スワップポイントとは?利益にも損失にもなるって本当?

スワップポイントとは

FXは通貨の売買をすることで利益を出しますが、実はそれ以外にも利益を出す方法があります。

それは「スワップポイント」を活用する方法ですが、FXを始めて間もない方だとスワップポイント自体がどのようなものか分からないかもしれません。

今回は通貨売買以外のもうひとつのFXの稼ぎ方、スワップポイントについて詳しく解説していきたいと思います。

スワップポイントとは?わかりやすく仕組みを解説

スワップポイントはFXに付随する大きな魅力の一つです。

まずはスワップポイントの基本的な定義や受け取りの条件、付与されるタイミングについて、詳しく見ていきましょう。

2国間の「金利差調整分」として毎日受け取れる(または支払う)お金

スワップポイントとは、取引する2つの通貨の間にある「金利差の調整額」のことです。

世界各国の中央銀行はそれぞれ異なる政策金利を設定しており、通貨ごとに保有することで得られる金利水準が異なります。

FXで異なる2つの通貨を交換してポジションを翌営業日へ持ち越すと、その2国間の金利差を埋めるための調整額が日々発生しますが、これを「スワップポイント」と呼びます。

銀行預金でいう「利息」に近い感覚で捉えられがちですが、金利差の向きによっては受け取るだけでなく、逆に毎日支払いが発生することもあるのが特徴です。

金利の高い通貨を買って低い通貨を売るポジションで付与される

スワップポイントを受け取るための基本条件は、「低金利の通貨を売って、高金利の通貨を買う」ポジションを保有することです。

たとえば、金利の低い日本円を売って、相対的に金利水準が高い米ドルを買う(ドル円のロングポジションを持つ)と、その金利差に応じたスワップポイントを毎日受け取ることができます。

しかし反対に、「高金利通貨を売って、低金利通貨を買う(ドル円をショートする)」ポジションを持った場合は、金利差を支払う側の立場になるため、保有しているだけで毎日「マイナススワップ」が発生する点には注意しておかなければなりません。

スワップポイントが付与されるタイミング

スワップポイントはポジションを持った瞬間に発生するわけではなく、各営業日の取引終了時刻(ニューヨーク市場のクローズ時間)をまたいでポジションを持ち越したタイミングで付与されます。

日本時間では、一般的に朝の6時頃(サマータイム期間中は朝の5時頃)がこの切り替わりの基準時間です。

日中に何度も売買を繰り返してその日のうちに決済を終えるデイトレードやスキャルピングではスワップポイントは発生せず、中長期でポジションを維持するスイングトレード以上の取引スタイルでなければ、スワップポイントの恩恵を受けることは難しいでしょう。

スワップポイントの計算方法とシミュレーション

スワップポイントで実際にどれくらいの利益が得られるのかは、取引数量や保有期間に応じた計算式で具体的に把握できます。

まずは基本となる計算式を確認し、メジャー通貨ペアと新興国通貨ペアそれぞれの年間収益シミュレーションを、順に見ていきましょう。

スワップポイントの計算式

スワップポイントによる損益は、「1日あたりの付与額 × ロット数 × 保有日数」というシンプルな計算式で算出できます。

FX会社で提示されている「1日あたり〇〇円」という数値は、一般的に「1万通貨(1ロット)」を保有した場合の金額を指します。

  • 1日あたりのスワップ収益: スワップポイント(円/1万通貨) × 取引数量(万通貨)
  • 累計スワップ収益: 1日あたりのスワップ収益 × 保有日数

たとえば、1万通貨あたり「1日200円」が付与される通貨ペアを2万通貨(2ロット)保有して30日間持ち越した場合、得られる利益は「200円 × 2 × 30日 = 12,000円」となります。

なお、スワップポイントは2国間の金利差や為替レートの変動に伴って日々増減するため、固定値ではなく毎日更新される変動値である点に留意してください。

メジャー通貨ペアでの年間収益シミュレーション

流動性が高く初心者にも扱いやすいメジャー通貨ペアの代表格である「ドル/円(USD/JPY)」を例に、1ロット保有した場合の年間のスワップ収益を試算してみましょう。

2026年9月現在、ドル円1ロットあたりのスワップポイントは110~120円程度なので、今回はドル円のスワップポイントを120円としてシミュレーションを行います。

