ポンド円 2016年6月以来の158円台到達、156円の壁超えて騰勢継続

ポンド円 2016年6月以来の158円台到達、156円の壁超えて騰勢継続

おはようございます。大塚亮です。

2021年10月20日の相場分析です。

概況

ポンド円の10月19日終値は157.758円、前日比0.830円高と上昇した。取引レンジは158.056円から156.832円。
10月7日から15日まで7日連続陽線で7連騰となり、10月15日は前日比1.563円高の大陽線で157.414円まで高値を伸ばして5月27日高値156.061円を上抜き昨年3月底以降の最高値を更新した。

10月18日は連騰一服で小陰線での上げ渋りとなっていたが、19日は夜にかけてのドル安局面でポンドドルが1.380ドル台へ到達して9月29日以降の高値を更新したところで158円台に到達、ポンド円が反落すると今度はドル円が114円割れからの切り返しに入ったことで確りし、20日午前にはドル円が一段高へ進んだために19日夜高値を超えてきている。ポンドドルの上昇とドル円の上昇がうまく強気に組み合わさって高値更新後も確りしてさらに高値を切り上げてゆく展開だ。

長期テクニカル、5か月振りの月足陽線、156円の壁突破

ポンド円は2016年10月安値124.781円と2020年3月安値123.341円がダブル底となって切り返してきたが、ダブル底の中間点となる2018年2月高値156.605円に対して今年5月高値では156.061円にとどまって突破できずに6月から9月までの月足は4か月連続の陰線引けでの推移だった。ダブル底完成に至らずに156円を壁とした長期的なボックス相場の上限到達で行き詰まった状況にあった。

しかし10月に入ってからの上昇で5月高値を超えて、さらに157円台、158円台と高値を伸ばしてきたことで156円の壁を突破、ダブル底の中間点の高値を超えたことでダブル底も完成に入り勢い付いたといえる。

月足レベルの上値目途となる高値は2015年6月天井の195.860円まで見当たらないが、より長期で見れば、2011年9月底の116.828円と2020年3月底の1236.341円でもダブル底型となっており、その中間点でダブル底完成目安となるのが2015年6月高値であるとすれば、そこまで高値追及を続ける可能性も「無きにしも非ず」といえるのではないか。

コロナ収束がまだ見えず、サプライチェーンの世界的な混乱による物価上昇は輸入依存度の高い本邦としては円安加速要因であり、長期の景気低迷に対する金融緩和やYCCによる長期金利上昇の抑制政策を踏まえれば、世界的物価上昇と長期債利回り上昇の環境下では円の全面安が加速し、また米連銀よりも利上げ想定時期が前倒しとなる見込みの英中銀による利上げ問題も踏まえれば、円の独歩安に加えてポンドドルの上昇も続いてゆく可能性も考えておく必要があるかもしれない。

短期テクニカル

ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちとピークアウトを繰り返すリズムがある。
10月1日夕安値を起点とした上昇基調を続けているが、10月15日夜高値でいったんピークを付けてやや下落したものの19夜に一段高しているため、現状は18日深夜安値を起点として新たな上昇期に入ったと思われる。高値形成期は20日夜から22日夜にかけての間と想定されるので157円台序盤までで確りするうちは上昇余地ありとみる。弱気転換は157円割れからとし、その際は21日夜から25日深夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では10月19日夜への上昇で遅行スパンが好転しており、先行スパンの上限が下値支持線として機能している。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とし、先行スパンを上回るうちは遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところからは上昇再開とみる。弱気転換は先行スパン転落からとする。

60分足の相対力指数は10月19日夜に70ポイント台へ到達、いったん下げてから再び70ポイント台へ乗せている。60ポイント以上を維持するうちは上昇余地ありとし、弱気転換は50ポイント割れからとする。

10月20日の売買戦略

156円の壁を突破して高値追及中のため、159円、160円を目指してゆく流れとみるが、これまでの大幅上昇に対する反動安がいつ入っても不思議ないと注意したい。

157.50円以上での推移中は158.50円、159円、159.50円を段階的に試す流れとみる。直前高値から1円程度の下げは押し目買いされやすいとみる。
157.50円割れからは反動安入り警戒とし、157円割れからは156円台中盤への下落を想定するが、そこはバーゲン買いされやすいところとみる。

10月20日の主な予定

  • 英国
  • 15:00 9月 消費者物価指数 前月比 (8月 0.7%、予想 0.4%)
  • 15:00 9月 消費者物価指数 前年同月比 (8月 3.2%、予想 3.2%)
  • 15:00 9月 消費者物価コア指数 前年同月比 (8月 3.1%、予想 3.0%)
  • ユーロ圏
  • 17:00 8月 経常収支・季調済 (7月 216億ユーロ)
  • 18:00 9月 消費者物価指数改定値 前年同月比 (速報 3.4%、予想 3.4%)
  • 18:00 9月 消費者物価コア指数改定値 前年同月比 (速報 1.9%、予想 1.9%)
  • 米国
  • 23:30 (米) EIA週間石油在庫統計
  • 25:00 (米) ボスティック・アトランタ連銀総裁、イベント挨拶
  • 26:00 (米) 財務省20年債入札
  • 26:45 (米) ブラード・セントルイス連銀総裁、討論会参加
  • 27:00 (米) 米地区連銀経済報告(ベージュブック)