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最近になって世界情勢を賑わせているのが、従来より大国であるロシアです。
今でこそ経済情勢や、国家の存続が危ぶまれるロシアですが、投資対象としてはどうなのでしょうか?
本記事では、FXで取引できる通貨の1つ「ロシアルーブル」について解説していきます。
目次
ロシアルーブルの特徴について
ロシアの通貨であるルーブルに投資するトレーダーも少なくありません。
ここでは、そんなロシアルーブルについて、いくつかの特徴を紹介していきます。
特徴1:高いスワップポイント
ロシアの政策金利は7.5%です(※「外為どっとコム」より参照)。
南アフリカランドやメキシコペソと同様に、高金利通貨として知られており、通貨を保有することで高いスワップポイントを受け取ることができます。
実際、政策金利の推移を見てわかる通り、恒常的に金利が高いわけではなく、大きく上下に変動しています。
金利の安定性は、政治や経済情勢の安定性と直結しているため、ロシアという国がいかに揺らぎやすいか、政策金利の推移から読み取れるでしょう。
また、受け取れるスワップポイントは以下の通りです。
現状100万通貨あたりで、300円のスワップポイントを受け取ることができます。
レバレッジを活用した場合、どれくらいのスワップポイントを受け取れるのか、具体的な試算については次節にて解説しております。
特徴2:1通貨あたりが安価
ロシアルーブルは、1通貨あたりの価格が2円前後で推移しています。
つまり、10,000通貨を保有する際に必要となる資金は約2万円。レバレッジ25倍を適用させることで、最低必要証拠金は800円です。
スワップポイント300円を毎日受け取ろうと思えば、上述した通り100万通貨を保有する必要がありますが、それでも最低必要証拠金は8万円です。
FXでは、為替レートが低いほど必要な証拠金は少なく済むため、始めるハードルが低くなるのはロシアルーブルの大きなメリットと言えるでしょう。
スワップポイントで生活は可能?月30万円稼ぐための必要資金は?特徴3:暴落・暴騰が多い
暴落・暴騰が多いのも、ロシアルーブルの特徴です。
以下のチャートはロシアルーブルの4時間足チャートになりますが、ローソク足の大きさを見てみると、大きいものと小さいものの二極化していることが分かります。
一日単位であれば、わずか数pipsしか変動しないことも珍しくありません。
また週明けに大きく窓が開くこともありますので、急激な値動きに振り回されないよう、低レバレッジでの運用が重要になります。
なぜ、ここまで極端に暴落・暴落するのかについては、次節「ロシアルーブルの見通し」にて解説しておりますので、是非そちらを参考にしてみて下さい。
特徴4:原油価格の影響が大きい
ロシアは世界有数の産油国であり、原油価格の影響を大きく受ける傾向にあります。
実際に、ロシアルーブルの価格推移とWTI(原油先物)をチャート上に重ねてみると、大体同じ方向性にシフトしていることが分かります。
原油価格が上がると、ロシアルーブルも同時に高くなるわけですが、これはカナダドルやメキシコペソなど、他の産油国の通貨においても同様です。
そのため、産油国の通貨を同時に保有するのはおすすめできません。リスクヘッジを心がけるためにも、口座内にこれらの通貨を偏らせないようにしてください。
ロシアルーブルの今後の見通し
今後ロシアルーブルは、どのように推移すると考えられるでしょうか。
ここからは、ロシアルーブルの短期的・中長期的な見通しについて解説していきます。
短期的(6ヶ月〜12ヶ月)な見通し
ロシアルーブルの短期的な見通しは、緩やかに下落していくことが予想されます。
なぜなら、今のロシアは、以下に挙げる内外のさまざまな課題に直面しているからです。
- 経済の多様化、腐敗への取り組み
- 民主的な制度の発展
- ウクライナとの関係問題
これらの課題は、今後のロシアの進展に、悪い意味で影響を与えていくでしょう。
実際、直近1年におけるロシアルーブルのチャートは、緩やかな下落が継続しています。
今後においても、この流れは継続する見込みであるため、当面は安易に手を出さないことをおすすめします。