  • 1ヶ月(30日)の収益: 120円 × 30日 = 約3,600円
  • 年間(365日)の収益: 120円 × 365日 = 約44,000円

レバレッジを考慮しない場合、年間利回りは投資元本に対して数パーセント程度となります。

米ドルなどの基軸通貨はカントリーリスクが低く、突発的な通貨暴落のリスクが新興国通貨に比べて小さいため、為替変動リスクを抑えながら中長期で手堅く金利差益を積み上げたい場合に適した運用先といえます。

新興国通貨ペアでの年間収益シミュレーション

新興国通貨ペアとして個人投資家から根強い人気を誇るのが、「メキシコペソ/円(MXN/JPY)」です。

2026年9月現在、ペソ円1ロットあたりのスワップポイントは14~16円程度なので、ペソ円のスワップポイントを15円とした場合の1ロットあたりのスワップ収益のシミュレーションは以下のようになります。

  • 1ヶ月(30日)の収益: 15円 × 30日 = 約450円
  • 年間(365日)の収益: 15円 × 365日 = 約5,500円

金額にするとドル円のスワップポイントよりも少なく思われますが、ペソ円は同じ証拠金でドル円よりも多くのロットを保有することが可能です。

そのため、投資元本に対する想定利回りが10%を超える水準になることも珍しくありません。

しかし、その高利回りの裏には、政情不安やインフレに伴う「通貨価値の急激な下落(為替差損)」という重大なリスクが潜んでいるため、慎重に資金管理を行う姿勢が不可欠です。

スワップポイント投資の3つのメリット

スワップポイント投資は、短期売買のように常に画面に張り付く必要がなく、忙しい方でも取り組みやすい手法として広く支持されています。

スワップポイントの代表的なメリットを、以下の3つのポイントから詳しく見ていきましょう。

1.ポジションを持っているだけで毎日インカムゲインが得られる

スワップポイント投資の最大の魅力は、対象となる高金利通貨のポジションを維持しているだけで、毎日自動的にインカムゲインが積み上がっていく点です。

デイトレードやスキャルピングのように、刻一刻と動くチャートを常に監視して売買タイミングを計る必要はありません。

一度ポジションを構築してしまえば、日々のわずかな値動きに一喜一憂することなく、本業や日常生活の裏での安定した副収入のような感覚でコツコツと利益を蓄積していくことが可能です。

2.得られたスワップポイントを再投資して「複利運用」が狙える

日々受け取ったスワップポイントをそのまま引き出さず、新たなポジションの追加購入資金として充てることで、投資効果を加速させる「複利運用」が狙えます。

保有通貨量が増えれば、その分翌日以降に受け取れるスワップポイントの額も増加し、さらに多くのポジションを買い増せるようになる好循環が完成します。

元本だけに利息がつく単利運用と比べ、時間の経過とともに利益の伸び率が雪だるま式に大きくなるため、数年単位の長期目線で資産を大きく育てたい投資家にとって、非常に強力なアプローチとなるでしょう。

3.少額資金からでも手軽に高利回り運用をスタートできる

FXではレバレッジの仕組みがあることに加え、1,000通貨単位や100通貨単位といった少額から取引できるFX会社が多いため、数千円〜数万円程度の小さな資金からでも手軽に高利回り運用を始められます。

特にメキシコペソやトルコリラなどの新興国通貨は1通貨あたりのレート自体が低いため、まとまった軍資金を用意できない初心者でも無理のない範囲でポジションを保有できます。

株式の配当金投資や不動産投資のように初期費用として数十万〜数百万円を用意する必要がなく、余剰資金を使ってスモールスタートできるハードルの低さも大きな強みです。

スワップポイント投資で知っておくべき4つのデメリット・リスク

毎日コツコツ利益が得られるスワップポイント投資ですが、仕組みや相場環境を軽視すると大きな損失を抱える要因にもなります。

事前に必ず押さえておくべき4つのデメリットとリスクについて、順に詳しく見ていきましょう。

1.「スワップ利益 < 為替差損」で元本割れする恐れがある

スワップポイント投資で最も陥りやすい失敗が、日々のスワップ利益を上回る為替の下落(円高)によってトータルでマイナスになってしまうというケースです。

年利換算で5%や10%といったスワップポイントを得ていたとしても、為替レートが数円急落するだけで数ヶ月〜1年分以上の累積スワップ利益が一瞬で吹き飛びます。

「毎日プラスになっているから大丈夫」と油断していると、為替差損の拡大に気づいたときには手遅れになり、トータルの投資元本を大きく割り込む事態になりかねません。

2.各国の金融政策の変更によって金利差は変動する

スワップポイントの源泉となる2国間の政策金利は固定されたものではなく、各国の景気やインフレ動向に応じて定期的に見直されます。

投資先の中央銀行が利下げサイクルに入ったり、日本銀行が利上げを進めて金利差が縮小したりすると、1日あたりに付与されるスワップポイントは大幅に減少します。

運用スタート時に想定していた高利回りが長期間持続する保証はなく、金融政策の転換局面ではインカムゲインの計画そのものが狂ってしまうリスクを常に織り込んでおかなければなりません。

