ポンド円 10月1日からの大上昇一服、週末安値から下げ渋り、持ち直しを試す

ポンド円 10月1日からの大上昇一服、週末安値から下げ渋り、持ち直しを試す

おはようございます。大塚亮です。

2021年10月26日の相場分析です。

概況

ポンド円の10月25日終値は156.557円、前日比0.452円高と上昇した。取引レンジは156.822から155.959円。

10月1日からの全般的なドル安基調に乗じてポンドドルが上昇、ドル円も年初来高値を更新する大上昇を10月20日まで続けたことでポンド円は10月20日高値158.219円まで高値を切り上げてきたが、ドル円の上昇一服とポンドドルも21日未明高値で1.38339ドルを付けた後は上げ渋りからジリ安に転じたため、ポンド円は円高とポンド安が重なって10月21日に前日比0.782円安、22日には前日比1.161円安と続落した。

先週末の10月23日未明に155.930円まで下げた後は下げ渋っており、先週後半へ下げたドル円がやや持ち直し、ポンドドルも新たな安値更新を回避して下げ渋る中でポンド円は若干下支えが効いた状況で156円台を維持、26日午前はややジリ高推移で157円を伺う動きを見せている。

注目ポイント ダブルトップからの右肩下がり基調を抜け出せるか

ポンド円は10月20日昼高値158.219円と21日午前高値158.208円がダブルトップ型となって下落してきたが、23日未明の156円割れからは持ち直している。大上昇一服で調整に入ったところだが、ドル円の年初来上昇も目先で一服しているものの上昇基調は継続しやすい範囲にあり、ポンドドルも9月29日底からの上昇一服ではあるが上昇基調の範囲にあり、いずれも調整を消化して上昇再開に入る可能性のあるところだ。

ポンド円は円安とポンド高の並走と共に反落時には円高とポンド高が揃うケースも見られるが、円安とポンド高を交互に支持要因として5月天井を超えるところへと大上昇してきたため、当面は155円台で足場を固めて次の上昇期入りのきっかけを伺うところと考えたい。

10月20日と21日の両高値によるダブルトップからは戻り高値切り下がりで推移してきているが、まずは157円台を回復するところから10月22日午前高値157.655円超えを目指し、22日午前高値超えからは右肩下がり基調からの脱却として上昇再開感が高まる流れと考える。

注目材料 テンレイロ英中銀委員発言

イングランド銀行(英中銀)金融政策委員会のテンレイロ委員は10月25日の講演で「政府の一時帰休者支援措置が9月に終了したことの影響を判断するには時間がかかる」として利上げを急がない姿勢を示唆した。同委員は労働者支援措置終了に関して「支援措置が9月末に終了した時点で100万人程度が支援を受けていた」とし、今後に失業者が増える可能性があるとした。また「エネルギー価格高騰による物価上昇圧力は急速に後退する公算」との予想を示した。

英中銀はベイリー総裁を中心にインフレ進行への警戒感を強めており、利上げの準備に入っている姿勢を最近は強調している。このため市場は11月4日の次回英中銀金融政策決定会合での利上げ、さらに12月には二度目の利上げもあるのではないかと予想しているが、国内の新型コロナウイルス感染拡大が収まらない中でウィズ・コロナ政策を推進していることの先行き不透明感もあり、年内の利上げは見送られるのではないかとの見方も台頭している。

11月2-3日に米FOMC、11月4日に英中銀金融政策決定会合と続くところが、年末への方向性を決めてゆくことになるのだろうと思われる。

短期テクニカル

ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちとピークアウトを繰り返すリズムがある。

10月20日昼高値と21日午前高値をダブルトップとして下落期に入ったが、先週末23日未明安値からは下げ渋りを1日以上続けているため、既に23日未明安値でボトムを付けて上昇期入りしている可能性がある。157円台回復からは上昇期入りとみて26日の日中から27日の日中にかけての間への上昇を想定する。

ただし、23日未明安値への余裕はさほどないため156.30円以下での推移が続き始める場合は下向きとし、23日未明安値を割り込むところからは新たな下落期入りとして28日未明から11月1日朝にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では10月23日未明安値からの下げ渋りで遅行スパンが好転、先行スパンへ潜り込んできている。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とし、先行スパンを上抜くところからは上昇が勢い付く可能性があると注意する。ただし再び遅行スパンが悪化するところからが下げ再開を警戒し、23日未明安値割れからは遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は23日未明への下落で30ポイントを割り込んだところから持ち直して26日午前には50ポイントを超えてきているので上昇余地ありとするが、65ポイント以上は反落注意、45ポイント割れからは下げ再開を疑う。

10月26日の売買戦略

中勢はさらに高値追及へ向かう上昇基調の範囲にあるとみる。23日未明安値で調整を消化して上昇再開に入る可能性と、もう一段安を試してから上昇再開に入る可能性が併存するところと注意する。

157円超えからは157円台中盤(157.30円から157.70円)を目指すとみる。157円台を維持しての推移なら27日の日中に欠けても高値試しを続けやすいとみるが、157.70円以上は反落注意とする。

156.30円割れからは下げ再開注意とし、23日未明安値155.930円割れからは155円台序盤(155.30円から155.00円)を試す流れとみる。

10月26日の主な予定

  • 米国
  • 米下院金融委小委員会、中国企業の米上場に関する公聴会
  • 22:00 8月 米連邦住宅金融局(FHFA)住宅価格指数 前月比 (7月 1.4%、予想 1.5%)
  • 22:00 8月 ケース・シラー米住宅価格指数 前年同月比 (7月 20.0%、予想 20.0%)
  • 23:00 9月 新築住宅販売件数・年率換算件数 (8月 74.0万件、予想 76.0万件)
  • 23:00 9月 新築住宅販売件数 前月比 (8月 1.5%、予想 2.3%)
  • 23:00 10月 コンファレンス・ボード消費者信頼感指数 (9月 109.3、予想 108.3)
  • 23:00 10月 リッチモンド連銀製造業指数 (9月 -3、予想 5)
  • ユーロ圏
  • EU、エネルギー危機関連臨時会合
  • 24:45 ヴィルロワ・ド・ガロー仏中銀総裁、講演