豪ドル円 9日連続で日足は陽線、20日午前には5月10日高値に迫る

豪ドル円 9日連続で日足は陽線、20日午前には5月10日高値に迫る

おはようございます。大塚亮です。

2021年10月20日の相場分析です。

概況

豪ドルの10月19日終値は85.498円、前日比0.757円高と大幅上昇した。取引レンジは85.533円から84.662円。

10月7日から15日まで7連騰の上昇となったが、18日はわずかに前日比マイナスで終わり8連騰にはならなかったが日足は陽線として8日連続陽線で高値も85.010円まで切り上げた。

10月19日はさらに続伸して85.50円を超えて5月10日に付けた昨年3月のコロナショック暴落以降の最高値に迫り、日足は9日連続陽線となった。20日午前序盤も85.60円台へ伸ばして5月10日高値超えを試す勢いとなっている。

注目ポイント、豪10年債利回りは8月23日以降の高値を更新

豪10年債利回りは10月19日に1.78%へ上昇して10月12日の1.77%を超えた。20日午前には1.80%台に到達して8月23日の1.05%以降の最高値とした。今年2月26日に1.97%を付けたところがピークであり、豪ドル米ドルは2月25日に0.80067ドルで昨年3月以降の最高値を付け、豪ドル円も2月25日に84.943円へ急伸している。

10月19日は米10年債利回りも1.64%を付けて8月4日以降の最高値を更新しているが、豪10年債利回りの上昇は米10年債利回りの上昇を上回る勢いであり、豪ドル米ドルの9月30日以降の上昇を支えている。

世界的なエネルギー不足による原油や石炭、天然ガス等の資源相場高騰がインフレを招き、インフレの進行と同調して主要国の長期債利回りも上昇している。
豪ドル米ドルは10月19日高値で0.84849ドルを付けて9月3日高値0.74773ドルを超えたが、8月20日安値を大底とし、9月30日安値を深めの押し目底として二段上げに発展してきている。既に豪ドル円はドル円の急伸により9月3日高値を超えているが、豪ドル円としては円安による押し上げに加えて原市場の豪ドル米ドル自身も騰勢を強めてきていることで強気の組み合わせが活かされてきている。

注目情勢 オーストラリアのロックダウン解除続く

オーストラリア最大の都市シドニーは10月11日にロックダウンを4か月振りに解除した。

10月15日には首都キャンベラのロックダウンが解除されたが、15日時点のワクチン接種者は1回が99%、2回が76%に達した。
ビクトリア州は10月17日にメルボルン大都市圏のロックダウンを10月22日から解除すると発表。ワクチン2回接種で行動は自由とされた。
このように長期にわたって実施されてきたロックダウンは次々と解除されていることで、7-9月期の低成長から10-12月期は回復基調が鮮明になるのではないかとの期待が高まっている。原油価格高騰等の資源高も資源輸出国としては豪ドル高要因となっているが、自国の景気回復感も確りし始めれば豪ドルの強さも増すのではないかと思われる。

ただし、オーストラリアはウィズ・コロナ政策であり感染者数はまだ多い。7月半ばからの急激な感染拡大が第三波となりロックダウンが導入されたわけだが、9月11日に新規感染者が2043人で過去最高を記録してからやや低下していたものの、9月30日には2400人まで一段と増加、10月に入ってからは2千人を超える状況が続いており10月9日2528人、10月14日に2688人で過去最高を更新している。10月16日の2312人、17日の2102人、18日の2128人とやや低下してきている印象もあるが、クイーンズランド州や西オーストラリア州では接種率が5割台でまだ解除できずにいる。ウィズ・コロナ政策が上手くいくのか、世界的にも注目されるところだ。

短期テクニカル分析

豪ドル円の60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。
豪ドル円は10月1日夕安値からの上昇基調を続けてきたが、10月18日午前高値でいったんピークを付けて18日夜へ下落したが、その後の切り返しから一段高に入っているため、現状は10月18日夜安値を起点とした上昇期と思われる。18日朝高値を基準として高値形成期は21日朝から25日朝にかけての間と想定されるのでまだ一段高余地ありとみる。ただし85円割れからは弱気転換注意とし、84.75円割れからは下落期入りとして21日夜から25日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では10月18日夜への下落で遅行スパンがいったん悪化したものの19日午前の上昇で再び好転し、その際には先行スパンの上限が下値支持線として機能した。当面は遅行スパン好転中の高値試し優先とし、遅行スパンが悪化するところからはいったん下げに入るとみるが、先行スパンからの転落を回避するうちは遅行スパンがその後に好転するところからは上昇再開とみる。

60分足の相対力指数は10月19日深夜に80ポイントまで上昇しており、その後の高値更新では指数のピークが切り上がれずにいるので高値警戒感も出やすい状況とみるが、70ポイント前後までで確りするうちは上昇余地ありとし、60ポイント割れからはいったん下げに入るとみて40ポイント台への低下へ進むとみる。

10月20日の売買戦略

中勢の上昇基調はさらに継続とみて押し目買い有利、大きく突っ込むところはバーゲン買いされやすい展開が続くとみるが、連日の陽線での上昇により5月10日高値に迫っていることで反動安にも注意がいるところとみる。

85円以上での推移中は上昇余地ありとして86円台序盤(86.00円から86.30円)を目指すとみる。86円以上はいったん売られやすいと警戒するが、85円以上での推移が続くうちは21日も高値試しを続けやすいとみる。85円割れから続落に入る場合は18日夜安値84.276円試しへ向かう可能性ありと注意するが、84.50円以下は押し目買いされやすい水準とみる。

10月20日の主な予定

  • 英国
  • 15:00 9月 消費者物価指数 前月比 (8月 0.7%、予想 0.4%)
  • 15:00 9月 消費者物価指数 前年同月比 (8月 3.2%、予想 3.2%)
  • 15:00 9月 消費者物価コア指数 前年同月比 (8月 3.1%、予想 3.0%)
  • ユーロ圏
  • 17:00 8月 経常収支・季調済 (7月 216億ユーロ)
  • 18:00 9月 消費者物価指数改定値 前年同月比 (速報 3.4%、予想 3.4%)
  • 18:00 9月 消費者物価コア指数改定値 前年同月比 (速報 1.9%、予想 1.9%)
  • 米国
  • 23:30 (米) EIA週間石油在庫統計
  • 25:00 (米) ボスティック・アトランタ連銀総裁、イベント挨拶
  • 26:00 (米) 財務省20年債入札
  • 26:45 (米) ブラード・セントルイス連銀総裁、討論会参加
  • 27:00 (米) 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
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