FXのロングとショートとは?トレード始めるために必要な知識を初心者向けに解説!

ロングとショート

FXで利益をあげる方法は主に2つあります。
それは通貨を「ロング」する、もしくは「ショート」するという方法です。

FXのロングとショートとは、別の言い方をすれば「買い」「売り」のことです。

「通貨を買うってどういうこと?」
「なんで売りで入って利益になるの?」

まだFXを始めていない方なんかだと、この仕組みは複雑に感じるかもしれませんね。

しかし、ロングとショートの仕組みはとてもシンプルですし、これを理解することがあなたの利益を増やし、損失をギリギリまで小さくすることにもつながるでしょう。

そこで、今回はロングとショートの特性と、利益になる仕組みを詳しく解説していきます。FXで安定した利益をゲットするためにも、ぜひロングとショートを使いこなしましょうね!

ロングとは

ロングとは、とある通貨を買うこと、もしくは買いポジションを保有していることを指します(ロングをASKと表記することもあります)。

ちなみに、買いポジションとは外貨を買って保持している状態のことです。
相場にエントリーし、ポジションを持ちます。その後、保持しているポジションを決済することで、損益を確定させます。これがFXでの取引の一連の流れです。

ロングはポジションを持った後、決済時の外貨の価値が、ロング時の外貨の価値よりも高くなっていれば、利益となります。反対に、ロング時よりも安くなっていれば、損失です。

つまり、ロングはエントリー時より通貨の価値が上がると利益に、価値が下がると損失になります。

ロングで利益を狙うメリットは、コツコツと安全に利益を狙えるところにあります。

相場の上昇は緩やかですが、継続的に続く傾向があるので、細かくエントリーと決済を繰り返せば利益を積み上げていくこともできるでしょう。

また、ロングは相場が上昇すれば利益になるので、初めて投資をする方にはわかりやすく、とっつきやすいと思います。
相場が上昇していく過程を見ているとワクワクしてくるでしょう。

反対にデメリットは、買い目線に集中しすぎてしまうと、相場が下がってきたときに対応しきれないことがある点です。

特に、エントリーしてポジションを保有した後、相場が下がってくると「これは一時的だろう、また上がるさ」と感じることも少なくありません。しかし、そのまま決済しなかったせいで損失が膨らんでしまうケースもあり得ますよね。

このように相場の下落を甘く見て、損失を膨らませないためには逆指値注文が重要です。

つまり損切りですね。

逆指値注文をすれば、一定額損失が出た場合に自動決済してくれるので、チャートを見ていない時でも自身の財産を守ってくれます。
これはロング・ショート関係なく、逆指値注文をする癖をつけておきましょう。

ショートとは

ショートは、とある通貨を売ること、もしくは売りのポジションを保有することを指します(ショートをBIDと表記されることもあります)。

ショートの場合はロングと逆の取引です。
通貨を売って、それによって得た外貨で決済(通貨を買い戻し)します。

決済時の通貨の価値が、ショート時の通貨の価値より安くなっていれば利益となります。反対に、ショート時の通貨の価値より高くなっていると損失です。

つまり、エントリー時より通貨の価値が下がると利益、価値が上がると損失ですね。

これはFXの大きな特徴といえるでしょう。
たとえば株式投資なら、買ってから売ることで利益を得ますが、FXは逆のパターンでも利益にすることができるんですね。

相場の上昇も下落も利益に変えられるのは、FXの大きな魅力のひとつです。

しかし、ショートにもデメリットがあります。
先ほどのロングと同じく、一方向に限定して注目してしまうと、どうしても相場の大きな流れをつかむことができず、本当は上昇し始めたのになかなか気づけない……なんてこともあり得ます。

これは、ロング・ショートと呼ばれるようになった由来にも理由があるかもしれません。

一般的に「ロング」のチャンス、つまり相場の上昇は【じわじわと時間をかける】というところにあり、逆に「ショート」のチャンス、つまり相場の下落は【一気に勢いよく】というところにあると言われています。