中長期的(3〜5年)な見通し
結論から伝えると、中長期的なロシアの見通しは、予測困難であると言わざるを得ません。
長期化する戦争によって、現在世界的にエネルギー不足が表面化しているため、産油国であるロシアにとっては好材料と言えるでしょう。
しかし、だからといってロシアルーブルの需要が高まるかと言われれば、それも判断が難しいところです。
なぜならロシアの情勢が落ち着かない以上、ロシアルーブルの価値がゼロになる可能性も捨てきれず、ロシアルーブルを保有したところで、決済する受け取り手が居なくなることも考えられます。
また、指導者であるプーチン大統領の任期も2024年で満了することから、この先も読めない展開が続くという見込みです。
FXでロシアルーブルをおすすめしない理由
ロシアルーブルは、FX上級者向けの通貨です。
以下に挙げるように多くのリスクがあるため、基本的にはトレードを控えておくことをおすすめします。
理由1:地政学リスクが大きい
ロシアの地政学リスクは、地域の政治的・地理的状況から生じる、様々な要素や問題に関連しています。
以下に、いくつかの主な地政学リスクを挙げます。
地域の不安定性
ロシアは周辺地域において、政治的な不安定性に直面しています。
例えば、ウクライナとの関係やクリミア危機、グルジアとの紛争、中央アジア諸国の安定性など、抱える問題は様々です。
国境地帯の緊張
ロシアは多くの国と国境を接しており、一部の地域では国境紛争や緊張が存在しています。
例えばバルト三国や北極地域などが該当し、これらの地域では、軍事的な緊張や領土紛争が発生する可能性があり、地政学的なリスクとなり得ます。
エネルギー依存度
ロシアは、世界的なエネルギー資源の供給国であり、多くの国がロシアからのエネルギー輸入に依存しています。
エネルギーの供給に関する制約や紛争は、ロシアの地政学的な影響力や関係に、大きく影響を与えるでしょう。
例えば、ロシアがエネルギー供給を渋ってしまうと、それを受けた国々は反発的な姿勢を取らざるを得ません。
国家間の安定性のためには、持ちつ持たれつの精神が重要であることをロシアから示していかねばなりませんが、ロシア大統領の現状の立ち回りを見るに、それは難しいようです。
理由2:取引コストが高い
ロシアルーブルは、他の通貨と比較して、取引コスト(スプレッド)が高い傾向にあります。
国内大手FX口座において、ロシアルーブル円のスワップポイント、スプレッド(2023年6月時点)は以下の通りです。
FX会社 | 買スワップ | 売スワップ | スプレッド | 取引単位 |
---|---|---|---|---|
外為どっとコム | 0円 | 0円 | 変動性 | 1万通貨単位 |
みんなのFX | +300円 | -300円 | 0.90pips | 1万通貨単位 |
LIGHT FX | +300円 | -300円 | 0.90pips | 1,000通貨単位 |
SBI FXトレード | -10円 | 0円 | 変動性 | 1通貨単位 |
一般的に、米ドル円のスプレッドが0.20pips、ユーロ円のスプレッドが0.40pipsであることを考えると、やはりロシアルーブル円のスプレッド0.90pipsは大きいと言えるでしょう。
理由3:予想が困難
上述知ったように、ロシアルーブルの予測は困難であり、安易に手を出すべきではありません。
大衆が上と下どちらの目線を意識しているのかも分かりづらいため、各種インジケーターも機能しにくくなることが考えられます。
加えて、暴落・暴騰、また頻発する窓開きによって、投資というよりはギャンブル的なトレードになってしまうでしょう。
様々な理由により、ロシアルーブルはトレーダーにとって不利と言わざるを得ないため、わざわざ選ぶ必要はないと結論づけられます。
ロシアルーブルで大儲けできるパターンとは
ロシアルーブルで大儲けすることは、決して不可能ではありません。
ただ、FX初心者にとっては難易度が高く、また資金もそれなりに必要になります。
ここでは、ロシアルーブルで大儲けできたパターンについて解説していきます。
大暴落 → 大暴騰を狙うべし
ロシアルーブルは、ウクライナとの関係悪化をきっかけに2022年3月、大きく価格が下落しています。
