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おはようございます。大塚亮です。
2021年10月8日の相場分析です。
目次
概況
ポンド円の10月7日終値は151.997円、前日比0.597円高と反発した。取引レンジは152.088円から151.032円。
10月1日から3日連続の日足陽線=赤三兵で上昇して10月6日午前には152.157円まで高値を切り上げたが、6日夜のドル高局面でのポンドドルの下落で6日深夜安値150.817円へ反落した。しかし151円割れは買い戻され、7日は米長期債利回りが連騰したものの英10年債利回りも上昇してドル高圧力を打ち消し、NYダウが3連騰する中でリスク選好感が高まったことでポンドドルが持ち直し、米長期債利回り上昇によるドル円のジリ高も重なったことでポンド円は152円台到達まで回復、6日午前高値にあと一歩へ迫っている。
注目ポイント 英10年債利回りは終値ベースで高値更新
10月7日は米10年債利回りが1.576%へ上昇して8月4日以降の高値を超えた。物価上昇の継続と米連銀による利下げ想定時期の前倒しによる利回り上昇圧力に加え、米連邦債務上限問題で12月までの暫定的引上げに上院与野党が合意したことで米国債デフォルト懸念が後退、週間新規失業保険申請件数が4週ぶりに改善したことも重なってNYダウが3連騰したことでリスク回避感後退で株買い債券売り・長期債利回り低下となった。債務上限引き上げにより米財務省は来週に大量の長短国債発行を予定したことも債券売り・利回り上昇を招いている。これらはドル円にとっては押し上げ材料でありポンド円への支援要因となる。
英10年債利回りも英中銀による年末への利上げ予想や物価高騰、特に英国内の天然ガス高騰や原油高を背景に上昇基調を継続している。10月6日は一時1.152%まで上昇して8月4日以降の高値を更新したところから1.065%まで低下したが、7日は1.04%まで続落してから反騰入りして1.09%まで戻しており、終値ベースでは8月4日以降の最高値となっている。このため米長期債利回り上昇によるドル高圧力も打ち消されており、NYダウ連騰によるリスク選好感での投機通貨買いからポンドドルも確りできているといえる。
中勢テクニカル 3~4か月サイクルの底試しと三点底からの切り返しの攻防
ポンド円の日足チャートでは概ね3か月から4か月周期の底打ちサイクルが認められる。昨年3月18日底以降、主要な安値が3か月後の6月29日、3か月後の9月22日、3か月後の12月21日、4か月後の今年4月23日、3か月後の7月20日で付けている。
7月20日安値以降、8月20日及び9月21日への下落では底割れを回避しているが、7月29日高値から9月14日高値へと戻り高値を切り下げているので、既に7月29日高値を起点として下落期入りしている可能性が高いと思われる。このため9月14日高値を超えないうちは次の150円割れから7月20日安値試しへ向かい、底割れからは次の底形成期となる10月後半から11月後半にかけての間へ安値試しを続けやすくなると思われる。
中勢レベルの強気転換は7月29日高値超えからとなるが、その前のハードルとして9月14日高値を超える必要がある。9月14日高値を超えれば、7月20日と8月20日及び9月21日の3つの安値で三点底を形成しての強気サイクル入りが考えられるが、そのためには10月8日の米雇用統計を強気で通過してゆくことが条件になるのだろうと思われる。
短期テクニカル
ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちとピークアウトを繰り返すリズムがある。
10月7日午前時点では10月1日夕安値を起点とした上昇が10月6日午前高値152.157円でピークを付けて下落期に入ったとし、安値形成期は10月6日夜から8日夜にかけての間と想定されるので既に6日深夜安値で底を付けた可能性があるとしたが、10月7日夜へ高値を切り上げてきているので6日深夜安値を底として上昇期に入ったと思われる。新たな高値形成期は10月11日午前から13日午前にかけての間と想定されるが、米雇用統計もあるので戻りは短命の可能性もあると注意し、10月6日深夜安値割れからは新たな下落期入りとして11日夜から13日深夜にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では10月7日夜の上昇で遅行スパンが好転、先行スパンも上抜き返している。その後も両スパン揃っての好転を維持しているので遅行スパン好転中は高値試し優先とする。ただし先行スパンから再び転落する場合は下げ再開とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は10月7夜の上昇で70ポイントへ到達、その後も60ポイント以上を維持しているのでまだ上昇余地ありとるすが、50ポイント割れへ急落する場合は下げ再開とみて30ポイント台を目指す下落を想定する。
10月8日の売買戦略
夜の米雇用統計次第では上昇の加速も急落に転じる可能性もあるところとして臨機応変の対処を心掛けたい。
151.50円以上での推移中は押し目買い有利の状況とみて9月28日高値152.569円試しとし、高値更新からは153円を目指す流れとみる。151.50円以上を維持しての推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
151.50円割れからはいったん下げに入るとみて戻り売り有利の展開とし、6日深夜安値150.817円試しへ向かうとみる。底割れの場合は150円台中盤(151.65円から151.30円)を試すとみる。また151.50円以下での推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。
10月8日の注目指標
・ドイツ
・15:00 8月 貿易収支 (7月 181億ユーロ、予想 150億ユーロ)
・15:00 8月 経常収支 (7月 176億ユーロ、予想 176億ユーロ)
・米国
・21:30 9月 非農業部門就業者数 前月比 (8月 23.5万人、予想 50.0万人)
・21:30 9月 失業率 (8月 5.2%、予想 5.1%)
・21:30 9月 平均時給 前月比 (8月 0.6%、予想 0.4%)
・21:30 9月 平均時給 前年同月比 (8月 4.3%、予想 4.6%)