ポンド円 2連騰するも151円台を維持しきれず

ポンド円 2連騰するも151円台を維持しきれず

おはようございます。大塚亮です。

2021年10月5日の相場分析です。

概況

ポンド円の10月4日終値は150.939円、前日比0.518円高と上昇した。取引レンジは151.533円から150.198円。

ドル円が9月30日夜高値以降の安値を切り下げたものの、ポンドドルが9月29日深夜安値1.34120ドルからの上昇を継続し、4日夜には総じてドル安となる中で1.36399ドルへ高値を切り上げたため、ポンド円は4日夜にこの日の高値となる151.533円へ上昇したが、深夜には反落して151円を割り込んだ。5日の午前序盤も151円を付けたところでは上値が重くなって151円割れの状況となっている。

注目情勢 米連邦政府の債務上限問題未解決による米国株安とドル安

10月4日の米国株式市場ではNYダウが前日比323.54ドル安(0.94%安)と下落したが、ナスダック総合指数は同311.21ポイント安(2.14%安)の大幅下落となり9月7日に付けた史上最高値15403.44ポイント以降の安値を更新した。下落規模も今年3月5日への下落時や昨年9月21日への下落時に迫る勢いとなっている。

9月23日未明の米FOMCで利上げ想定時期が2022年中に前倒しされたことでの金利上昇感を嫌気していることに加え、米連邦債務上限問題が未解決となっており、このまま解決できないと米財務省の資金枯渇により米国債のデフォルトが発生する可能性がある。ここ数年は毎年のようにこの問題を繰り返してきたが結局は解決してデフォルトを回避してきたのだが、ぎりぎりまでは与野党の攻防が続くために市場も不安とリスク回避を優先させる。またこの問題に加えてNY原油が7月高値を超えて昨年4月のコロナショック暴落以降の最高値を更新したこと、欧州の天然ガスの高騰、中国の石油石炭不足による電力供給制限、東南アジアでの感染拡大による世界規模でのサプライチェーンの目詰まり等、不安要素が多い中で高値警戒感から売られている印象だ。

英国のFT100も8月11日にコロナショック以降の高値を付けた後は上げ渋りで10月4日は16.1ポイント安(0.23%安)で3日間の続落となっているのだが、やはり米国株安のインパクトが大きいために、FOMC後のドル高一幅感に加えての米国株安でドル安感がやや優勢な状況となり、ポンドドルも上昇しているところだ。

短期テクニカル分析

ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちとピークアウトを繰り返すリズムがある。

9月28日午後高値152.569円を起点とした下落は10月1日夕安値149.233円でひとまず落ち着いて戻しているところだが、高値形成期は9月28日午後高値を基準として10月1日から5日午後にかけての間と想定されるので反落注意期にあり、10月4日夜に151円を超えてから再び151円を割り込んでいるので4日夜高値でピークを付けて下落期に入っている可能性がある。150.30円以上での推移中は上昇余地ありとするが、150.30円割れからは下落期入りとみて6日夕から8日夕にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では10月1日夕安値からの反発で遅行スパンが好転、先行スパンからも上抜けたが、10月4日夜高値からの反落により遅行スパンは悪化しやすい位置に来ている。先行スパンからの転落を回避するうちは遅行スパンが一時的に悪化しても再び好転するところからは上昇再開とするが、先行スパン転落からは下落期入りとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は10月4日夜高値時に70ポイントへ到達してから50ポイントを割り込みつつあるところまで下げているので下落期入りの可能性がある。50ポイントを一時的に割り込んでも回復して60ポイント超えへ戻すところからは上昇再開とするが、45ポイント割れからは下落期入りとみて30ポイント割れを目指す流れとみる。

10月5日の売買戦略

151円台を維持できずに失速しているので、10月1日夕安値からの戻り一巡でいったん仕切り直しの下落期に入りやすいとみて戻り売り有利の状況と考える。このため10月4日夜高値151.533円を超えない範囲では戻り売りにつかまりやすいとし、150.30円割れからは10月1日夕安値149.233円を目指す流れとみる。149.50円以下は買い戻しも入りやすいとみるが、150.75円以下での推移なら明日にかけても安値試しを続けやすいとみる。

10月4日夜高値を超える場合は152円試しとその後の反落を警戒する。

10月5日の注目指標

・ドイツ
・16:55 9月 サービス業PMI改定値 (速報 56.0、予想 56.0)

 

・ユーロ圏
・17:00 9月 サービス業PMI改定値 (速報 56.3、予想 56.3)
・18:00 8月 生産者物価指数 前月比 (7月 2.3%、予想 1.3%)
・18:00 8月 生産者物価指数 前年同月比 (7月 12.1%、予想 13.5%)

 

・英国
・17:30 9月 サービス業PMI改定値 (速報 54.6、予想 54.6)

 

・米国
・21:30 8月 貿易収支 (7月 -701億ドル、予想 -706億ドル)
・22:45 9月 サービス業PMI改定値 (速報 54.4、予想 54.4)
・23:00 9月 ISM非製造業景況指数 (8月 61.7、予想 60.0)