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こんにちは。YEN蔵です。
今週の為替相場振り返りです。
目次
今週(4月19日週)の振り返り
米中問題や各国の金融政策に若干の違いが出てきたことで為替が動いた1週間でした。
16日に行われた日米首脳会談で台湾海峡の安定などに言及したことで、中国に対しての圧力を強めたことで米中対立が激しくなるとの思惑から週明けの19日のアジア市場ではドル円は108円台後半から108円台中盤に下落しました。
欧州時間に入るとドルは全般的に弱含みユーロドルが節目の1.2を上抜けするとドル円も3月以来の安値である108.40付近を下抜けして下落しました。
米10年債利回りは先週から低下が続き、一時4.53%付近まで低下し3月12日以来の水準となりました。米国の長期金利が低下したこともドルの下落を促しました。
ユーロドルが節目の1.2を超えて推移していること、ドル円が一時108円割れて107.80付近まで下落したことでドルの強弱を示すドルインデックスは90.86と3月3日以来の安値まで下落しています。
しかし米10年債利回りも1.53%付近で一旦下げ止まり、1.53~1.63%で落ち着いています。米長期金利が下げ止まったことでドルインデックスも90.86で下げ止まり91台前半に反発しています。
注目ポイント
米国の経済指標は強いものが出てきており出口戦略が前倒しになるのではないかとの思惑もあります。しかしパウエルFRB議長やハト派のFOMCメンバーたちは引き続き緩和策の継続を主張して金融緩和の出口戦略に関しては言及していません。
そんな中で今週はカナダ中央銀行と欧州中央銀行の政策金利の発表がありました。
カナダ中央銀行は21日に政策金利の翌日物金利の誘導目標を0.25%と過去最低に据え置くことを決定しました。据え置きは予想通りの決定でした。
また毎週の国債の買い入れ目標を30億カナダドルと従来の40億カナダドルから縮小することも決定ました。この決定も予想されたものでした。
金融政策報告書では2021年の経済成長率の見通しを1月時点の4%から6.5%に引き上げました。インフレ率は3%程度まで伸び、年後半に2%ほどに落ち着き22年はさらに鈍化する見通しとしました。また需給のゆるみの吸収は2022年下半期になるとして1月の見通しの23年年から前倒しして、2022年の利上げの可能性に言及しました。
マックレム・カナダ中銀総裁は経済がフル稼働するまでは利上げを行わないが、条件が満たされれば利上げをしないという保証はないと述べました。
22日に欧州中央銀行は理事会を開催し金融政策を予想通り据え置きました。ただ記者会見でラガルト総裁はPEEP(パンデミック緊急購入プログラム)の段階的な縮小に関しては時期尚早として議論していないと述べました。
ワクチンの接種もすすみ各国の金融政策と財政政策が効果を上げて経済の回復が見えてきました。しかし各国で経済の回復度には差があり、これによって今後は金融政策の切り替え時期も異なってきます。今後は金融政策の緩和からの正常化が市場の注目材料になるときが近いと思われます。そして今週は少しその兆候が見られました。
各国中央銀行の緩和からの正常化に関し今後は注目が必要です。
カナダドルに注目
昨晩のカナダドルは利上げに関する言及があったことでカナダは堅調に推移し、ドルカナダは1.2650から1.2460に下落しドル安カナダ高となりました。カナダ円も85.40付近から86.80付近まで上昇しました。
各国に先んじて利上げがあるかもとの思惑がカナダドルを上昇させています。
ドルカナダは昨年3月の1.4670からドル安カナダ高が続いています。短期的には昨晩の安値1.2460がサポートされていますが、ここを下抜けすると3月18日の安値1.2365付近への下落余地があります。
1.2625付近に一目均衡表の雲の上限が位置し、75日移動平均線が位置する1.26台中盤がレジスタンスとして機能しています。
RSIなどのオシレーター系のインジケーターも過熱感はありません。
カナダ円は4月2日に88.30の高値まで上昇後に調整局面となり21日には85.43まで下落して86.50付近で推移しています。
85円付近に75日線が位置しここが中期的なサポートなっています。一方で87円付近に一目均衡表の基準線が位置しこのレベルがレジスタンスとして機能しています。ここが抜けなければ85~87円のレンジが予想されます。
しかしRSIが27%付近から41%付近に上昇87円付近を上抜けできれば再度88円付近への上昇を予想します。