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こんにちは。YEN蔵です。
今週の相場振り返りです。
目次
今週(12月21日週)の振り返り
今週のドル円は103.59でスタートし、103.56で終了しています。レンジは103.25~103.86とわずか61銭で、しかもこれは21日のレンジでした。
21日の月曜日は英国でコロナウイルスの変異種の感染でハンコック英保険相が制御不可能と述べるなど感染拡大が広がりました。そのことと20日にEUと英国の通商交渉が合意できなかったことでポンドドルがギャップを空けて下落、18日の1.3529からギャップを空けて1.3405でスタートし一時1.3189まで下落しました。このためにリスクオフの動きになりドル高の流れとなりドル円もギャップを空けて103.58付近でスタートしました。
米国議会指導部が9000億ドルの追加経済対策で合意したことで、一時ドル売りになり103.25まで下落しました。
しかし欧州時間に入ると欧州各国と香港、カナダなどが英国からの渡航禁止を行い、欧州株が急落するとポンド、ユーロが下落しリスクオフのドル買いとなりドル円も103.89まで上昇し週の高値となりました。
22日に発表された米7~9月期のGDP確報値は年率33.4%ととなり改定値の33.1%から上方修正されました。また米中古住宅販売件数も669万件と予想の670万件はわずかに下回りましたが強い米国指標にドルは堅調に推移し103.70付近まで上昇しました。
欧米がクリスマス休暇に入り本日も東京市場以外の主要市場は閉まっています。そのために為替市場も閑散とし、唯一通商交渉が続いていたポンドだけは動きましたが、ドル円は103円台中盤で小幅なレンジで推移して終了しました。
注目ポイント
今年の2大テーマだったブレグジットでEUと英国の通商交渉は24日とクリスマスイブにようやく合意し、まさに英国とEU諸国民にとってクリスマスプレゼントとなりました。
もう一つのテーマである米大統領選の結果はバイデン大統領となったわけですが、まだごたごたが続いています。1月の上院の選挙で残り2議席の趨勢も重要なポイントになります。
ジョージア州の2議席を争いますが、現状の上院は民主党48議席、共和党50議席で共和党がリードしています。ここで共和党が1議席を獲得すると49対51議席で共和党が上院での多数派を決定します。
というのはもし2議席を民主党が獲得した場合は50議席どうしになりますが、その場合は副大統領に就任する民主党のカマラ・ハリス氏が上院議長として決定票を握りますから上院も民主党が優位に立ちます。
そうなるとバイデン大統領、上下院とも民主党が多数派となりトリプルブルーが完成します。
ここまでのマーケットは11月4日の大統領、上下院の選挙が終わった直後からリスクオンの流れとなり株高、ドル安が続いています。大統領選でごたごたが続いていますが、それでも選挙が終了したことと上院で共和党が多数派になるのではということがマーケットに好材料となりました。
民主党がすべてを占めると民主党左派の政策が打ち出される可能性があり、今後の政策運営がマーケットにとって優しくないものになるのではないかという危惧があり、それが回避されたことがリスクオンの動きを加速させましたがまだ結果は出ていません。
民主党は左派の政策は増税、大企業やIT企業、ウォール街に対して厳しい姿勢、環境問題を重視するというもので、これらの政策が行き過ぎると株価の下落に結び付きます。
ここまでの株価にとって楽観的な動きが1月5日の上院選挙で覆される可能性もありますので年明けのマーケットの波乱材料になるかもしれません。
ドル円の予測
12月17日にここまでサポートされていた103円が下抜けし102.88まで下落しましたが、あっさり反発して103円台で推移しています。
世界的な株高の流れは続いておりドル安の流れも続いています。最近は株価の流れに為替が左右されることが多く株高=ドル安、株安=ドル高が続いており、この流れはしばらくは続きそうです。
ドル安なのですが103円台からは本邦からの買いも厚く、103円割れもすぐにサポートされました。最初の103.50では日本人投資家のドル買い、それ以外でも輸入企業からの買いがコンスタントにでてきて、それらがドル円をサポートしています。
ここのところ原油価格が上昇し、それ以外の資源価格も上昇しており、エネルギーや資源を輸入に頼る日本ではそれらの支払いに与えるドルの需要も増加していることもおそらくドル円のサポート材料になっています。
一目均衡表の基準線が103.80に位置し、このレベルが短期的なレジスタンスになっています。ここが上抜けできないようであれば102.80~103.80のレンジが予想されます。
ここを上抜けできるようであれば一目均衡表の雲の下限である104.50付近への上昇を予想します。