なぜ損切りをしないトレーダーはダメなのか

損切

FXの世界では、「損切り」が唯一、自らの損失幅を制御できる資金管理方法です。プロトレーダーが使うテクニックとしても有名ですね。

初めてFXを含めた投資を実践しようと思った方は、一度は聞いたことがあるワードではないでしょうか?

また、実践はしてみたけどあまり必要性を感じなかったり、良く分からないからと使っていない方もいるかもしれませんし、一言で損切りといっても、使い方は色々あるので難しいと感じるかもしれません。

しかし、プロトレーダーが使うテクニックですから活用しない手はありません。

今回は、損切りの基本知識から使い方を含めて解説していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

損切りってなに?

損切りとは、思惑とは異なる方向に価格が推移した時に、損失の拡大を最小限に抑えるためにおこなう決済のことです。

最大のメリットとしては、損失を限定することで、何度か負けても資金は大きく減りませんので、次回のトレードで立て直しを図ることができます。

為替市場や株式市場などで、1億ドル(現在の貨幣価値で4000億円)以上の資産を築いた、海外相場師の故人ジェシー・リバモア(1877年7月26日 – 1940年11月28日)は「損切りができなければ市場から去るしかない」と格言を残しています。

トレンドと損切りの関係

特にFX市場では、一旦発生したトレンドの流れが同じ方向に継続しやすい傾向があるとされています。

ここでは、損切りと関わりの深いトレンドの定義を一般的に有名なダウ理論に基づいて簡単に解説していきます。

トレンドとは

トレンドとは価格の値動きの方向を示していて、主に上昇トレンド、下落トレンド、レンジ相場の3つに分けられます。

簡単に説明すると・・・

  • 上昇トレンド 高値と安値を切り上げ続けている動き
  • 下降トレンド 高値と安値を切り下げ続けている動き
  • レンジ相場  一定の値幅の中で価格が行ったり来たりを繰り返す動き

同じトレンドが永遠に続けば、誰でも利益を稼ぐことは容易です。ですが、トレンドの定義が崩れた時には次の問題点が発生します。

例えば、上昇トレンドと考えて、買いエントリーをしたにも関わらずその後の値動きで高値や安値を切り下げてしまった場合です。

これはトレンドの定義が崩れてしまうので、下落トレンドへとトレンドが転換する可能性が高まります。価格がこのように想定していた方向とは逆に動いた場合、損切りを設定していないと取り返しのつかない損失に繋がることがあります。

それこそ、今まで積み上げてきた資金の全てが、1回の取引で水の泡になることもありますので、FXの世界から退場を余儀なくされてしまい2度と取引を行う事ができなくなる可能性があるのです。

リスクを限定して安全な取引を継続的に行うためにも、ぜひ「損切り」を自分の取引ルールに加えてトレードを行っていきたいですね。

損切りの方法

損切りには先ほど述べたように、色々な使い方がありますが、一般的には以下の3つの方法があります。

  1. 固定pipsで損切り
  2. テクニカルで損切り
  3. ファンダメンタルズで損切り

あなたはこの中で、どれが理想的だと思いますか?



結論からいうと一般的には、「1」は好ましくなく、「2」「3」の方法がおすすめだと考えられています。勿論、相場において絶対的な正解は存在しませんので1つの見解としてみてくださいね。

では、なぜ固定pipsで損切りは好ましくないのでしょうか。

まず、大部分として、FXの市場では、各通貨ペアや各時間帯、日々や各月により値動きの幅は全く異なります。

ですから、1日の値動きの中で、ドル円の通貨ペアが100pips変動する一方、ポンド円の通貨ペアが200pips変動することは日常茶飯事です。

さらに、3大市場として有名な東京タイム・ロンドンタイム・ニューヨークタイムの各時間帯によっても値動きの幅に大きな差があります。

最後に、月毎に需要が変化する、12月のクリスマス相場では、資金量の多い海外のヘッジファンドが休暇に入りますので、FX市場の流動性が低下してしまい、値動きが変化することがあります。

このようなFX市場の値動きの特性を考慮すると、固定pipsでは全ての値動きに対応することは難しく、短期的には勝てることがあっても、中・長期的では連続で取引が損切りになってしまい、損切り貧乏といわれる状態に陥ってしまうリスクを伴います。

