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おはようございます。大塚亮です。
2021年10月4日の相場分析です。
目次
概況
豪ドル円の10月1日終値は80.666円、前日比0.268円高と上昇した。取引レンジは80.806円から79.902円。
9月23日未明の米FOMC通過後に米長期債利回りが一段高へと上昇したために日米金利差を見てドル円が連騰に入ったことで豪ドル円は豪ドル米ドルが冴えない展開だったものの円安由来で上昇9月22日安値78.837円を起点とした上昇を継続して9月28日には81.307円まで高値を伸ばした。28日から30日にかけてはドル全面高の中で豪ドル米ドルが一段安する一方でドル円が30日夜に112.08円へ続伸して年初来高値を更新したことでいったん戻したが、ドル円が30日夜から1日にかけて急落したことで豪ドル円は1日夕刻に79.902円の安値まで一段安となった。しかし80円割れは買い戻され、米長期債利回り低下により全般ドル安となる中で豪ドル米ドルが反騰したことで豪ドル円も持ち直して80円台後半へ戻した。
注目材料 米長期債利回り低下でドル高一幅
豪ドル米ドルは9月24日午前高値0.73160ドルから30日朝安値0.71687ドルまで下落、0.722ドル前後にあった持ち合いの支持線から転落して下げ足が速まりかけたが、米2年債利回り及び米10年債利回りの上昇が9月28日でピークとなり10月1日にかけて低下に転じたことでドル高にブレーキがかかった。
ユーロやポンドの上昇はまだ鈍いが、ドル円の急落や豪ドル米ドルの反騰、南アランドの対ドルでの上昇等でFOMC通過後のドル高に一服感が出ており、原油相場の上昇や10月1日のNYダウの反騰等も重なって豪ドル米ドルは0.7250ドルを超えて30日早朝へ一段安する前の水準まで回復している。
米10年債利回りは9月28日に1.56%まで上昇したところで頭打ちとなり10月1日には1.46%まで低下した。日足チャートで見れば3日連続の陰線での低下となっている。一方で豪10年債利回りは10月1日に1.52%まで上昇を継続してその後も高値圏を維持している。このため豪米の長期債利回り動向の差で豪ドル米ドルがいったん戻しに入っている印象だ。問題は米長期債利回り低下傾向がさらに続くのか、FOMC後の上昇一服による反落ながらも高水準を維持するのかという点だろう。
今週の重要ポイント 10月5日の豪中銀理事会
10月5日に豪中銀の定例理事会があり金融政策の発表がある。豪中銀は9月理事会でパンデミック対策としての量的金融緩和政策の資産購入を従来の週50億豪ドルから40億豪ドルへと減額したが感染拡大情勢を踏まえて購入期間の延長を決めた。現状ではロックダウン規制解除への動きがみられるもののまだ感染拡大が落ち着かない状況にあるため、政策金利の0.1%での維持と量的緩和ペースの減速と期間延長については現状維持が予想されている。
またロウ総裁は2024年までは利上げされないとの見通しを繰り返し強調してきたが、主要国が量的緩和縮小から利上げ時期の前倒し想定をし始めている中でスタンスが変わるのかどうか注目される。
10月6日にはNZ中銀の理事会があり、政策金利は現行の0.25%から0.50%へと引き上げが予想されている。前回会合では感染拡大を受けて利上げが見送られたが、今回は利上げに踏み切るのではないかと思われる。主要国のスタンスが徐々に正常化してゆく中で、豪中銀の出遅れ感が目立つようだと豪ドル売りの再燃もあり得るところだ。
短期テクニカル分析
60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。
豪ドル円は9月28日午後高値をピークとして下落に転じたが、9月24日夜安値から5日目となる10月1日夕安値からV字反発となり30日夜高値に迫っているので、1日夕安値で目先の底を付けて戻りを試していると思われる。高値形成期は9月28日午後高値を基準として10月1日午後から5日午後にかけての間と想定されるので既に反落注意期にあるので、1日夕安値割れを回避するうちは上昇余地ありとするが、1日夕安値を割り込む場合は新たな下落期入りとして6日夕から8日夕にかけての間への下落が想定される。
60分足の一目均衡表では10月1日夕安値からの反騰で遅行スパンが好転、先行スパンも上抜いているので遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、遅行スパンが再び悪化するところからは下げ再開を警戒して安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は10月1日夕安値時に30ポイントまで低下してから60ポイントまで戻し、その後も50ポイント以上を維持しているので、50ポイント以上での推移中はさらに高値を試す余地ありとするが、50ポイント割れを弱気転換注意、45ポイント割れからは下げ再開を疑う。
10月4日の売買戦略
10月1日安値から反騰入りしているものの、豪ドル米ドルが9月24日高値を超えて戻り高値切り上げに入れないうちは上昇も長続きしない可能性があり、ドル円の底打ちもまだ確認できないため、豪ドル円の戻りも短命の可能性があると思われる。9月28日高値81.307円を超えるには押し上げ材料が欲しいところであり、ドル円の急反騰か豪ドル米ドルが戻り高値を切り上げてゆく上昇が欲しいところだ。このため、80円台序盤はまだ押し目買いされやすいとみるが、9月28日高値手前となる81円台序盤(81.00円から81.30円)にかけては戻り売りにつかまりやすいとし、80.25円割れからは下げ再開を疑って10月1日夕安値及び80円割れを試すとみる。10月1日夕安値79.902円を割り込む場合は5日、6日へと一段安してゆきやすくなるとみる。
今週の注目指標
・中国は国慶節で10月4日(月)から10月7日(木)まで休場
・10/5(火)
・OPECプラス閣僚級会合
・豪州
・07:00 9月 マークイット・サービス業PMI確報値 (速報 42.9)
・09:30 8月 貿易収支 (7月 121.17億豪ドル、予想 100.00億豪ドル)
・09:30 8月 輸入 前月比 (7月 3.0%)
・09:30 8月 輸出 前月比 (7月 5.0%)
・09:30 9月 求人広告件数 前月比 (8月 -2.5%)
・10:30 8月 小売売上高 確報値 (速報 -1.7%)
・12:30 豪中銀、政策金利 (現行 0.10%、予想 0.10%)
・10/6(水)
・NZ 10:00 ニュージーランド中銀 政策金利 (現行 0.25%、予想 0.50%)
・米国 21:15 9月 ADP非農業部門雇用者数 前月比 (8月 37.4万人、予想 45.0万人)
・10/7(木)
・豪州 06:30 9月 AiGサービス業PMI (8月 45.6)
・米国 21:30 新規失業保険申請件数 (前週 36.2万件、予想 34.8万件)
・10/8(金)
・豪州 09:30 豪中銀半期金融安定報告
・中国 10:45 9月 財新サービス業PMI (8月 46.7)
・米国 21:30 9月 非農業部門就業者数 前月比 (8月 23.5万人、予想 50.0万人)
・米国 21:30 (米) 9月 失業率 (8月 5.2%、予想 5.1%)