3.新興国通貨特有のインフレ・通貨下落リスク

トルコリラや南アフリカランドなどの新興国通貨は非常に高いスワップポイントが魅力ですが、その高金利は国内の深刻なインフレや経済不安を抑え込むための「防衛的な利上げ」であるケースが少なくありません。

慢性的な物価上昇や経常赤字を抱える国では、長期チャートで見ると通貨の価値そのものが右肩下がりに下落し続ける傾向があります。

表面上のスワップ利回りだけに釣られて安易に集中投資を行うと、歯止めの利かない長期下落トレンドに巻き込まれ、大きな損失を被る危険性が高くなります。

4.逆方向のポジションを保有すると「マイナススワップ」が積み上がる

「買い」でスワップポイントが付与される通貨ペアの場合、逆方向である「売り」でポジションを持った場合には、毎日金利差調整額を支払う「マイナススワップ」が積み上がることになります。

為替の下落トレンドを狙って売りから入るトレードを行う際、保有期間が長期化するほどマイナススワップによって口座から資金が削られていきます。

中長期でショートポジションを維持する戦略の場合、為替差益がマイナススワップの累積コストを十分に上回る見込みがあるかどうか、事前に慎重なシミュレーションが欠かせません。

スワップポイント狙いで人気の代表的な通貨ペア

スワップポイント投資では、どの通貨ペアを選ぶかによって「狙える利回り」と「抱える為替リスク」のバランスが大きく変わります。

スワップポイント狙いで人気の代表的な4つの通貨ペアの最新動向と特徴を整理しました。

なお、レートや1ロットあたりの平均的なスワップポイントは、2026年9月時点でのデータを採用しています。

レート1ロットあたりのスワップポイント通貨ペアの特徴
米ドル/円154円~155円前後110~120円程度・世界最大の取引量と圧倒的な流動性を誇る王道ペア。日米の金融政策の動向に左右されやすいものの、カントリーリスクが極めて低く、為替急変時の情報収集も容易なため初心者でも扱いやすいのが強み。
メキシコペソ/円9.0円~9.1円前後14~16円程度・新興国通貨の中で高い人気を誇る定番ペア。隣国アメリカとの強固な貿易関係や高水準の政策金利を背景に、新興国の中では比較的底堅く推移しやすい傾向がある。1通貨あたりの単価が安く、少額から投資しやすい点も魅力。
南アフリカランド/円9.5円~9.6円前後12~14円程度・金・プラチナなどの豊富な鉱物資源を持つ資源国通貨。長期にわたり個人投資家のスワップ投資先として親しまれているが、国内の電力不足や高い失業率、政情不安などによるボラティリティの大きさには注意が必要。
トルコリラ/円3.1円~3.2円前後23~25円程度・突出して高い政策金利を誇る超高スワップ通貨。表面上の利回りは非常に魅力的だが、慢性的な高インフレや通貨安トレンドが続いており、スワップ利益以上に為替下落で損失を被るリスクが高いため、上級者向け。

それぞれの通貨ペアごとにメリット・デメリットは異なるので、自分の口座資金額や投資スタイルに応じた通貨ペアを選ぶことが重要です。

まとめ:為替リスクをコントロールしながら堅実なスワップ運用を目指そう

FXはトレード以外に、スワップポイントを使って利益を生むことができますが、スワップポイントだけを狙って利益を出そうとするより、トレードと併用して双方のメリットをうまく活かしてトレードしていくことをオススメします。

スワップポイントは毎日付与されるので、ちりも積もれば山となる、の気分で運用できるでしょう。

ただ、高金利の外貨を売って低金利の円を購入するポジションをとった場合は、マイナススワップが発生することだけは必ず認識しておかなければなりません。

スワップポイントを使って利益を狙うトレード手法、「キャリートレード」について解説している記事もあるので、ぜひチェックしてください。

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