ドル売りも追いかけず【2020年12月2日】

ドル売りも追いかけず【2020年12月2日】

おはようございます。だいまんです。

2020年12月2日相場分析です。

昨日のマーケット

昨晩の海外市場は、欧米の堅調な株価や米11月ISM製造業景気指数が、予想を下回ったことなどから、ドル売りが強まった。マコネル上院院内総務が「追加経済対策の年末までの通過を議会に促す」と述べたこと、OECDが2021年末の世界的に景気回復を示唆したことなどが、株価の押上要因となり、S&Pやナスダックは、最高値を更新する展開も、NYダウは3万ドルの大台を維持出来ていない。

ドル円は104.18から104.58まで反発、ユーロドルは、11月HICPの速報値が予想より悪化し、ラガルドECB総裁が「経済支援のために金融政策の調整が必要」と述べたが1.2055まで買われ、ポンドドルは、予想を上回る英製造業PMIの改定値や今週中に英欧FTA交渉が合意に至るとの期待感から1.3444まで値を上げた。

一方クロス円では、ユーロ円は125.83、ポンド円は140.32まで上昇、オージー円は76.65から76.96で上下もNZD円が73.84、カナダ円は80.77まで値を上げた。

12月2日の注目材料

  • 08:50 (日) 11月マネタリーベース [前年同月比] (前回16.3%)
  • 09:00 (豪) ロウRBA総裁・議会証言(経済委員会)
  • 09:30 (豪) 第3四半期GDP [前期比] (前回-7.0% 予想2.4%)
  • 09:30 (豪) 第3四半期GDP [前年同期比] (前回-6.3% 予想-4.5%)
  • 09:30 (豪) 第3四半期最終消費支出 (前期比) 季調値 – 2020/3Q (前回-8.1%)
  • 10:30 (日) 雨宮日銀副総裁講演(秋田県金融経済懇談会)
  • 14:00 (日) 11月消費者態度指数・一般世帯 (前回33.6 予想33.0)
  • 16:00 (独) 10月小売売上高指数 [前月比] (前回-2.2% (-1.9%) 予想1.2%)
  • 16:00 (独) 10月小売売上高指数 [前年同月比] (前回6.5% (7.0%) 予想5.8%)
  • 16:30 (スイス) 11月消費者物価指数 [前月比] (前回0.0% 予想-0.1%)
  • 16:30 (スイス) 11月消費者物価指数 [前年同月比] (前回-0.6% 予想-0.6%)
  • 19:00 (ユーロ圏) 10月卸売物価指数 [前月比] (前回0.3% 予想0.2%)
  • 19:00 (ユーロ圏) 10月卸売物価指数 [前年同月比] (前回-2.4% 予想-2.3%)
  • 19:00 (ユーロ圏) 10月失業率 (前回8.3% 予想8.4%)
  • 22:15 (米) 11月ADP全米雇用報告 [前月比] (前回36.5万人 予想43.0万人)
  • 22:30 (加) 第3四半期労働生産性指数 [前期比] (前回9.8%)
  • 23:00 (米) ウィリアムズNY連銀総裁講演(NY連銀主催イベント)
  • 23:45 (米) 11月ISMニューヨーク景気現況指数 (前回65.1)
  • 23:45 (米) 11月ニューヨークNAPM指数 (前回814.8)
  • 00:00 (米) パウエルFRB議長、ムニューシン財務長官議会証言(米下院金融委員会)
  • 00:30 (米) 週間原油在庫 (前回-75.4万バレル)
  • 03:00 (米) ウィリアムズNY連銀総裁・記者会見
  • 04:00 (米) 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
  • 06:30 (豪) 11月AIG建設業指数 (前回52.7)
  • 06:45 (NZ) 10月住宅建設許可件数 [前月比] (前回3.6%)

12月2日の相場見通し

月初の海外市場では、ドル売りが強まりました。この流れが年末まで続くか注目ですが、ただ、年末はどうしてもドル需要が高まる時期です。追いかけるのは避けた方が良いかもしれません。また、12月は、日本を除いて「レパトリ・シーズン」です。「レパトリ」とは、企業が海外に保有する資産や利益金を本国に償還することが多くなります。そのため、ロンドン時間は、ユーロ買いとなっても、一転米国市場ではドル買いとなるようなパターンが多く見えることも注意しておきましょう。

本日の経済指標としては、豪第3四半期GDP、日本の11月消費者態度指数、独10月小売売上高指数、ユーロ圏10月卸売物価指数と失業率、米国の11月ADP全米雇用報告とベージュブック、カナダの第3四半期労働生産性指数などが公表されます。

豪第3四半期GDPは、結果の強弱次第ですが、既に過去のものでもあることから、影響が出ても限定されるでしょう。またユーロ圏10月失業率や米11月ADP全米雇用報告では、新型コロナウイルスの感染再拡大の影響で、予想を下回る結果に注意しておきましょう。