つまり、一気に下落した相場を見て「もっと下がるだろう」と後から飛び乗ってしまうと、実際には逆方向に進んでいた、なんてことがあるわけですね。

そもそもロングだけ、ショートだけでトレードしなければいけないわけではありません。

どちらの目線もしっかり持ち合わせていれば、効果的に利益をコツコツ上げていけるはずですので、そのためにも相場の認識をしっかり持って、FXに臨んでみるところから始めると良いでしょう。

FXのポジションに保有期間について

最適なポジション保有期間とは、どの程度の長さでしょうか。

その答えは、短期トレード・長期トレード、どちらを意識するかによって異なってくるでしょう。

本節では、トレードの種類ごとに、ポジション保有期間の目安と注意点について紹介していきます。

短期トレードの場合

短期トレードの場合は、ほとんどの人が数時間〜数日間でポジションを手仕舞いにします。

また相場の状況によっては、ポジションを短期から長期へと移行させることもあるのではないでしょうか。

その時に注意しなければならないのは、週をまたぐことによる「窓開き」です。

短期トレードでは、大きなレバレッジを効かせる人も多いので、急遽シナリオが変わった際には、窓開きにも耐え切れるよう、証拠金維持率も気にかけておきましょう。

長期トレードの場合

株式投資の信用取引とは異なって、FXではポジションの保有期間に制限がありません。

そのため長期トレードでは、数週間〜数年間にわたる超ロングスパンでのポジション保有も可能であり、中にはプラ転するまで気長に持ち続ける人もいます。

ただ注意点としては、ポジション保有におけるマイナススワップと、今後の展望です。

マイナススワップは、1日の金額は微々たるものとはいえ、期間が長引けば段々と大きなストレスになります。

またレンジ相場を形成せず、ただ含み損を膨らますだけの通貨ペアであれば、なるべく長引かせず、さっさと損切りしてしまうのが賢明でしょう。

ショートのメリット・デメリット

FXにおけるショートのメリット・デメリットを押さえることで、相場でより有利に立ち回れるようになるでしょう。

以下より紹介する内容を理解して、それぞれのトレードに活かしてみてください。

ショートのメリットとは

ショートのメリットとして、以下の2点が挙げられます。

・下落トレンドでも稼げるようになる→稼ぐ機会が2倍に
・ロングとショートを組み合わせる(両建てする)ことで、リスクヘッジできる

投資の基本といえば「安く買って、高く売ること」なので、ショートに若干の抵抗を感じるかもしれませんが、使いこなすことができれば、戦略の幅がより広がっていくでしょう。

ショートのデメリット

ショートのデメリットは、やはり多くのクロス円通貨において、マイナススワップを抱えてしまうことです。

この性質があるが故に、日本人はショートを苦手とする人が多いと言われています。

マイナススワップは、日々永続的に発生するため損失が無限に膨らむ、もしくは為替差益を相殺することも考えられるので、苦痛に感じるようであれば、早急に手を打つべきでしょう。

ロングのエントリータイミング

ロングの代表的なエントリータイミングを紹介していきます。

以下の方法を習得することで、エントリー後すぐにプラ転する快感を味わえるようになるはずです。

サポートライン

「サポートライン」は、安値と安値を結ぶことによって描かれる直線を意味します。

上図を見てわかる通り、サポートラインにタッチすると、その後押し上げるように上昇圧力が働きます。

レンジ相場が形成され、サポートラインを引くことができれば、積極的にロングでエントリーしていきましょう!

