米雇用統計を受けた米長期金利と株価の動向次第【2021年3月5日】

米雇用統計を受けた米長期金利と株価の動向次第【2021年3月5日】

おはようございます。だいまんです。

2021年3月5日相場分析です。

昨日のマーケット

昨晩の海外市場は、パウエルFRB議長の発言を受けて、米長期金利が上昇、NY株3指数が大きく下落したことで、ドルの買い戻しが優勢となった。パウエルFRB議長は、「足元の金利上昇について「市場の無秩序な状態は懸念だ」とするも、「一過性のインフレ加速に対して我々は慌てない」と述べ、市場が期待したような金利上昇も対する懸念が示されなかったことで米10年物国債利回りが、1.47%から1.55%まで上昇、NYダウは、一時722ドル安、ナスダック指数は2%を超える下落となり、リスク回避の動きが強まった。尚米週間失業保険申請件数は、予想を下回ったが、前週よりは増加したことで、相場の影響は限られた。

ドル円は107.95まで上昇、ユーロドルが1.1961、ポンドドルも1.3881まで下落した。

一方クロス円では、ユーロ円は129.64を高値に129.05まで下落、ポンド円が150.74まで一時上昇後149.77、オージー円は84.05から83.18、NZD円が78.23から77.38、カナダ円は85.55から84.97まで売りに押された。

3月5日の注目材料

  • 11:00 (NZ) 2月準備資産総額 (前回18715百万NZドル)
  • 16:00 (独) 1月製造業新規受注 [前月比] (前回-1.9% 予想0.8%)
  • 16:00 (独) 1月製造業新規受注 [前年同月比] (前回6.4% 予想1.5%)
  • 16:45 (仏) 1月貿易収支 (前回-33.92億ユーロ)
  • 16:45 (仏) 1月経常収支 (前回-12億ユーロ)
  • 17:00 (スイス) 2月外貨準備高 (前回896149百万CHF)
  • 17:30 (英) 2月ハリファックス住宅価格 [前年比] (前回5.4%)
  • 17:30 (英) 2月ハリファックス住宅価格 [前月比] (前回-0.3%)
  • 22:30 (加) 1月貿易収支 (前回-16.7億加ドル 予想-14.0億加ドル)
  • 22:30 (米) 1月貿易収支 (前回-666億ドル 予想-675億ドル)
  • 22:30 (米) 2月非農業部門雇用者数 [前月比] (前回4.9万人 予想15.0万人)
  • 22:30 (米) 2月政府部門雇用者数 [前月比] (前回4.3万人)
  • 22:30 (米) 2月民間部門雇用者数 [前月比] (前回0.6万人 予想10.0万人)
  • 22:30 (米) 2月製造業雇用者数 [前月比] (前回-1.0万人 予想1.1万人)
  • 22:30 (米) 2月失業率 (前回6.3% 予想6.4%)
  • 22:30 (米) 2月U6失業率 (前回11.1%)
  • 22:30 (米) 2月平均時給 [前月比] (前回0.2% 予想0.2%)
  • 22:30 (米) 2月平均時給 [前年同月比] (前回5.4% 予想5.3%)
  • 22:30 (米) 2月労働参加率 (前回61.4%)
  • 23:00 (英) ハスケル英MPC委員「パネル討論会参加」
  • 00:00 (加) 2月Ivey購買部協会指数 (前回48.4)
  • 05:00 (米) 1月消費者信用残高 [前月比] (前回97.3億ドル 予想120.0億ドル)
  • 中国全国人民代表大会(全人代)開幕

3月5日の相場見通し

昨晩も米長期金利や株価の動きで、ドルが荒れた展開となりましたが、本日は注目の米2月雇用統計が発表されます。この結果を受けて、米長期金利や株価がどういった動きをするのか、大きな注目となりそうです。

基本的に、直近の米国の景況感は、改善が見えていますが、一方で雇用指数は弱い状況が続いています。想定のように弱い結果となれば、昨日上昇した米長期金利も上げ渋って、ドル買いも一服すると見るのが自然ですが、ただ、週末もあって弱い結果でも、米長期金利が下げ渋り、株価が下落するなら、リスクオフのドル買いが続く可能性があることは、留意しておきましょう。

その他経済指標としては、独1月製造業新規受注、英2月ハリファックス住宅価格、加1月貿易収支と2月Ivey購買部協会指数、米1月貿易収支などが発表されますが、注目が米雇用統計に集まっていることで、影響はないでしょう。

また本日から中国全国人民代表大会(全人代)が、1週間の日程で開幕します。何か報道が出て来るかは不透明ですが、香港問題など中国株価が悪い反応を示すなら、注意しておきましょう。

3月5日のデイ・トレード戦略

本日のトレード戦略です。

ドル円

  • 予想レンジ:107.20~108.10
  • 基本戦略: 売場探し
  • 予想時間:08:06 予想時レート:107.99

ドル円は下落を102.59で維持して、日足の雲やファンライン、過去の相場の上下を司るネック・ラインの106円をしっかりと超えて、上昇が108円まで拡大。指摘した123.23の高値からのレジスタンスも超える動きとなっている。

今後も強い展開が続くかもしれないが、ただ、スピード感が早過ぎることも事実で、上値追いは避けたい。また、一応相場の上下の半値を超えたことで、それまでの104-106円レンジから、当面の106-108円レンジに相場が変わったと見ている。