要人発言としては、パウエルFRB議長とムニューシン財務長官の議会証言では、昨日に既に実施されており、同様の発言では相場に影響はなさそうです。その他、引き続き新型コロナウイルスやワクチンに関する新たな情報、株価の動きなども注目して対応しましょう。

12月2日のデイ・トレード戦略

本日のトレード戦略です。

ポンドドル

  • 予想レンジ: 1.3300~1.3500
  • 基本戦略: 押し目を待って買い
  • 予想時間:08:59 予想時レート: 1.3121

下値を1.2676や1.2855で支えて、上昇が1.344まで再拡大。スロー・ストキャスティクスは、若干不透明だが再度上昇に転じており、未だ上値トライの可能性があるか注目したい。ただ、英欧FTA交渉が山場となっているが、材料出尽くし感となるケース、合意しても一部の内容に留まるケース、最悪決裂などになった場合、大きく調整売りが出るリスクには注意しておきたい。

上値は、1.3441の昨日の高値から1.3482の戻り高値を越えて、1.3513の上ヒゲまで視野となるが、サイコロジカルな1.35は強く、またチャートの青い矢印のように、ファン・ファインが走っている。 月足の2.1158の高値からのレジスタンスも位置しており、ピークをつける可能性のあることは留意しておきたい。あくまでこういった位置までしっかりと超えて、1.3608-18、1.3771、1.4032などがターゲットとなる。ただ、2016年のブレグジット決定後の戻り高値となる1.4377まで超える動きは、想定しづらい。

一方下値は、1.3158-1.3288の戻り安値圏、1.3149の基準線の維持では強いが、1.3106-10の戻り安値を割れると雲の上限となる1.3080、90日移動平均の1.3073、雲の下限となる1.2974、1.2906-33の戻り安値圏などが視野となるが、上昇を支えるとロング・ランのサポートが控えており、買いが入り易い。

ただし、1.2855の安値を割れると1.2752の戻り安値、1.2676や1.2648を割り込むと1.2435-1.2520ゾーンの戻り安値圏、1.24前後のサポートが視野となるが、維持では堅調も、1.2360や1.2252まで割れると1.2200のサイコロジカルまで視野となる。更なるリスクは1.2073の戻り安値割れとなる。

デイの戦略としては、若干上値追いも厳しいレベルであり、ベンチャー気味には、売り向かいも検討されるが、まず昨日の高値1.3444が抑えるとなら売っても、この位置をストップ。または、1.35方向への上昇を待って売り狙いで、ストップは1.3555越えなどで対応したい。ターゲットは、1.3360-90ゾーンの維持では買い戻しで、またこの位置からは1.3330-50ゾーンまで買い下がって、ストップは1.3306-16ゾーン割れ。1.33前後は維持を確認して対応だが、買っても1.3288や1.3265を割れるなら止めて置くのが無難となる。買いの場合のターゲットは、1.3410-30ゾーンが抑えると利食いとなる。超える動きが見えても、1.35を前に上げ渋りではしっかりと利食っておきたい。

ドル売りも追いかけず【2020年12月2日】

NZD円

  • 予想レンジ: 73.00~74.00
  • 基本戦略: 押し目買い
  • 予想時間:09:18 予想時レート: 73.68

NZD円は、下値を68.21-68.77-68.65-68.98ゾーンの戻り安値圏が支え、それ以前の高値圏となる76.68-99ゾーンを上抜け、73.84まで上昇を拡大している。スロー・ストキャスティクスの反転上昇も続いており、更に上値を拡大するか注目される。

上値は73.44を超えて、月足の戻り高値からは73.55、74.42、76.78、78.87、79.62やサイコロジカルな80円を順次目指す展開が想定される。ただし、80円前後は絶好の利食い場となりそうだ。

一方下値は、上昇前の窓となる71.68-72.25が維持される強いが、75.53を割れると71.36の基準線、70.46の窓の次の窓の下限、雲の上限となる70.31、下限の69.68まで視野となるが、堅調なサポートが控えており、買いが入り易い。このリスクは、68.88や68.65の安値、下限レンジ最安値となる68.21を割れるケースで、その場合68円のサイコロジカルから67.53の戻り安値、66.32-66.59の戻り安値圏などは長期のサポートが控える。更に割れても過去の揉み合いレンジとなる63.10-66.17ゾーンなどは底堅い位置となりそう。このリスクは61.79割れとなる。

デイの戦略としては、上値追いは避けて押し目をまって買い狙い。それ以前の高値圏となる73.10-25ゾーン下落があれば、73円前後まで買い下がって、ストップを72.74割れとしたい。ターゲットは73.80前後が抑えると利食い優先。超えても74円では、しっかりと利食いたい。また様子見なら72円ミドルへの大きめの下げがあれば買いを検討する形で、この場合72円まで買い下がって、ストップは71.48割れなどで対応する形。ただ、こういった下落では、73円や73.50が上値を抑えると利食いとなる。

ドル売りも追いかけず【2020年12月2日】