ポンド円 ポンドドルの安値更新続く

ポンド円 ポンドドルの安値更新続く

おはようございます。大塚亮です。

2021年11月26日の相場分析です。

概況

ポンド円の11月25日終値は153.620円、前日比0.203円安と小幅続落した。
取引レンジは154.056円からから153.416円。

ポンドドルが下落基調を継続する中で11月19日夜からのドル円の反騰に支えられてポンド円は19日夜安値152.520円から23日昼高値154.216円まで戻したが、19日夜の急落前に付けた夕刻高値154.440円には届かず、23日から25日まではポンドドルの下落とドル円の上昇が拮抗したためにポンド円は153.50円割れを買い戻されつつ154円到達では売られる持ち合いの様相となっていた。

11月25日は米国市場が感謝祭休場で手掛かりに欠けたもののポンド安が継続したことでやや軟調な推移だったが、26日午前にはドル円が115円割れへ反落したことで持ち合いから下放れて153円を割り込んでいる。円高の材料としては欧州の感染再拡大が一段と深刻化しているとの報道や南アで新たな変異株が発生したとの報道も影響しているようだ。

テクニカルポイント 二重の三角持ち合い下放れへ

ポンド円は11月17日高値以降を戻り高値切り下がり、12日朝安値から19日夜へと安値が切り上がる三角持ち合いの様相で推移してきた。また11月23日昼高値以降はより小規模に24日午前から25日夜へ高値を切り下げ、23日夕から24日夕へ安値を切り上げるレンジ縮小型の三角持ち合いを形成してきた。

二重の三角持ち合いという状況だったが、26日午前の下落で24日午前と25日夜の両安値を割り込んだため、まず23日昼高値を起点とした小規模な三角持ち合いから転落した。
11月26日午前時点の安値は12日朝安値と19日夜安値を結んだ「より大きな三角持ち合い」の下値支持線ぎりぎりのところに来ている。19日夜安値152.520円を割り込めば「より大きな三角持ち合い」からも下放れることになるためポンド円としては下げ足がさらに早まる可能性がある。

テクニカルポイント ポンドドルが下げ止まれず

ポンドドルは11月25日夜に1.3304ドルへ下落して今年6月1日高値1.4249ドル以降の最安値を更新した。25日は特段の材料はなかったものの10月後半からのドル高基調が強まる流れの中で売られている。

ポンドドルの日足は11月19日から25日まで5日連続の陰線で下落しており、11月12日安値からいったん戻して一段安しているため、10月20日の戻り高値を起点とした下落は二段目の下落期に入っている。

6月1日高値からは7月30日高値、9月14日高値、10月20日高値と戻り高値が切り下がり、7月20日安値、9月29日安値から現在へと安値ラインも切り下がっており、高値を結ぶ右肩下がりの上値抵抗線と安値を結ぶ下値支持線が概ね平行となる下降チャンネルを構成しているが、この下降チャンネルの下値支持線は1.31ドル前後に来ており、1.330ドルを割り込むようだと1.320ドル、1.310ドルを順次試してゆく流れへ進みやすくなるとみる。

ポンド安を超える円安になればポンド円も上昇しうるところだが、ポンド円自体も前述のように11月12日からの三角持ち合いから転落しつつあり、持ち合い下放れからは下げ足が速まる可能性のあるところと注意したい。

短期テクニカル

ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちと反落を繰り返すリズムがある。

11月19日夜安値を起点として上昇期に入ってきたが、23日昼高値からは新たな高値更新へ進めずに23日夕、24日夜と小反落を繰り返したため、25日午前時点では23日昼高値を起点とした調整期に入っているとし、24日夜安値を割り込むところからは25日夜ないし26日夜にかけて安値試しへ向かいやすくなるとした。26日午前に一段安しているが、26日夜にかけて安値を試し、その後に反騰すれば目先の底を付けて上昇期に入る可能性があるものの、27日早朝へ続落したまま週を超える場合は、24日夜安値を基準として安値形成期が29日夜から12月1日夜にかけての間へ延長される可能性があると注意する。

60分足の一目均衡表では25日夜の下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落した。26日午前に大幅続落しているため遅行スパン悪化中は安値試し優先とし、強気転換は遅行スパン好転からとする。

60分足の相対力指数は20ポイント近辺へ急落している。50ポイント以下での推移中は一段安警戒とし、小反発後に安値を更新する際に指数のボトムが切り上がる強気逆行がみられる場合は反騰注意とし、50ポイント超えからは上昇再開とみる。

11月26日の売買戦略

ドル円の反落を主因に三角持ち合いから転落しているため、ドル円が反騰に転じればポンド円も戻しやすいところだが、ポンドドルの下落基調が継続しているため戻したところは売られてもう一段安へと進みやすい状況と考える。

153.15円から153.35円までのゾーンは戻り売りにつかまりやすいとみる。安値更新が続く場合は152円台序盤(152.30円から152.00円)試しとし、下げ足が速まる場合は152円割れを試す流れとみる。

11月26日の主な予定

感謝祭翌日で米市場は短縮取引(債券、株式、商品)、為替は通常取引。

  • 英国
    ー22:00 ピル英中銀理事、講演
  • ドイツ
    ー16:00 10月 輸入物価指数 前月比 (9月 1.3%、予想 2.1%)
    ー16:00 10月 輸入物価指数 前年同月比 (9月 17.7%、予想 19.6%)
  • ユーロ圏
    ー17:00 ラガルドECB総裁、講演
    ー17:30 シュナーベルECB理事、講演