豪ドル円見通し 79円割れからの切り返し続く、豪中銀金融政策発表が焦点

豪ドル円見通し 79円割れからの切り返し続く、豪中銀金融政策発表が焦点

おはようございます。大塚亮です。

2021年12月7日の相場分析です。

概況

豪ドルの12月6日終値は80.019円、前日比1.066円高と反騰した。取引レンジは80.048円から78.912円。

11月26日にオミクロン株発生が報じられたことで82円を割り込む急落となり、その後も連日の安値更新が続いて先週末の12月3日は前日比1.319円安の日足大陰線で続落して安値を78.787円まで切り下げた。

先週は悲観先行の展開だったが、週明けはNYダウが一時700ドルを超える反騰となり、オミクロン株による感染拡大がみられるものの無症状と軽症者が中心のために先週の下落は過剰反応だったとして楽観的なリスク選好感が回復してきた。為替市場ではドル円が上昇、豪ドル米ドルも持ち直したことで豪ドル円は週末の日足大陰線による下落の大半を解消する大陽線での反発となった。

注目材料 本日12時半、豪中銀金融政策

12月7日12時半に豪中銀理事会による金融政策の発表がある。政策金利は過去最低の0.10%で据え置かれ、量的金融緩和としての国債買い入れペースについても9月に減額して2月まで継続するとした週40億豪ドルを維持するとみられている。

オミクロン株の発生前からオーストラリアでも感染再拡大がみられること、米連銀がインフレ抑制への姿勢を強めてテーパリングの早期終了へ動き始めていることを踏まえれば、豪中銀が金融緩和政策の継続性を強調して利上げはまだ先とする従来の姿勢を繰り返すようなら豪ドル安のきっかけになる可能性がある。逆に徐々に引き締めへと進む姿勢を示せば豪ドル高のきっかけにもなるところだ。2月の次回会合で政策姿勢の見直しをするような方向性を示すかどうかについても注目される。

注目材料、今週序盤の豪経済指標は良好

12月6日午前に発表されたオーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)による新聞とインターネットにおける11月の豪求人広告件数(週平均、季節調整済)は前月比7.4%増の22万2093件となり10月の6.2%増から伸びた。10月の豪雇用統計では就業者数が予想外に減少したものの、求人広告の強めの数字からは11月の雇用統計での改善が期待される。

12月7日午前に発表された7-9月期住宅価格指数は前期比5.0%上昇となり予想と一致、4-6月期の6.7%上昇からは伸びが鈍化したが、ロックダウン期としてみれば良好さを保った。

12月7日午前に発表されたAiGの11月サービス業景況指数は49.6となり10月の47.6から改善した。50を下回っているもののロックダウン解除から徐々に景気回復へと進み始めていることを踏まえれば今後の改善も期待されるところだ。

短期テクニカル分析

豪ドル円の60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。

12月1日夕刻へいったん戻したところから下落期に入り12月3日深夜から4日早朝へと一段安したがその後は持ち直しが続いているため、現状は12月4日早朝安値を起点とした上昇期に入っているところと思われる。高値形成期は12月1日夕高値を基準として6日午後から8日夕にかけての間と想定される。既に反落注意期にあるため、79.70円以上での推移中は上昇余地ありとするが79.70円割れを弱気転換注意とし、79.35円割れからは下落期入りとみて9日早朝から13日朝にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では12月7日早朝への上昇で遅行スパンが好転、先行スパンも上抜いてきているので遅行スパン好転中は高値試し優先とする。ただし先行スパンから再び転落する場合は下落期に入るとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は12月4日早朝に20ポイント近辺へ低下したところからの持ち直しを続けているが、60ポイント台後半では抵抗感も見られる。50ポイント以上での推移か一時的に割り込んでも切り返すうちは上昇余地ありとするが、45ポイント割れからは下げ再開とみて30ポイント割れを目指すと考える。

12月7日の売買戦略

79円割れからの反騰を継続できるかどうか、昼過ぎの豪中銀金融政策の発表に対する市場反応で決まってくるのだろうと思われる。強気反応なら79円割れからの反騰継続として81円台回復を目指す流れとし、80円以上での推移がつづくなら8日も高値試しへ向かうとみる。

豪中銀政策発表から下落反応の場合、またはいったん上昇してもイベント通過により早々に失速する場合は79.35円割れからの下げ再開を疑い、戻り売り有利の展開として78円台後半を目指す下落を想定する。

12月7日の主な予定

  • ユーロ圏
    ー16:00 10月 ドイツ鉱工業生産 前月比 (9月 -1.1%、予想 0.9%)
    ー16:00 10月 ドイツ鉱工業生産 前年同月比 (9月 -1.0%、予想 -2.9%)
    ー19:00 12月 ドイツZEW景況指数 (11月 31.7、予想 25.0)
    ー19:00 12月 ユーロ圏ZEW景況指数 (11月 25.9)
    ー19:00 7-9月期 ユーロ圏GDP確定値 前期比 (改定値 2.2%、予想 2.2%)
    ー19:00 7-9月期 ユーロ圏GDP確定値 前年同期比 (改定値 3.7%、予想 3.7%)
  • 米国
    ー22:30 10月 貿易収支 (9月 -809億ドル、予想 -670億ドル)
    ー22:30 7-9月期 非農業部門労働生産性改定値 前期比 (速報 -5.0%、予想 -4.9%)
    ー29:00 10月 消費者信用残高 前月比 (9月 299.1億ドル、予想 255.0億ドル)
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