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おはようございます。大塚亮です。
2021年10月5日の相場分析です。
目次
概況
豪ドル円の10月4日終値は80.851円、前日比0.185円高と上昇した。取引レンジは81.173円から80.485円。
豪ドル米ドルはFOMC後の長期債利回り上昇一幅感や米連邦政府債務上限問題等による米国株安からのドル安感から30日早朝安値0.71687ドルから上昇基調にあり、10月4日夜も全般ドル安となった局面で0.73035ドルへ上昇して9月24日午前高値0.73160ドルに迫るところへ戻した。ドル円が9月30日夜高値から続落しているものの豪ドル円は豪ドル米ドルの上昇を見て4日夜高値で81.173円を付けて9月28日午後高値81.307円に迫った。しかし豪ドル米ドルは深夜から反落したために豪ドル円も81円台を維持できずやや失速気味となっている。
注目材料 豪貿易収支は予想上回る、求人広告は停滞
10月5日午前に発表された豪9月貿易収支は150.77億豪ドルの黒字で8月の121.17億豪ドルを上回り、市場予想の101億豪ドルも上回った。しかし輸出の前月比は4.0%増で8月の4.9%増から鈍化、輸入の前月比は1.0%減で8月の3.6%増から鈍化した。
輸出総額は485億2400万豪ドルで輸入総額は334億4600万豪ドルだったが、輸出では鉄鉱石等の金属鉱石・鉱物が4%減の185億200万豪ドル、石炭は13%増の53億9300万豪ドル、その他鉱物燃料は16%増の59億2700万豪ドル、金塊は177%増の24億3400万豪ドルだった。中国の石油石炭不足による電力供給規制等により中国は石油石炭の輸入拡大に動いているためオーストラリアとしても今後の石炭輸出拡大への期待感があるところだが、全般的に伸びが鈍化しているのは世界規模でのサプライチェーンの目詰まりが原因かもしれない。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)による9月の求人広告件数(新聞とインターネット媒体、週平均で季節調整済)は前月比2.8%減の18万9272件となり3か月連続でマイナスとなった。ロックダウンの長期化が原因とみられるが、コロナショック前の2020年1月の水準を21.9%上回っているという。
重要 午後に豪中銀理事会
10月5日12時半に豪中銀の金融政策の発表がある。豪中銀は9月理事会でパンデミック対策としての量的金融緩和政策の資産購入を従来の週50億豪ドルから40億豪ドルへと減額したものの、デルタ株感染拡大によるロックダウンの長期化を踏まえて資産購入期間の延長を決めた。豪州全体の感染拡大はまだピークアウトしていないものの、ワクチン接種率が70%に達することを目安としてロックダウン解除へ向かう流れと思われるがまだしばらくロックダウンの影響を考慮すれば9月理事会時点よりも引き締め的な動きに向かう可能性は低く、現状維持と思われる。
ただ、10月6日にはNZ中銀の金融政策決定会合もありそこでは利上げの可能性が示唆されていること、英中銀が年内の利上げの可能性を示し、米連銀が11月からのテーパリング開始と来年の利上げ開始を示唆していることを踏まえれば、2024年まで利上げしないと繰り返し強調している豪中銀の金融政策正常化プロセスの遅れが目立つきっかけになるかもしれない。
短期テクニカル分析
60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。
豪ドル円は9月28日午後高値をピークとして下落に転じたが、9月24日夜安値から5日目となる10月1日夕安値で目先の底を付けて反騰入りした。高値形成期は10月1日午後から5日午後にかけての間と想定されるので、既に4日夜高値でピークを付けた可能性があるため、80.40円以上での推移中は上昇余地ありとするが、80.40円割れからは下落期入りとして10月6日夕から8日夕にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では10月1日夕安値からの反騰で遅行スパンが好転、先行スパンも上抜いたが、4日夜高値からの反落で遅行スパンは悪化しやすくなっている。先行スパンからの転落を回避するうちは遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところから上昇再開とするが、先行スパン転落からは下落期入りとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は10月4日夜高値時に70ポイントに到達してから50ポイント割れへ低下しているので戻り一巡から下げに入っている印象だ。このため55ポイント以上へ回復できないうちは一段安警戒として30ポイント前後を目指す流れとみる。
10月5日の売買戦略
10月1日安値からの反騰も目先は10月4日夜高値で一巡し、9月28日高値を超えずに失速気味のため、いったん仕切り直しで10月1日夕安値を試すか、さらに底割れする可能性のあるところとみて戻り売り有利の状況と考える。
81円台序盤は戻り売りにつかまりやすいとみて、80.40円割れからは10月1日夕安値79.902円試しとし、底割れの場合は79円台中盤(79.70円から70.30円)を目指す流れとみる。79.50円以下は反騰注意圏と考える。
10月5日の注目指標
・休場 中国
・オーストラリア
・12:30 豪中銀、政策金利 (現行 0.10%、予想 0.10%)
・独欧
・16:55 9月 ドイツ・サービス業PMI改定値 (速報 56.0、予想 56.0)
・17:00 9月 ユーロ圏サービス業PMI改定値 (速報 56.3、予想 56.3)
・17:30 9月 英国サービス業PMI改定値 (速報 54.6、予想 54.6)
・18:00 8月 ユーロ圏生産者物価指数 前月比 (7月 2.3%、予想 1.3%)
・18:00 8月 ユーロ圏生産者物価指数 前年同月比 (7月 12.1%、予想 13.5%)
・米国
・21:30 8月 貿易収支 (7月 -701億ドル、予想 -706億ドル)
・22:45 9月 サービス業PMI改定値 (速報 54.4、予想 54.4)
・23:00 9月 ISM非製造業景況指数 (8月 61.7、予想 60.0)