 移動平均線

移動平均線」を用いた王道的なエントリー方法は、「ゴールデンクロス」に注目したやり方です。

上図のように、短期移動平均線が長期移動平均線を上抜けることを「ゴールデンクロス」と呼び、上昇トレンドが生まれる転換点となる可能性が高いです。

トレンドの始点からエントリーできるようになるため、他の手法と比較しても、より大きなpipsを狙えるチャンスとなるでしょう。

ローソク足

ローソク足は、ヒゲの向きと長さに注目することによって、エントリーのタイミングを見極めることができます。

ロングのエントリーであれば、陰線&下ヒゲが長いローソク足が並んだ瞬間が狙い目です。

なぜなら一度は垂れ下がったローソク足でも、長いヒゲをつけて上に押し返されたということは、強い買い勢力の存在が読み取れるからです。

ショートのエントリータイミング

ショートの代表的なエントリータイミングを紹介していきます。

基本的には、ロングで紹介した内容の逆Verになるので、すでにそちらを理解された方は、読み飛ばしていただいてもOKです!

レジスタンスライン

レジスタンスライン」は、高値と高値を結ぶことによって描かれる直線を意味します。

サポートラインと同様に意識されるラインなので、レンジ相場を形成しつつラインにタッチした際には、トレンド転換の合図と見てよいでしょう。

移動平均線

ショート目線で移動平均線を活用する際は、「デッドクロス」に注目しましょう。

上図のように、短期移動平均線(黄線)が長期移動平均線(白線)を下抜けることを「デッドクロス」と呼び、下落トレンドが生まれる転換点となる可能性が高いです。

また、短期移動平均線が下抜ける角度が急であるほど、トレンドも強まりやすいと言われています。

ローソク足

ローソク足からショートのタイミングを見極めるのであれば、陽線&上ヒゲが長いローソク足が並んだ瞬間が狙い目です。

ローソク足が上に伸びた後、長い上ヒゲをつけて下に押し返されたということから、強い売り勢力の存在が読み取ることができます。

ロング・ショートの代表的な決済方法

ロング・ショートの代表的な決済方法3種類を紹介していきます。

「成行」だけでなく、「指値」や「逆指値」のような予約制の決済を活用することで、日中忙しいサラリーマンでも問題なくFXに取り組めるようになるはずです。

成行(なりゆき)

成行(なりゆき)とは、現在の価格でトレードを行う、代表的な注文方法です。

今すぐに、即断即決で決済したいときには、成行を選ぶべきでしょう。

指値(さしね)

指値(さしね)とは、決済したいレートに到達した際に、自動で決済させる注文方式です。

相場を24時間監視することはできませんが、指値を上手く活用することで、カバーしきれないチャンスを捉えることができます。

逆指値(ぎゃくさしね)

逆指値(ぎゃくさしね)とは、含み損が許容範囲を超えないように、一定ラインを割り込んだ際、自動で決済させる注文方式です。

利益をさらに伸ばすために使われる指値に対し、逆指値は損失を固定するため、あるいは最低限の含み益を残すために使われます。

ロング・ショート時の注意点

エントリーする際は、踏まえておかねばならない、いくつかの注意点があります。

毎度全てを意識することは難しいかもしれませんが、事故を避けるためにも、3番目に紹介する「損切り注文の設定」だけは徹底するようにしましょう。

スワップポイントは欠かさずチェック!

ロングにしろショートにしろ、エントリーする際は、スワップポイントを確認しておきましょう。

デイトレのような短期売買であれば些細な問題ですが、長期トレードを想定しているのであれば、スワップポイントの影響を無視することはできません。

また、スワップポイントは固定ではなく日々変動するもの。

時折、プラススワップからマイナススワップに逆転することもあるので、ポジションを保有した後も、定期的にチェックしてみてください。

スプレッドに注意!

ショートからエントリーする人は、マイナススワップがある程度緩和された、クロス円以外の通貨ペアを選ぶ方が多いのではないでしょうか?

