FOMCの結果を再吟味する相場【2021年3月18日】

FOMCの結果を再吟味する相場【2021年3月18日】

おはようございます。だいまんです。

2021年3月18日相場分析です。

昨日のマーケット

昨晩の海外市場は、米FOMCの結果発表を控えて、米10年物国債利回りが1.687%まで上昇したことで、ドル売りが優勢となるも、米FOMCの結果やパウエルFRB議長の会見を受けて、ドルの売り戻しで引けた。

FOMCでは、今年の経済成長率やインフレ見通しを大幅に上方修正したが、市場の思惑に反して2023年までゼロ金利を維持する従来の方針を示した。また、パウエルFRB議長は、「一時的にインフレ率が2%を超えたとしても利上げの要件を満たさない」、「テーパリング議論を始める時ではない」と述べた。尚FOMCの結果を好感して、NYダウやS&Pが最高値を更新、ナスダックもプラス圏で引けた。

ドル円は、109.33を上値に、米10年物国債利回りが1.62%まで下落したことで、108.75まで売りに押され、ユーロドルは、1.1886を安値に1.1985まで反発、ポンドドルも1.3851から1.3967まで買い戻された。

一方クロス円では、ユーロ円が130.44、ポンド円は151.33から152.02、オージー円は84.11から85.02、NZD円は78.13から79.04、カナダ円は87.42から87.74まで反発した。

3月18日の注目材料

  • 08:50 (日) 週間対外対内証券売買契約等の状況 [対外中長期債] (前回989億円)
  • 08:50 (日) 週間対外対内証券売買契約等の状況 [対内株式] (前回-1369億円)
  • 09:30 (豪) 2月新規雇用者数 (前回2.91万人 予想3.00万人)
  • 09:30 (豪) 2月失業率 (前回6.4% 予想6.3%)
  • 09:30 (豪) 2月フルタイム就業者数 (前回5.9万人)
  • 09:30 (豪) 2月労働参加率 (前回66.1%)
  • 16:00 (スイス) 2月貿易収支 (前回5054百万CHF)
  • 16:30 (スイス) 2月生産者輸入価格 [前月比] (前回0.3%)
  • 18:00 (ノルウェー) ノルゲバンク・政策金利公表 (現行0.00%)
  • 19:00 (ユーロ圏) 1月貿易収支・季調済 (前回275億ユーロ 予想285億ユーロ)
  • 19:00 (ユーロ圏) 1月貿易収支・季調前 (前回292億ユーロ)
  • 20:00 (トルコ) トルコ中銀・政策金利公表 (現行17.00%)
  • 20:00 (英) カンリフ英中銀副総裁講演
  • 21:00 (英) 英中銀・政策金利公表 (現行0.10% 予想0.10%)
  • 21:00 (英) 英中銀資産買取プログラム規模 (前回8950億ポンド 予想8950億ポンド)
  • 21:00 (英) 英中銀金融政策委員会・議事録公表
  • 21:30 (米) 週間新規失業保険申請件数 (前回71.2万件 予想70.2万件)
  • 21:30 (米) 週間失業保険継続受給者数 (前回414.4万人)
  • 21:30 (米) 3月フィラデルフィア連銀製造業景気指数 (前回23.1 予想24.0)
  • 21:30 (加) 2月新築住宅価格指数 (前回0.7%)
  • 21:30 (英) ホールデンMPC委員講演
  • 22:00 (ユーロ圏) デギンドスECB副総裁講演
  • 23:00 (米) 2月景気先行指標総合指数 [前月比] (前回0.5% 予想0.3%)
  • 03:00 (ユーロ圏) シュナーベルECB専務理事講演
  • ブリッケン米国務長官・ヤンジェチー中国共産党政治局員会談(アラスカ州)

3月18日の相場見通し

昨晩は、FOMCの思惑や結果で、ドルが上下しました。

一応市場は、FOMCの利上げスタンスは、まだ先と安心感と捉えたようですが、ドッド・チャートを見る限りでは、既に利上げモードに入っているようにも見えます。株価面でも、ともかく懸念のFOMCを通過したことで、好感する動きですが、こういった面が、再度クローズアップされると巻き戻しとなり易いことは、留意しておきましょう。

金融政策としては、ノルゲバンク、トルコ中銀、英中銀が政策金利を公表します。どの中銀も政策の変更は想定されていませんが、英中銀では、マイナス金利の導入が常に意識されています。検討はすれど実施には消極的なスタンスが続いています。英国ではワクチンの接種が順調に進んでいます。英中銀要人の発言と合わせて、マイナス金利の導入に、引き続き否定的な見解が示されるとポンド相場の下値を支えそうです。

経済指標としては、豪2月雇用統計、ユーロ圏1月貿易収支、加2月新築住宅価格指数、米国では週間新規失業保険申請件数、3月フィラデルフィア連銀製造業景気指数と2月景気先行指標総合指数などが発表されます。

注目は豪雇用統計ですが、コロナウイルスの落ち着きなどから良好な結果が見えても、現状豪州中銀のスタンスに影響を与えることはなく、豪ドルが買われても上昇には限界がありそうです。また、米国では、週間新規失業保険申請件数が焦点すが、追加経済対策が決定したこともあって、景況感が改善していますが、一方で雇用環境には立ち遅れが見えています。結果の強弱次第ですが、米長期金利が一定の反応を示す可能性に留意しておきましょう。

