。

そしてこの後は、その含み益を決済する流れが起こりますので、相場には買いポジションの決済として多くの売り注文が入ることが予想されます。

ポイント2:クソポジチェッカーと実際のチャートを比較

実際のチャートと比較して、オーダーブックの有用性を見てみましょう。

赤丸で囲った部分は、上で紹介したオープンポジションと同タイミングのローソク足です。

チャートを見て分かる通り、赤丸で囲った部分以降から徐々に下落トレンドが起きていることが分かります。

上述したように、大量の買いポジションが決済され、相場において売り圧力が高まったことが理由として挙げられるでしょう。

また、下落トレンドが始まる前段階においては、大きな値動きが見られないレンジ相場です。

為替レートがレンジ相場から逸脱する際は、溜まったポジションが大量に決済されることによって、かなりの確率で大きなトレンドが発生しますので、よりクソポジチェッカーの信頼度も高くなるでしょう。

ポイント3:損切りラインにも注目!

オープンオーダーからは、トレーダーがどのポイントに損切りラインを設置しているのか、ある程度把握することができます。

赤枠で囲った部分のように、いくつか突出したエリアがあることにお気づきでしょうか?

このポイントには多くの損切り設定(逆指値)が集結しており、117.000円のようにキリの良いレート帯に集まる傾向があります。

大口は、この損切りラインを把握してストップ狩りを狙ってきますので、免れられるようオープンオーダーの確認は定期的に行なっていきたいところです。

ストップロスの原因と対策まとめ!ストップロスを狙う大口の心理とは? ストップ狩りの原因と対策まとめ!ストップ狩りを狙う大口の心理とは?

クソポジチェッカーを用いる3つのメリット

クソポジチェッカーは、トレンドラインやインジケーターとは異なる、言わば第三の指標です。

用いることでどのようなメリットがあるのか、ぜひ本節からで学んでみてください。

メリット1:他の投資家のポジション状況が分かる

ここまで上述した通り、クソポジチェッカーにより、現在の投資家のポジションの保有状況や、注文状況を一目で確認することができます。

どの辺に買い注文が集まっていて、どの辺に売り注文が集中しているのか、この辺を押し引きが読み解けるようになれば、エントリー・決済の制度は大きく高まるでしょう。

最近のオープンオーダーでは、未約定のオーダーについて簡単に把握できるようになっています。

たとえば上画像の場合であれば、未決済のオーダーは「ロング:ショート=8:2」となっておるため、市場的にはまだ上目線だということが一目で分かるでしょう。

メリット2:大衆心理を掴める

大衆心理を掴めるという点も、クソポジチェッカーのメリットの1つです。

例えば、ロングでエントリーしたものの、チャートが下落して含み損を抱えた状況を想定してみましょう。

その状態において、含み損を抱えるトレーダーがどの程度存在するのかは、オープンポジションに表示される横棒の大きさから推察可能です。

もし、まだ未決済のトレーダー(上画像の①)が多く残されているのであれば、彼らが損切を決行した際、チャートの下落は加速するかもしれません。

反対に、含み損を抱えるトレーダーが少ないのであれば下落余地は少なく、チャートの反転にも期待できます。

この辺の大衆心理に関する知識については、以下の記事でも詳しく紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

大衆心理を掴めばFXは勝てる!知っておきたいトレード活用法まとめ

メリット3:未決済注文を見る事で反転の可能性を読み取れる

クソポジチェッカーでは、未決済注文のグラフを読み解くことで、反転の可能性を探ることが出来ます。

例えばチャートの下落局面において、未決済のオーダーがショートよりも圧倒的に優位(8割近く)であれば、チャートの反転上昇に期待できるでしょう。

一方でまだショート勢が多い、あるいは五分五分であれば、チャートの継続が示唆されています。

ほかのインジケーターを参考にしつつ、クソポジチェッカーで自分がどちらの勢力に入ろうとしているのか、チャート反転の可能性も含めて把握しておくと良いでしょう。

クソポジチェッカーの4つの注意点!