そこで注意していただきたいのが、スプレッドです。

国内口座は、クロス円以外の通貨ペアのスプレッドが比較的高く設定される傾向にあり、またスプレッドも常に固定されているわけではありません。

相場が活発になるニューヨーク市場(夜21時~翌朝6時)や、明け方の時間帯にかけてはスプレッドが広がりやすくなっています。

わずか数pipsの差であったとしても、積み重ねれば大きな差になってくるので、スプレッドが広がりすぎているようであれば、エントリーを見送ることも一案です。

必ず損切り注文を設定する

エントリーを行なった後は、どこまで逆行すれば強制ロスカットされるのか把握し、それを防げるよう事前に損切り注文を設定しておきましょう。

日頃の経験から「自分だけは大丈夫!」と自信を持つのは結構なことですが、2015年のスイスフランショックでは、わずか20分間で3800pipsも変動する大相場が起きました。

これを米ドル円に例えると、100円から62円まで、一気に下落した時と同じくらいの変動です。

これほど大きな変動であれば、余程資金が潤沢でない限り、ほとんどの人は耐えきれず強制ロスカットされてしまうでしょう。

そんな大相場が、明日こないとも限らないのがFXの世界。

相場で長く生き残るためにも、事前の対策は万全にして然るべきではないでしょうか。

h2 ロング・ショートで失敗しないためのポイント

習慣や無意識なトレードによって、思いもよらぬ失敗を招くこともあります。

「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」という言葉があるように、知識や教訓によって防げる損失もあるので、ぜひ以下の内容をお含みおきください。

注文を偏らせない

レンジ相場を持つ通貨ペアに関しては、ロング・ショート、どちらからでもエントリーできるように日頃から練習しておきましょう。

なぜなら、どちらかに偏ったエントリーばかりに頼っていると、正常な判断軸を持つことができないからです。

たとえば、今までロング一辺倒だった人にとっては、ちょっとした下落を見るや否や、押し目買いのチャンスだと考えてしまうでしょう。

しかし、ロングとショートの使い分けができるトレーダーは、このまま下落トレンドが続くのではないか、ロングとショートどちらが得策なのかと、考える余地を持つことができます。

1つのエントリーを極めることも大事ですが、戦略の手札はあるに越したことはないので、なるべくロング・ショートを偏らせないよう心がけてみてください。

追っかけロング・ショートをしないこと

相場が大きく動いてトレンドの波が出来上がったとき、すかさず飛び乗って、利益をいただこうと考えていないでしょうか?

いわゆる「追っかけロング(あるいはショート)」と呼ばれるエントリーですが、間違ってもおすすめできるやり方ではありません。

なぜなら、追っかけを誘発するような急上昇や急落は、その後ほとんどの確率で調整が入るからです。

根拠なくトレンドに飛び乗ってしまえば、高値掴みするだけになり、すぐさま含み損を抱えることになるでしょう。

あわてなくても、押し目が買いのチャンスは十分にあることを念頭に入れて、安易な追っかけではなく、根拠あるエントリーこそが大成への鍵となります。

不用意に両建てしない

両建ては、使いどころによっては非常に有効な戦略です。

含み損を抱えたロングポジションに対して、同量のショートポジションを仕込むことにで含み損をロックすることができるため、時間稼ぎはできるでしょう。

しかし、考えなしに不用意な両建ては推奨できません。

なぜなら、ピンチを凌ぐには有効であれど、結局含み損を減らすことはできず、根本的な解決にはならないからです。

またFX会社によっては、両建てを禁止していたり、追加で証拠金が必要になることもあるため、結局自分の首を締めることになります。

そのため両建ては、追加資金や損切りする覚悟など、ある程度の打開策を持ってして行うべきでしょう。

ロングとショート:まとめ

ロングとショートの特性と、それぞれが利益を生み出す仕組みをご紹介してきました。

どのようにFXで利益を上げるのか。

ほかの投資にはない魅力も含めて、ロングとショートの理解が深くなったと思います。

ぜひFX特有の2つのトレード方法を駆使して、効率よく資金を増やしましょう!

ロングとショートを同時に行う、「両建て」という手法について詳しく解説している記事も、ぜひチェックしてみてください。