また、ブリッケン米国務長官とヤンジェチー中国共産党政治局員の会談が行われるようです。バイデン政権の対中戦略には注目が集まりますが、現段階で、特段なことはなさそうです。金融市場への影響は見えないでしょう。

3月18日のデイ・トレード戦略

本日のトレード戦略です。

ポンドドル

  • 予想レンジ:1.3900~1.4050
  • 基本戦略: 逆張り
  • 予想時間:08:45 予想時レート:1.3973

ポンドドルは、下値を1.2676や1.2855で支えて、上昇が月足の雲を上抜け1.4237まで一時上値を拡大も、この位置がトピッシュとなっている。ただ、この位置からの調整が1.3778で維持されており、スロー・ストキャスティクスも反転気味から、今後はどこまで戻りを回復できるか焦点となりそう。

上値は、1.4005-27の戻り高値圏が抑えると弱い。超えても1.4182の戻り高値が抑えるとレジスタンス形成の可能性が残っている。あくまで1.4237の上ヒゲを超えて、2016年のブレグジット決定後の戻り高値となる1.4377が視野となるが、この位置までほとんど目立ったポイントがなくなることは注意しておきたい。

一方下値は、1.3778-1.3909の戻り安値圏の維持では良いが、維持できない場合、1.3730-76、1.3657-80の戻り安値圏まで視野となるが、雲の上限が控え、買いが入り易い。ただし、1.3626の90日移動平均や1.3567の戻り安値を割れると1.3503-20の下ヒゲ圏、1.3430-51の下ヒゲ圏がターゲットとなるが、維持では良いが割れると1.3304-50の戻り安値まで視野となる。最大のリスクは、1.3188や1.3135の下ヒゲを割れるケースで、その場合相場は崩れ気味となり1.30のサイコロジカル、1.2906-33の戻り安値圏までの調整の可能性が高まりそう。ただ、一旦下支える可能性はあるが、1.2855まで割れると1.2806-1.2845ゾーン、1.2752までターゲットとなり、更に1.2676や1.2645の戻り安値を割れるケースからは、1.2438-1.2520ゾーンの戻り安値圏、1.2360まで視野となり、1.2252の戻り安値まで割れると1.2162などがターゲットとなるが、最大のリスクは1.2073の戻り安値割れで、その場合1.20のサイコロジカルがターゲットとなる。

デイの戦略としては、上値を追いかけることは難しいが、一旦当面レンジ的な相場と見て、逆張りスタンスとなるが、1.39方向への押し目は買って、ストップは1.3850割れ、また更に買い下がっても、ストップは1.38割れや1.3778割れで対応する形。ターゲットは、1.4005-27が抑えると利食いとなる。また売りは、この位置のCapを確認して売っても、1.39が維持されると利食いとなるが、この位置の売りは若干危険な雰囲気もあることは、留意しておきたい。できれば1.4005-27を超える動きを見ながら、1.40ミドルから1.41ゾーン、1.41ミドルまで慎重に売り場を探して、ストップを1.42越えとしたい。この売りの場合のターゲットは、1.4005-27が逆サポートすると利食いで、また割れても1.39ミドルでは、利食いを優先したい。

FOMCの結果を再吟味する相場【2021年3月18日】

豪ドル円

  • 予想レンジ:84.50~85.50
  • 基本戦略:押し目があれば買い
  • 予想時間:08:57 予想時レート: 85.06

豪ドル円は、84.96で一旦トピッシュとなるが、調整を81.99で維持して、上値を85.01まで再拡大。スロー・ストキャスティクスも既に再上昇に転じており、更に上値拡大となるか注目されるが、85円のサイコロジカルで一旦達成感が出る可能性が残ることは注意しておきたい。

ただ、しっかりと超えると月足からは、87.20の窓の下限、88.12や89.08の戻り高値が視野となるが、90.30の2017年の高値越えは不透明となる。

一方下値は、転換線が控える84円前後、基準線が控える83円前後の維持では強いが、81.99を割れると81.09-41,80.65,79.54-80.05などもターゲットとなるが、こういった位置に日足の雲の上下限が控え、買いが入り易い。このリスクは、79.21の戻り安値割れで、その場合、78.35-99,77.50-89,76.46-77.12,75.73-76.09なども視野となるが、75.41の安値まで割れると74.57-75.08の戻り安値圏、73.62-74.08まで視野となるが、維持されると更に突っ込み売りは出来ない。このリスクは73.14を維持出来ずに、72.54の安値まで割れるケースで、その場合過去の揉み合いゾーンとなる67.30-70.18ゾーンまで視野となるが、フィボナッチ・リトレースメントや日足のサポートと合わせても良い位置となる。リスクはこれを維持できないケースだが、それでも64.41、62.76の戻り安値を割れるような調整は、現状あまり想定していない。

従ってデイの戦略としては、押し目買い狙いから、84円ミドル方向への調整で買って、ストップは81.11割れなどで対応。ターゲットとしては、85円前半は上げ渋りを見ながら、少なくとも85円ミドルでは、しっかりと利食っておきたい。またもし、84.11を割れても、83円ミドル、83円方向への調整では、慎重に買い下がって、この場合のストップは82.77割れ。ただこの買いのターゲットは、84.10前後が抑えると利食いとなる。

FOMCの結果を再吟味する相場【2021年3月18日】

豪ドル見通し5年後 豪ドルの5年後見通しは?100円超えの可能性や相場分析から見る買い時とは【2022年最新】