世界的なインフレ懸念【今週の為替相場予測】|2021年11月15日週

世界的なインフレ懸念【今週の為替相場予測】|2021年11月15日週

こんにちは、鈴木郁夫です。

今週の為替相場予測です。

【2021年11月15日週】概況・展望

ファンダメンタルズ的には日米金融政策の方向性の違いは歴然としており、現時点は来年度半ば頃にはFRBの利上げが見込まれている。ただ、米主要株価指数の底堅い展開を維持するためには緩やかなペースでの金融引き締め策が講じられる可能性が高く、拙速的なドル買いには違和感が生じている。その中、米10月消費者物価コア指数が市場予想を上回る伸びを見せ、同コア指数は1991年8月以来の伸びを記録したことから米債券利回りが再び上昇、一部では米利上げ前倒し観測も浮上するなど、相対的にドルを買い戻す動きを強まっている。そして、米テーパリング開始決定後も堅調な米国株式市場に対する安堵感もあり、また、黒田日銀総裁からは円安容認姿勢とも受け取られるコメントもあり、ドル円の底堅さにも繋がっている。いずれにしても、世界的なインフレ懸念が深まっており、金利先高観測が途絶える可能性が低いだけに、今後もエネルギー価格の上昇、そして、中国の不動産関連のデフォルト懸念が払拭されない限り、リスク回避のドル買いニーズは健在と見なした方が無難であろう。

【2021年11月15日週】 注目経済指標

今週も米当局者発言が相次ぐ中、米経済指標は11月ニューヨーク連銀製造業景況指数、米10月小売売上高、米10月鉱工業生産、米10月住宅着工件数、米11月フィラデルフィア連銀景況指数などが目白押しであるが、一連の米経済指標の改善を受けて、インフレ懸念が更に高まる可能性も高く、米当局者よりタカ派的な発言があれば、米長期金利上昇やドル高志向が強まる可能性もあり、相対的にドルの買い戻しに比重を置いた戦略性が求められる。

注目指標

  • 15日(月)日7-9月期四半期実質国内総生産(GDP)(前期比)-0.2%←0.5%
  • 黒田東彦日銀総裁 発言
  • ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁 発言
  • 11月ニューヨーク連銀製造業景気指数 22.0←19.8
  • ベイリー英中銀(BOE)総裁 発言
  • 16日(火)欧7-9月期四半期域内総生産(GDP)(前期比) 2.2%←2.2%
  • 米10月小売売上高(前月比) 1.1%←0.7%
  • 米10月鉱工業生産(前月比) 0.8%←-1.3%
  • ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁 発言
  • 17日(水)欧10月消費者物価指数(HICP)(前年同月比) 4.1%←4.1%
  • 米10月住宅着工件数(前月比) 1.6%←-1.6%
  • 18日(木)南アフリカ準備銀行(中央銀行)政策金利 3.5%据え置き
  • トルコ中銀、政策金利 15.0%←16.0%
  • 11月フィラデルフィア連銀製造業景気指数 24.0←23.8
  • 米10月景気先行指標総合指数(前月比) 0.8%←0.2%
  • 19日(金)日10月全国消費者物価指数(CPI)(前年同月比) 0. 1%←0.2%
  • ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、発言

乖離幅チャート分析

2つの通貨ペアの乖離幅から売買シグナルを見つける。チャートはシンプルイズベストが重要!主要8大通貨から高金利のマイナー通貨まで幅広く活用可。ドル円相場を基軸に、他の主要通貨との比較及び乖離幅で売買を模索する手法です。FXをエンジョイしながら収益チャンスを掴むためには、一目瞭然のチャートが求められています。

2021年11月15日乖離幅チャート分析

【乖離幅チャート分析の見方】
ドル円相場のみユーロ相場(ユーロ円VSユーロドル)の乖離幅から判断。他の主要通貨は対ドル円相場との乖離で売買の判断基準となります。乖離幅が拡大した時点で強弱の売買シグナルが発生します。基本的には通常よりも強めの売買シグナルが発生してからの始動が効率的です。

各通貨ペア動向

以下、各通貨ペアの動向になります。

ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)

2021年11月15日ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)

  • 平均乖離幅 0.09000
  • 現状乖離幅 0.1021→0.1065

先週の強めの売りシグナルドル円113.40円から若干上昇しているが、今週も引き続き強めの売りシグナルドル円113.90円が点灯している。
★買いターゲット(111.80円)

ユーロドル(ユーロ円-ドル円)

2021年11月15日ユーロドル(ユーロ円-ドル円)

  • 平均乖離幅 18.80円
  • 現状乖離幅 17.80→16.50円

先週の弱めの買いシグナル1.1570から下げ足を速めており、今週は強めの買いシグナル1.1449が点灯している。
★売りターゲット(1.1650)

豪ドル(ドル円-豪ドル円)

2021年11月15日豪ドル(ドル円-豪ドル円)

  • 平均乖離幅 30.00円
  • 現状乖離幅 29.45→30.40円

先週の様子見0.7403から下げ足を強めており、今週は通常の買いシグナル0.7331が点灯している。
★売りターゲット(0.7430)

ポンドドル(ポンド円-ドル円)

2021年11月15日ポンドドル(ポンド円-ドル円)

  • 平均乖離幅 40.80円
  • 現状乖離幅 39.65→38.85円

先週の買いシグナル1.3496から下落しており、今週は強めの買いシグナル1.3411が点灯している。
★売りターゲット(1.3700)

本ペットチャートは3~5段階で少な目からの分散投資をお勧めします。

売買シグナルは添付のチャートを参照してください。

尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。