移動平均線の束でトレンドを分析!GMMAを用いたトレード手法について解説!

移動平均線の束でトレンドを分析!GMMAを用いたトレード手法について解説!

移動平均線を用いて、ワンランク上のテクニカル分析を行いたい方には、「GMMA(複合型移動平均線)」を取り入れてみてはいかがでしょうか。

GMMAを一言で表すとすれば移動平均線の強化版、使い方もシンプルながら、その信頼度は抜群です!

本記事では、実際のチャートをお見せしながら、GMMAの特徴や手法を分かりやすく解説していきますので、トレードの幅を広げたいという方は是非参考にしてみてください。

テクニカル指標「GMMA」とは?

GMMAとは、指数平滑移動平均線(EMA)を12本同時に表示する、トレンド系のテクニカル指標です。

期間が異なるEMAを複数同時に表示することで、トレンドの方向性・強さなどが判断できるようになります。

GMMAの大きな特徴値しては12本のEMA、各6本ずつ短期グループと長期グループのEMAが表示される点です。

短期グループは、期間が「3日・5日・8日・10日・12日・15日」のEMAであり、短期的なトレンド分析に活躍。

また長期グループは、期間が「30日・35日・40日・45日・50日・60日」のEMAであり、長期的なトレンドを捉えるために使われます。

では、GMMAを用いて具体的にどうやって分析を進めていくのか、次節より解説していきましょう。

GMMAを用いたトレンド分析手法

GMMAを用いてトレンド分析を行うにあたり、重要となるのは長期グループや短期グループの向き、そして位置関係です。

12本ものEMAを同時に出現させることになるため、最初は複雑そうに思えるかもしれませんが、見るべきポイントは以下より紹介する3つだけに絞られます。

1:長期束の位置=トレンドの方向性

GMMAの長期束が示すのは、トレンドの方向性です。

短期束(緑)は確認する必要ないの?と疑問に思われるかもしれませんが、トレンドの方向性を確認するだけであれば、ダマシの入りにくい長期束(赤)だけが重要となります。

移動平均線と同じく、束の向きや角度からトレンドの方向性を判断、また横ばいの状態ではレンジ相場であることを表します。

2:束の間隔=トレンドの強弱

GMMAは束の幅や間隔を見ることで、トレンドの強弱を判断できます。まずは下記のチャートをご覧ください。

束と束の間隔が広いほど強いトレンド、逆に間隔が狭いほど弱いトレンドということがわかります。

トレンドの起点からエントリーを狙いたいのであれば、束同士の間隔が広がりそうな瞬間、上のチャートで言えばちょうど右端の瞬間ということになります。

3:束の捻れと交差=トレンド転換

GMMAの束同士が交差すれば、それはトレンド転換を示しています。

一般的な移動平均線でも同じような使われ方をしますが、GMMAでは「捻れ→交差」が順番に起きるという点が重要です。

例えば上のチャートの赤枠で囲った部分では、短期束(緑)が長期束(赤)を上抜けるゴールデンクロスが起きていますが、その前に束が捻れていることが分かります。

ちなみに、上の例のようにトレンド転換をドンピシャで捉えられるわけではないため、束の捻れが見え始めたら「そろそろ転換が起きるかも」と意識しておくと良いでしょう。

GMMAを用いたトレード手法

冒頭にもお伝えしたように、GMMAの手法はシンプルながら信頼度は高く、初心者にとっても扱いやすいインジケーターです。

専業トレーダーの中には、GMMAだけで勝ち続ける猛者も存在するほど強力なインジケーターとなりますので、是非その魅力を知っていただければと思います。

手法1:GMMAのゴールデンクロス

前節でも紹介しましたが、短期束(緑)が長期束(赤)を上抜けるゴールデンクロスはロングのチャンスです。

またGMMAは通常の移動平均線とは異なり、利確のタイミングを示してくれるのが大きなメリット。

具体的には、短期束と長期束がタッチした瞬間が決済のタイミングとなるため、含み益を目一杯伸ばすことができます。

手法2:GMMAのデッドクロス

ゴールデンクロス同様、デッドクロスもショートの狙い目となります。

例として以下のチャートでは、2つのゴールデンクロスが確認でき、エントリーできていれば大きくpipsが稼げていたことが分かります。

移動平均線同士のゴールデンクロスよりも、GMMAは移動平均線の束同士の交差になるためダマシが入りにくいという特徴があります。

気になる方は、ぜひ過去チャートを遡ってその精度を確認してみてください。

手法3:押し目買い・戻り売り

GMMAの短期束(緑)が長期束(赤)に押し返された瞬間は、押し目買いと戻り売りのチャンスになります。

以下のように跳ね返される時の位置関係によって、ロングを狙うかショートを狙うか判断できるというものです。

仮に初心者に方が扱うにしても、押し目買い・戻り売りすべきタイミングが明確に掴めるため、再現性の高い手法です。

跳ね返されず突き抜けた場合は、前節で紹介したようにトレンド転換のサインとなりますので、損切りすべきかを検討すると良いでしょう。

GMMAをトレードに用いる注意点

注意点1:レンジ相場では機能しない

GMMAはトレンド系のインジケーターであり、レンジ相場の状況下では少々頼りない代物です。

上のチャートの赤枠で囲った部分のように、GMMAが横ばいになることで「レンジ相場である」という判別は可能ですが、そこからどう推移するのかは読めない状況です。

そのためRSIやRCIなど、買われすぎ・売られすぎといった相場の過熱感が読み取れるオシレーターを同時に表示しておくと良いでしょう。

注意点2:ダマシの存在

GMMAにも、ダマシが入らないわけではありません。

例えば以下のチャートの右端では、短期束が長期束を下抜けしたデッドクロス、ショートの狙い目であると判断できます。

ただ、その後どうなったのかというと、大きくレートを戻し、さらに小さく上昇トレンドが生じています。

ダマシに遭遇する可能性は常にあるため、あらかじめ含み損を切るpipsを決めてからエントリーするなどして、GMMAを過信しないよう意識しておきましょう。

なぜダマシにが生じたのか理由を追求しても分からないことが多々ありますので、相場と対峙する以上そういった不運は割り切る必要があります。

まとめ:GMMAでより精度の高いトレードを!

本記事では、GMMAの特徴や手法について解説しました。

記事中にもお伝えした通り、GMMAは移動平均線の束でありダマシが入りにくいインジケーター、移動平均線だけを用いるよりも高い精度を発揮します。

ただインジケーターとしての活用の幅については移動平均線に軍配が上がるため、一概に優劣は付けられません。

GMMAと移動平均線を同一視するのではなく、状況に応じて使い分けていただければと思います。

以上、参考にしていただければ幸いです。