クソポジチェッカーは大変便利なトレードツールですが、いくつかの注意点もありますので、扱い際には以下の点に留意しておきましょう。

注意点1:大口のデータは反映されていない

クソポジチェッカーで公開されている情報は、個人投資家のみとなります。

相場を大きく動かせる大口・機関投資家の注文、ポジション状況等は織り込まれておりませんので注意が必要です。

とはいえ、個人投資家の注文総量は十分大口に対抗できる圧力を秘めておりますので、クソポジチェッカーが無用になるかと言えばそうとは言い切れません。

個人投資家が作るトレンドに、そのまま大口が乗っかることもありますので、エントリー前には必ずチェックしておきたいところです。

注意点2:売買シグナルにはならない

クソポジチェッカーを用いることで、より有利に立ち回れることは確かですが、これだけで勝てるほどFXは簡単ではありません。

クソポジチェッカーは、あくまでもポジションや注文状況を示すデータです。

市場参加者の動きを読むものであって、売買シグナルとして活用できるものではなく、エントリー時には必ずインジケーターを用いて根拠を万全に整えておきましょう。

注意点3:クソポジの決済タイミングを決めておく

クソポジをどのタイミングで決済するのか、あらかじめ決めておくことをおすすめします。

というのも、大衆のクソポジは大口にも筒抜けであるため、相場を動かして意図的にロスカットに追い込んでくる(ストップ狩り)ことがあるからです。

例として、上の画像のオープンポジションに注目してみると、139.0円レート付近では、多くのクソポジが溜まっています。

ここから大口は、さらにレートを下げるよう注文を出すと、ロングポジションの損切りが次々と生まれ、レートはさらに下がっていくでしょう。

クソポジがある程度溜まった状況であれば、いつストップ狩りが執行されるか定かではありません。

大衆のクソポジと同様に追い込まれないよう、早めの損切りが望ましいと考えられます。

注意点4:クソポジチェッカーの更新頻度は30分に1回

クソポジチェッカーは、チャート上のローソク足のようにリアルタイムで反映されるわけではありません。

更新頻度は大体30分に1回程度となっているため、参考にする際はご注意ください。

利益を取り損ねたり、損切タイミングを逃すことにもなりかねませんので、なるべく鮮度の高い情報を参考にすると良いでしょう。

 

クソポジチェッカーと相性の良いFX分析手法

クソポジチェッカー(オーダーブック)は、それ単体でも大衆心理を把握できる便利なツールですが、万能ではありません。

相場の背景を無視して使うと、かえってダマしに振り回されるリスクもあります。

そこで本節では、より効果を高めるために、他の分析手法と組み合わせることについて紹介してきます。

サポート・レジスタンスラインとの併用

サポートラインやレジスタンスラインは、相場が何度も反発・反落してきた「節目の価格帯」を示すもので、多くの投資家が意識する水準です。

一方、クソポジチェッカーは「投資家の注文やポジションの偏り」を可視化するツールです。

この2つを組み合わせると、相場の節目と大衆心理の重なりを確認でき、より精度の高いエントリー・決済判断が可能になります。

たとえば、サポートライン付近に買いポジションが大量に積み上がっている状況(下画像)では、その水準を下抜けると損切り注文が一斉に発動し、急落が起こる可能性があります。

逆に、レジスタンスライン付近に売りポジションが偏っていれば、上抜けした瞬間に踏み上げが起き、急上昇に転じるケースも少なくありません。

つまり「ライン+クソポジチェッカー」で相場の転換点やブレイクの強さを測れるわけです。

実際のトレードでは、まず過去の高値・安値やキリ番(心理的節目)でラインを引き、そこにどれだけ注文や含み損ポジションが集中しているかを確認すると良いでしょう。

プライスアクションとの組み合わせ

プライスアクションは、ローソク足の形や動きから相場の勢いを読み取るシンプルな手法です。

代表的なものに「ピンバー」「包み足」「インサイドバー」などがあります。これらはトレーダーの心理をチャート上に反映したもので、タイミング次第では非常に強力なシグナルになります。

ここにクソポジチェッカーを重ねると「プライスアクションの裏付け」が得られます。

たとえば、レジスタンスラインで大きな売りポジションが積み上がっている状況で「上ヒゲの長いピンバー」が出現した場合、多くの投資家が含み損を抱える可能性が高まり、その後の下落シナリオに信頼性が増します。

逆に、買いポジションが多く溜まっている地点で強い陽線包み足が出れば、「損切りを巻き込みながら上昇が続く」といった展開を予測できます。

つまりクソポジチェッカーを組み合わせることで「本当に大衆がその水準で偏っているか」をデータで裏付けでき、感覚的なトレードから一歩進んだ精度の高い分析につながります。

まとめ:クソポジチェッカーを活用してより有利な立ち回りを!

本記事では、クソポジチェッカーの概要や、見方・活用法・注意点について解説しました。

個人投資家のポジションや注文状況を見通すための取引ツールですが、これを活用することで、相場をより俯瞰して見れるようになるはずです。

ただし、資金量の多い大口や機関投資家の注文とポジションは含まれません。

クソポジチェッカーだけでは読み取れない相場の流れも時には発生しますので、ストップ狩りを仕掛けられて泣き寝入り…なんて展開にならないよう注意したいところです。