では、一般的に好ましくない「1」と、良いとされる「2」、「3」の決定的な違いはなんでしょうか。

それは、「1」は市場の値動きを考慮しない主観的判断なのに対して、「2」と「3」はFX市場の値動きの変動に対応できる客観的判断ができる点です。

というわけで、ここからはテクニカルでの損切りと、ファンダメンダルズでの損切りに焦点を当てて解説をしていきたいと思います。

テクニカルで損切りの特徴

テクニカルで損切りの特徴としては、テクニカルの変化に基づいて損切りを行いますので、FX市場の値動きにあわせた客観的判断で損切りを行うことができます。

実際に損切りに使える代表的なものとしては、

  • 単純移動平均線(5SMA、25SMAなど)
  • 直近高値・安値

などが有名ですね。

移動平均線とは、過去N日間の終値の平均を算出して、その値を線で繋げた線のことです。
※Nは5日間や25日間といった期間が入ります

次に、直近高値・安値とは、読んで字のごとく直近に確認されている高値・安値のことですが、FX市場参加者の誰が見ても分かりやすい明確な高値・安値を損切り箇所として採用することがより望ましいとされています。

上記2つのテクニカルに共通していることは、市場参加者が注目している有名なテクニカルという点ですね。だからこそ、損切りの判断においても有効に機能するといえます。

実際にテクニカルを活用した損切りの例を2つ取り上げてみました。

単純移動平均線(25SMA)で損切りをしたケース

※損切りルールは、25SMAをローソク足が終値で下に更新時

損切

矢印で買いエントリーを行い、赤丸で損切りをしなかった場合は、その後の価格の下落に伴い、大きく損失が拡大していることが分かります。

直近高値更新で損切りをしたケース

※損切りルールは、直近高値をローソク足の終値で更新時

損切

水平線で線を引いている箇所が直近の高値になりますが、高値更新(青丸)にともない、下落トレンドが崩壊してしまい上昇トレンドに転換しています。

2つのチャートから分かる共通点としては青丸で損切りをすることで、損失を最小限に抑えた損切りができていますね!

また、テクニカルで損切りの特徴としては、
ルールが明確で覚えやすいことも大きなメリットになります。

ファンダメンタルズで損切りの特徴

こちらの特徴としては、自分の思い描いていた予測と逆の経済ニュースが発表された時などに損切りを行う方法になります。

皆さんの記憶に残っているものとしては、日銀の黒田総裁の異次元金融緩和やトランプ氏の就任などがあるかと思います。

FX市場では、注目度の高いニュースほど価格が大きく動くことがありますので、事前に発表日を調べておくことで早めの損切りに対応できます!

また、経済ニュースを分析する能力が必要になるので、上級者向けの損切り方法といえます。

それでは初めに述べた2つのケースについて損切りの実例を取り上げてみます。

日銀の黒田総裁のケース

日銀の黒田総裁は2013年4月4日に、2年間で2%の物価上昇を目的として金融緩和策を導入しました。

これにより自国に通貨の供給が増えますので、ドルに対して円は弱まり円安に振れる可能性が高くなると見られました。

実際にドル円の売りポジションを矢印のローソク足で保有していた場合、損切りをしないと損失が拡大することがチャートから分かります。

損切

トランプ氏が当選したケース

当初、当選の確率は低いとされていた大方の予想は外れ、2016年11月8日にトランプ氏の当選が実現した影響によりドル円は約105円から約114円に上昇しました。

売りポジションを保有していた場合、1ロット(10万通貨)の取引で約90万円のマイナスが発生します。

損切

2つの事例を取り上げましたが、事前に経済ニュースの発表日時を把握しておくことで
予想と反した動きを見せた場合に、損切りの対応が素早く行えます!

損切りの重要性:まとめ

いかがでしたでしょうか。

FX市場においてなぜ損切りを設定しなければいけないのかについて解説をしました。

今まで、損切りの意味が分からなかった方でも、少しは理解が深まったのではないかと思います。

FX市場において、重要な資金管理の1つである損切りを活用することで、継続的に安定したトレードスタイルを確立できるはずです。

今までトレードが不安定で、資産がプラスマイナスを往復して悩んでいる方、損切りは大事だと頭では分かっていても使い方に自信がなくて躊躇されていた方のお力になれたら嬉しいです。