上値は、108円に恐らくオプションの防戦が控えており、タッチしてもクリアに上抜けない場合、逆の動きにつながり易いことは留意しておきたい。あくまで108.17の戻り高値超えて、108.54-109.05の窓、109.69を超えて、109.85の昨年6月の高値が視野となるが、サイコロジカルな110円と含めて、一定の利食いが入り易い。

一方下値は、既に106.65-94の戻り安値が維持すると強く、割れても106.46の転換線、106.09の基準線の維持では、上昇を支えるサポートから堅調が想定される。ただし、105.83-85の戻り安値を割れると105.20、サイコロジカルな105円が視野となるが、更に突っ込み売りは出来ない。ただ、104.92の戻り安値を割れると調整気味となり、104.55-86まで視野となる。また104.41の戻り安値を割れると相場崩れ気味となるが、ただ、下値には出遅れた雲が控えており、104.05-20の戻り安値圏で、日足の雲の上限が控える位置が視野となるが、買いが入り易い。ただし割れると雲の下限が位置する103.45-57まで視野となるが、維持では堅調が続く。このリスクは、103.33の安値を割れるケースで、その場合103円方向への調整となるが、維持されると更に突っ込み売りは出来ないが、102.96や102.59を割れると102.50前後のサイコロジカル、101.99の戻り安値、更にサイコロジカルは101.50がターゲットとなるが、引き続き買いが入り易い。最大のリスクは101.19の安値割れとなるが、その場合100.58のフィボナッチ・リトレースメント(75.31-125.86)までターゲットとなる。ただ、100円のサイコロジカルを直ぐに割れることは想定できず、買い下がり位置との見方は変わらない。

デイの戦略としては、今夜は米雇用統計で、相場が荒れる可能性が残っていることは注意だが、ただ、いずれFRBが現状の状況のけん制を加える可能性が高く、特にドル円では、上値を追いかけたくない。

従って、昨日の売りは大失敗となったが、引き続き上値追いは出来ず、108円をオーバー・シュート的に超えても、慎重にここからの上昇では戻り売りを狙いたい。108.60をストップに、108円前後から慎重に売り場を探して、ターゲットは、下げが甘ければ買い戻しながらも一考となるが、まず107円ミドル、107円などが支えると利食い優先となる。また、買いはこの位置の買いは106.64をストップに検討するが、もし、こういった下落では、再度の108円越えの可能性は低く、この手前の反発では利食いながら対応したい。また、理想的は105.83をストップに、106.00-50ゾーンなどが買い場となるが、本日こういった下落となるかは不透明。ただし、米雇用統計や米長期金利次第では、大きく下げるリスクがあることは、留意しておきたい。

米雇用統計を受けた米長期金利と株価の動向次第【2021年3月5日】

ユーロドル

  • 予想レンジ:1.1920~1.2020
  • 基本戦略:戻り売り
  • 予想時間:08:16 予想時レート:1.1966

ユーロドルは、下値を1.1612と1.1603で、ダブル・ボトムを形成後、堅調に上値を1.2349まで拡大も、この位置で上値を押さえられて、急上昇を支えるサポート、日足の雲や90日移動平均を割り込んで、下落が1.1962まで再拡大している。

ただ、中長期のサポート・ラインは未だ維持されており、突っ込み売りも厳しいが、1.1952の戻り安値を割れると調整が深まり、1.1882-1.1922ゾーンでそれ以前に上値を押さえていた位置、1.1800-1.1833の戻り安値圏、1.1745-59の戻り安値や1.1711の戻り安値を割れると1.1650のサイコロジカルまで視野となる。ただ、この維持では更に突っ込み売りは出来ないが、リスクは、1.1603の安値を割れで、その場合調整が深まり、それ以前の高値1.1495から1.1422ゾーンまで視野となるが買いが入り易い。またもし割れても1.12-1.14ゾーンは、揉み合いを経たゾーンで、こちらも買いが入り易い。あくまで1.1168の戻り安値を割れるまでは、堅調相場が続くと見たい。

一方上値は、既に雲の下限の1.2075、基準線の1.2098や転換線の1.2102が抑えると弱く、雲の上限の1.2163,戻り高値の1.2183が抑えると弱い。また、1.2226の高値超えても、12285の戻り高値が抑えると未だレジスタンス形成の可能性が残る。あくまで1.2349の高値をしっかりと超えて、1.2400のサイコロジカルが視野となるが、オプションの防戦が上値を押さえて可能性が残っているが、しっかりと超えると月足からは、1.2414-1.2476の戻り高値圏、1.25のサイコロジカルまで視野となる。ただ、1.2555の戻り高値を越えるかは、現状不透明となる。

デイの戦略としては、突っ込み売りは避けたいが、戻りがあれば売り狙い。

上値は、1.1995-25ゾーン、1.2050-90ゾーンと売り場を探して、ストップは1.2113越え。ただ、ターゲットは1.19ミドルが維持すると買い戻し。また割れてもサイコロジカルな1.19前後ではしっかりと利食いたい。

また買い戦略は、ポイントが現状不透明で注意が必要だが、1.19前後が支えるなら1.1882をストップに検討したい。ただ、こういった下落では、1.1960-00ゾーンが逆に上値を抑えると利食いとなる。

米雇用統計を受けた米長期金利と株価の動向次第【2021年3月5日】