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FXでは、大きく分けてふたつの「値動きを左右するもの」があります。
ひとつは、相場の動きに合わせて判断される「テクニカル要素」です。
FXに慣れてきた方のなかには、そのときの相場の状況を見て、なんとなくトレンドなのかレンジなのかといった判断ができるようになってきたという方もいるでしょう。
しかし、テクニカル要素だけに頼っていると、大きく損失を出してしまうこともあるかもしれません。
実は、FXではテクニカル要素に関係なく、相場に大きな影響を与えるものがあります。
それが、もうひとつの「ファンダメンタルズ要素」です。
目次
ファンダメンタルズってなに?
ファンダメンタルズとは、簡単にいうと、その国の経済状態を示す指標のことをいいます。
例えば、その国の国際収支やインフレ率、失業率といった指標がこれにあたります。
FXにおいては、国の信用が通貨の価値として表れるため、このような経済状態を表す指標の存在が、通貨の価値を測る判断材料とされているのです。
また、経済状態を示す指標のほかにも、政治や産業、災害といった要素もファンダメンタルズ要素として判断されます。
最近でいうと、米朝首脳会談やG7サミットが記憶に新しいですね。
その他、その国の大統領や首相、中央銀行の総裁といった 一個人の発言も相場に影響を与えるので注意が必要です。
実は活用しやすい?ファンダメンタルズ
さて、相場を左右するファンダメンタルズ要素がのようなものか、わかってもらえたでしょう。
ただ、ここまでの話を聞いて、ひょっとしたら、トレードにファンダメンタルズ要素を活かすには、「政治や経済について精通していないと判断が難しいんじゃないか」と思われたかもしれませんね。
しかし、実はファンダメンタルズ要素を使って相場を読み解くことは、決して難しいものではありません。
経済指標は決まったタイミングで発表される!
まず、ファンダメンタルズのなかで重要な要素となる経済指標ですが、実は発表されるタイミングは決まっています。
例えば、特に注目される経済指標のひとつとしてよく聞くアメリカの雇用統計は、毎月第1金曜日の午後10時半頃(日本時間)に発表されます。
※夏時間では午後9時半となります。
また、日銀の政策金利は、日銀金融政策決定会合の翌日に発表されます。
このように各国の経済指標は、ほとんどのものが発表日時を明確にしているため、いつ相場が動く可能性があるのかということがわかるのです。
参考となる数値が予想されている
さらにもうひとつ、ファンダメンタルズ要素が難しくないといえる理由があります。
それは、実は各経済指標には、参考となる数値が予想されているということです。
各証券会社や銀行などでは、経済指標の発表に合わせ、どのような結果になりそうか数値予測を出しています。
この予想はそのときの経済状況や前回の結果などから、専門家が予想しているものとなります。
そのため精度が非常に高く、この予想の数値と、実際に発表された数値にどれくらい差があるかということで、結果の良し悪しが判断されています。
事前に各経済指標の予想値を確認しておき、実際の数値と見比べて、エントリー判断をしていくといいでしょう。
一般的に、
- 結果が予想より良かった場合 ・・・買い
- 結果が予想通りだった場合 ・・・均衡
- 結果が予想より悪かった場合 ・・・売り
といわれています。
突発的なファンダメンタルズ要素もある
経済指標については、発表されるタイミングも決まっており、市場予測も出ているため、良し悪しの判断が比較的しやすいといえます。
しかし、ファンダメンタルズ要素のなかには、タイミングの読めないものもあります。
それは、突発的なものです。
例えば、テロや災害、そして要人発言です。
いうまでもなく、テロや災害は、ある日突然起こります。そして、このような出来事が起こると、当然、その国に対する信頼が揺らぎ、相場にも影響が出てきます。
実際に、日本でも東日本大震災の際には、一時的に株価が下がり、円が売られました。
こういったテロや災害など、予想不可能なものは仕方がない面もありますが、もうひとつの突発的な要素である要人発言については、ある程度予測や対策を立てることが可能です。
要人発言への対策
要人発言とは、その名の通り、経済に影響力を持つ要人の発言のことを指します。
特に注目されている人物としては、アメリカのトランプ大統領やFRBのパウエル議長、ECBのドラギ総裁、日銀の黒田総裁などが有名です。
このような要人の発言から、 相場への影響を読むには3つの点を押さえておくといいでしょう。
1.要人発言がされるタイミングを知る
要人発言のなかには、定例の記者会見など、あらかじめ発言する時間の決まっているものがあります。
例えば、欧州の中央銀行であるECBのドラギ総裁の記者会見は、ECB政策金利の発表後に行われることが決まっていますし、日銀の黒田総裁も政策金利の発表後に定例の記者会見を行っています。
とはいえ、ぶら下がりインタビューのなかでの発言や、トランプ大統領が度々物議を醸すTwitterなどSNSでの発言など、いつ飛び出すかわからないものもあります。
そういった予測できないものへの対策方法が次のふたつです。
2.その国の政治や経済の状況を理解する
まずは、その国の政治や経済がどのような状況にあるのかを理解することです。
例えば、今アメリカでは、先日まで行われていたサミットや北朝鮮との首脳会談が関心事となっています。
サミットでは、アメリカと他の参加国との貿易をめぐる対立が明確となり、特にカナダとの間では、大きな争点となっています。
また、北朝鮮との関係では、首脳会談をきっかけに、北朝鮮の非核化が進むかが注目されています。
サミットを見ると、アメリカやトランプ大統領の世界から見た評価はネガティブなものになっているといえますし、北朝鮮問題でも事態が好転しなければ、さらに失望感が広がることでしょう。
反対に、歴史的な首脳会談という出来事をきっかけに、北朝鮮問題が解決へ向かえば、アメリカやトランプ大統領の評価は高まるでしょう。
こういった背景があることをもとに、各国の要人がどのような発言をする可能性があるかを考えれば、相場に与える影響の予測を立てることもできます。
3.その人を知る
最後に、これまた重要となるのが、その人自身がどのような人物かを知ることです。
冷静に落ち着いてものごとを見る性格なのか、トランプ大統領のようにときに大胆なことをする人なのか。ということを知っておくだけでも、相場に影響を与える突発的な発言をしやすいのかどうかわかってきます。
また、その人の過去の発言やどのような政策を持っているのかというのを知っておくことも、どのような発言をしそうか予測するための要素となります。
その国の状況やその人の人物像がわかっていれば、たとえ突発的な発言だったとしても、どのような発言をする可能性があるか、予測を立てやすくなります。
すると、要人発言があったときの対策も立てやすくなるのです。
ファンダメンタルズ分析:まとめ
ここまで読んでみたことで、難しいと思われていたファンダメンタルズ要素が、要点さえ押さえてしまえばそれほど難しくないものだとわかってもらえたのではないでしょうか。
経済指標については、あらかじめ発表されるタイミングが決まっていますし、どれくらいの結果になりそうか数値の予測もされています。
その予測と実際の数値を比べた際の良し悪しで、相場がどちらに向きやすいのか方向性を見ることもできます。
また、要人発言は、その国や要人の性格を理解しておくことで、どのような発言がされる可能性があるか想定することも可能です。
あらかじめ想定しておくことで、突発的な発言があった際にも相場の方向性を読みやすくなります。
そのためにも、普段からニュースはチェックしておき、各国が現在どのような状況なのかということを把握しておきましょう。
1日10分ニュースを見る習慣をつけるだけでも、大まかな政治や経済の動きがわかるようになり、トレードにも役立つことでしょう。