しかし、その後ロシアルーブルの価値が見直され、上のチャートの通り徐々に価格を戻しています。
実際、この下落の底で買いポジションを保有して、価格が2倍になったところで売り抜けたトレーダーは数多く存在するようです。
要点をまとめると、下落の押し目に狙いをつけたエントリーが有効で、そういったタイミングで稼げるトレーダーは、往々にしてハイレバレッジを駆使しています。
少なくとも、下落から上昇に切り替わるトレンド転換を見極める必要がありますので、以下の記事を参考にチャンレンジされてみてはいかがでしょうか。
【実例あり】トレンド転換はダウ理論で掴め!4パターンの転換シグナルとは大国の通貨は強い
ロシアは産油国であり経済的に発展もしている、言わば大国です。
そのような国の通貨は、簡単に無価値にはならず、どこかのタイミングで大きく反発する見込みが高いと考えられます。
今後ロシアに限らず、同様の事例があれば、下落トレンドが反転したタイミングを狙っていくべきでしょう。
大きく儲けるためには相応のリスクが伴いますが、「大国の通貨」という後ろ盾があれば、決して不利な勝負にはならないはずです。
ロシアルーブルの代わりに運用すべき通貨
ロシアは世界屈指の産油国であり、ロシアルーブルを保有することによって、口座内のリスクヘッジに寄与できるでしょう。
しかし上述した通り、ロシアルーブルは運用を推奨できる通貨ではありません。
そこで本節では、ロシアルーブルの代わりに運用すべき通貨について紹介していきます。
1:メキシコペソ円(MXN/JPY)
産油国の通貨を保有したいのであれば、メキシコペソをおすすめします。
メキシコはロシアと同様、世界有数の産油国として知られており、またメキシコペソは高金利通貨の代表格です。
メキシコペソ円を保有することで、毎日多くのスワップポイントを受け取れるようになるでしょう。
また一般的には、高金利通貨はチャートが右肩下がりになる傾向があり、買いポジションの長期保有はリスキーであると考えられます。
しかし以下の記事で解説するように、将来的な日本の衰退とメキシコの発展を考えると、長期保有には大きく期待できると言えるでしょう。
2:EUR/PLN(ユーロズロチ)
欧州通貨ユーロと、ポーランドの通貨ズロチ、これらによって構成される通貨ペア「ユーロズロチ」は、レンジ相場を形成しやすい通貨ペアです。
上のチャートを見て分かる通り、やや右肩上がりに推移しながらも、年間単位で見るとほぼ横ばいに推移しています。
なぜユーロズロチがロシアルーブルよりもおすすめできるのか、それはリスクヘッジに大きく貢献できるからです。
為替相場は「ドル」「ユーロ」「円」の順で取引量が多く、影響力も強くなりますが、いずれの通貨が上下してもユーロズロチのチャートに大きく響くことはありません。
なぜならユーロとズロチは強い相関を持ち、ユーロが崩れればズロチも崩れるため、結果としてユーロズロチのチャートは上下しにくくなるからです。
3:CAD/JPY(カナダドル円)
カナダは世界6位の産油国であり、また天然ガスなどの資源にも恵まれています。
国債格付もAAAと最高評価を有しており、今後においても破綻する可能性は極めて低いと言えるでしょう。
ロングポジションであればプラススワップを受け取ることもできるため、初心者としても扱いやすく感じるのではないでしょうか。
ロシアルーブルに証拠金を充てるくらいであれば、カナダドルの運用を強くおすすめします。
まとめ:ロシアルーブルの運用は慎重に!
本記事ではロシアルーブルの特徴や、運用を控えるべき理由について解説しました。
ロシアルーブルはスワップも高く、1通貨あたりの価格も安価であるため、運用にメリットがないわけではありません。
ただロシアの今後の情勢が読みづらく、最悪の場合、通貨の価値がゼロになるリスクを考えると、やはり手を出すべきではないでしょう。
記事中に挙げた通貨ペア以外にも、以下の記事にて、初心者が運用すべき通貨について紹介しておりますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
初心者が運用するべき通貨ペアとは?難易度・特徴についてまとめて解説!