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為替レートは常に変動しておりますが、貿易等を行う法人は決済を行う際、リアルタイムで変動する為替レートを元に取引しているわけではありません。
法人顧客はその日の外貨取引を円滑に行えるよう、「仲値」と呼ばれる基準を用いて取引を進めているのです。
そしてそんな「仲値」を利用して個人が利益を上げることも可能であり、FXで知られるセオリーの1つでもあります。
本記事では、仲値に関するトレード手法・注意点について分かりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください!
目次
FXにおける仲値とは
仲値の概要について
仲値とは、企業や銀行等が外貨を両替する際、その基準となる為替レートのことであり、東京時間の午前9時55分の為替レートを元に決定されます。
例えば、仲値として1ドル130円が採用されれば、その日を通して1ドル=130円というレートがあらゆる取引において適用されるということです。
ただ、あまりにも大きな変動があった場合はその通りではなく、仲値から1円以上乖離した場合は「公表停止」となり、改めて仲値が決められることになります。
また相場のアノマリーとして「仲値に向かって円安になりやすい」といったものがあり、この特性を押さえておくことで、より有利にロングポジションを仕込めるようになるでしょう。
仲値に向けて円安になる理由
仲値に向けて円安になると言われる理由は、取引の規模が「輸出>輸入」となっているからと考えが一般的です。
日本ではトヨタ自動車のように規模の大きい輸出企業が多く、そのような企業は、いつでも好きなタイミングで外貨を日本円に両替できる経路を確保しています。
一方輸入企業の全体の規模は輸出企業の全体よりも小さく、独自に外貨を両替できる経路を確保できている企業は、そう多くありません。
自社の好きなタイミングで両替できないとなると、銀行を介して両替をするしかなく、銀行を介するとなると必然的に仲値のタイミングに取引が集中することになります。
つまり、輸出企業の多くは好きなタイミングで米ドル売り・円買いできる点に対して、輸入企業の多くは米ドル買い・円売り注文を仲値にまとめられてしまう、ということです。
輸入企業のまとめられたドル買い注文が、仲値のタイミングに合わせて捌かれることになるので、仲値のタイミングに向けてドル買い・円売りの圧力が大きくなると覚えておきましょう。
仲値を用いる注意点
仲値だけを取り入れない
仲値に向けて円安になるという相場の共通認識は絶対的なものではなく、あくまでもアノマリーです。
そのため過信は禁物であり、仲値のみをトレードに取り入れて勝率を上げるのは、流石に厳しいと言わざる得ません。
また仲値はノイズが発生しやすいタイミングでもあるため、円安に全力投球するといった大きな取引に手を出さないよう注意が必要です。
実際、仲値のタイミングに向かってドル円が上昇するかどうかは半々であると言われているため、基本的には無視しても問題ないとさえ考えられます。
上昇確率はほぼ半々
為替情報サイトZAIの調査によれば、仲値のタイミングに向かってドル円が上昇するか下落するか、その確率は半々ほどになるようです。
・上昇した日数…740日(50.3%)
・下落した日数…722日(49.1%)
・変わらなかった日数…8日(0.5%)
上記の数字を見るに、全体の中で上昇した日の割合が50.3%とわずかに多かったものの、仲値の影響力についてはほとんど有意性を持たないと言っても良いでしょう。
値動きは基本的に予想ができないランダムウォークですが、仲値というタイミングに絞って見ても、そのランダム性は変わらないということが伺えます。
ただこの結果から仲値が全くトレードに役立たないと判断するのも早計で、次節で紹介する通り、条件次第では大きな意味を持つことになります。
仲値を取り入れたトレード手法
仲値をトレードに取り入れるためには、ゴトー日についても知っておかねばなりません。
ゴトー日とは
ゴトー日とは、「5」「10」を含む営業日のことであり、FXトレーダー界隈では、よく意識されている日です。
というのも、銀行や輸出産業においては、このゴトー日に実需の取引を行うとされているためです。(実需の取引とは、為替取引によって利益を得ることが目的ではない取引のこと。)
例えば、iPhoneで有名なアップルはアメリカの企業になりますが、日本での売上を自国の通貨に両替する際は、実需の取引によって米ドルに戻します。
また米ドルは基軸通貨の役割を担っており、米ドルを介して通貨の両替が行われるため、世界的に見ても米ドルの需要が高まるタイミングです。
では、このゴトー日によって、為替相場はどのように変動していくのでしょうか。
ゴトー日かつ金曜日は上昇しやすい
FXの値動きはランダムウォーク性が強く、ある局面から見て上昇するか下落するかは、基本的に半々であると考えられます。
しかしこの考えを棄却する興味深い論文を見つけましたので、本節で紹介いたしましょう。
それはゴトー日と仲値の関係性について書かれたものであり、金曜日かつゴトー日は、ドル円の上昇確率が大きくなるというものです。
仲値が決まるタイミング(午前9時55分)を基準として、N時間前にエントリーした場合、ドル円が上昇する確率は以下表の通りとなるようです。
表の左列に注目してみると、金曜日でなくゴトー日でもない場合、ドル円が上昇する確率は、エントリーするタイミングに関わらずほぼ50%であることが分かります。
一方、金曜日かつゴトー日はどうなるのかと言えば、仲値が決まる7時間前(午前3時ごろ)にエントリーした場合においては、上昇する確率が65%もあり、通常時と比較して15%も優位性を持つことが分かります。
AM3:00~5:00時に出現する押し目を狙うべし!
先ほどの表を見てみると、仲値の5~7時間前にエントリーすることで、より上昇する確率が高まることが分かりました。
つまり、時間を逆算して考えたAM3:00~5:00時あたりのエントリーが狙い目ということになり、押し目であればなおさら良しです。
では実際に、金曜日かつゴトー日であった2021年11月5日のチャートを見てみましょう。
こちらでも、仲値に向かって上昇トレンドを形成していることが分かります。
AM3:00~5:00時あたりでエントリーできていれば、トレンドが切り替わる仲値のタイミングに向けて、大きくpipsを獲得できていました。
念のため直近1年ほど振り返って、この手法を検証してみましたが勝率も高く、さすが論文で書かれているだけあって手法としての信頼性も十分です。
金曜日かつゴトー日の早朝に、ロングのエントリーを仕込むだけになりますので、これなら初心者からでも実践できるのではないでしょうか。
まとめ:仲値を取り入れたトレードは金曜日かつゴトー日を狙え!
本記事ではFXにおける仲値について、以下のポイントを中心に解説しました。
- 仲値の概要について
- 仲値を活用する注意点
- 仲値を取り入れたトレード手法
仲値だけを頼りにするトレードはお勧めできませんが、仲値の特徴を知っておいて損することはありません。
特に金曜かつゴトー日においては、仲値のタイミングに合わせて上昇する確率は高まります。
年にわずかなチャンスしかありませんが、きちんと論文として精査されている以上、挑んでみる価値はあると思いますよ!
FXでは他にも、知っておくだけで得する知識・セオリーが数多くありますので、今後もそれらを分かりやすく伝えて参ります!
引き続き、参考にしていただけると幸いです!