豪ドル円見通し NYダウ大幅連騰、原油高でリスク選好と資源通貨買い

豪ドル円見通し NYダウ大幅連騰、原油高でリスク選好と資源通貨買い

おはようございます。大塚亮です。

2021年12月8日の相場分析です。

概況

豪ドルの12月7日終値は80.829円、前日比0.810円高と上昇した。取引レンジは80.924円から79.851円。

12月5日に米国立アレルギー感染症研究所ファウチ所長がオミクロン株の重症化率はそれほど高くないと述べたことをきっかけに11月26日からのオミクロン株感染拡大への不安心理が後退、NYダウが12月6日と7日の2日間で千ドルを超える大上昇となりリスク選好優勢の流れとなった。またNYダウの連騰と同調してNY原油も大幅上昇したことで豪ドル米ドルとしてはリスク選好での買いに資源通貨として買われ、株高債券安による米長期債利回り上昇によりドル円も上昇したため、豪ドル円は豪ドル高と円安の両面から押し上げられた。

注目情勢 NY原油が大幅続伸

NYダウは12月6日に前日比646.95ドル高と反騰、7日も492.40ドル高と連騰して2日間で千ドルを超える上昇となった。11月26日に発生が確認されて感染力の高さが大きな懸念をもたらしていたオミクロン株はその後も世界中に拡散しているが、今のところは無症状と軽症者が多いとの報告が続いており、ファウチ所長の発言がきっかけとなって市場は恐怖心を払拭して景気回復継続感を回復している印象だ。オミクロン株への評価を決めつけるのは時期尚早であり、重症者が続発し始めるような報道が出てくると不安心理が再燃する可能性もあるが、ひとまず米国株式市場の上昇が先導役となって為替市場もリスク選好感が回復している印象だ。

株高によりNY原油も同調して大幅上昇してきている。NY原油は10月25日に85.41ドルの高値を付けて昨年4月底以降の最高値を付けたところから下落に転じ、オミクロン騒動により12月2日には62.43ドルまで大幅続落してきた。しかしNYダウ反騰と共に12月5日に3.23ドル高、7日には2.56ドル高と上昇して高値では73.03ドルを付けている。景気回復が継続なら高インフレも続きつつ石油需要の拡大も続くとの連想だが、原油高は資源通貨代表である豪ドルにとっては大きな押し上げ材料となる。

注目材料 豪中銀の政策スタンスに変化も

豪中銀は12月7日の理事会で政策金利のキャッシュレートを過去最低の0.1%で維持し、現行の週40億豪ドル規模の政府債購入については少なくとも2022年2月半ばまで継続するとし、2月会合で見直しを検討するとした。豪経済についてはデルタ株によってもたらされた後退局面から回復しているとし、オミクロン株の発生は新たな不確実要因としたものの景気の回復軌道から逸脱させることにはならないとした。また雇用は力強い回復を示しており、労働市場の逼迫で賃金の伸びがさらに上向く見通しにあるとし、基調的な物価上昇率については2023年を2.5%と想定した。

豪中銀は11月会合で国債利回りを低水準に誘導するYCC(イールドカーブコントロール)を止めたことが市場にとっては若干のサプライズとなったが、2024年まで利上げしない姿勢を継続すると強調したことで政策発表後には豪ドル安へと向かった。

今回の会合では物価上昇や米連銀によるテーパリング早期終了姿勢を踏まえて債券購入についても早期終了へと舵を切るのではないかとの見方も出ていないがその判断は避けたようだ。しかし利上げ時期については「しばらく時間がかかる公算が大きく、理事会は忍耐強くなる準備ができている」と表現し、従来のように2024年まで利上げはしない、条件が揃わないという認識からは利上げが必要となる時期が従来よりも早まる可能性に含みを持たせた印象だ。

今回の豪中銀金融政策発表そのものは豪ドルを押し上げるには力不足だが、オミクロン株への不安後退による持ち直しの中ではブレーキにならない内容だった。

短期テクニカル分析

豪ドル円の60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。

11月26日からの大幅下落が12月4日早朝安値で一巡となりその後は持ち直しの上昇が続いている。12月6日午前時点では12月4日早朝安値を起点とした上昇期に入っているとして高値形成期を12月1日夕高値を基準に6日午後から8日夕にかけての間と想定した。既に反落注意期にあるものの、80.50円以上を維持するうちは8日夜、さらに9日の日中にかけて高値試しを続ける可能性もあるが、80.25円割れからは下落期入りとみて9日早朝から13日朝にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では12月7日早朝への上昇で遅行スパンが好転、先行スパンも上抜いたが、その後も両スパン揃っての好転を続けているので遅行スパン好転中は高値試し優先とする。ただし連騰後の反動安にも注意がいるため遅行スパンが悪化するところからはいったん下げに入るとみて安値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は12月7日午後から深夜への高値切り上げに際して指数のピークがほぼフラットとなる小規模の弱気逆行がみられる。50ポイント以上での推移中は上昇余地ありとするが、高値を切り上げても指数のピークがさらに切り下がるようなら下落期入り注意とし、50ポイント割れからは30ポイント前後への低下を伴う下落を想定する。

12月8日の売買戦略

2日間の連騰で2円以上の急騰となっているため、当面の安値を出し切って上昇期に入ってきた印象であり、3連騰へ進む可能性がある一方で反動安にも注意がいる。しかしオミクロン株への不安後退という流れが継続するうちは反動安が入っても押し目として上昇基調を維持しやすいとみる。

80.50円台までは押し目買いされやすい水準とし、81円超えからは12月1日夕高値81.311円試しへ向かうとみるが、81円台序盤到達ではいったん売られやすいと注意する。80.25円割れからはいったん仕切り直しの下落とみて80円前後試しとするが、そこは買い拾われやすいところとみる。

12月8日の主な予定

  • 休場 フィリピン(聖母受胎祭)、カナダ中銀とブラジル中銀の金融政策決定会合
  • ユーロ圏
    ー17:15 ラガルドECB総裁、発言
  • 米国
    ー24:00 10月 雇用動態調査(JOLT)
    ー24:30 エネルギー省(EIA)週間石油在庫統計
    ー27:00 財務省10年債入札
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