円安の流れが加速【YEN蔵のFX相場分析】

円安の流れが加速【YEN蔵のFX相場分析】

こんにちは。YEN蔵です。

今週の相場振り返りです。

今週(3月29日週)の振り返り

世界的に経済指標は強い数字が出る中で、やはり米国の経済指標は他を引き離して強いものが出ています。

31日にバイデン大統領はさらに2兆ドル規模のインフラ投資計画を発表しました。米経済を再構築して中国の影響力増大に対抗することを目標にしたものです。インフラ投資は道路や橋、高速道路などのインフラ整備に65兆円ほど、電気自動車投資に20兆円ほどだして2030年までに全国的な充電網の構築を目指します。そのほか様々な事業に資金を振り向ける計画です。その財源は増税によって賄うとしたことで一時上昇した長期金利も一旦落ち着いています。

世界的に強い経済指標が出る中で株価上昇は続いておりリスク選好の流れから円とスイスフランが売られています。

今週のまとめでも書きましたが米国では強い経済指標が出てきています。

3月30日に発表された3月の米消費者信頼感指数は109.7と2月の90.4,予想の96.9を大きく上回りました。

4月1日に発表されたISM製造業景気指数は64.7と前回の60.8.予想の61.3を上回り37年ぶりの高水準の数字となりました。このように景況感は非常に強い数字となり今後の経済成長に対する期待感が高まっています。これはやはりワクチン接種の進展とバイデン政権が打ち出している経済対策などが評価されているのだと思います。

そのような中で3月31日に発表されたADP民間雇用者数の数字が51.7万人雇用者増となり前月の17.6万人を大きく上回りました。ADPというのはAutomatic Data Processing社という会社が社員の給料支払い台帳から計算したその月の雇用者数を発表したものです。今回はすべての規模の会社で雇用が伸び、特にサービス業が43.7万人の増加とサービス業が復活したことが注目されます。

ADP民間雇用者数は米労働者が発表する雇用統計の3日目に発表されるデーターなので注目されます。もちろんぴったりと数字が一致するわけではありませんが、傾向はわかりますから市場が注目しています。

一方で4月1日に発表された新規失業保険申請件数は71.9万件となり先週の65.8万件から増加しているところは懸念されます。

すでに期待感は高まっており非農業部門雇用者数の予想は66万人(レンジは35~100万人)、失業率は6%(レンジは5.8~6.4%)となっています。

雇用統計はある程度織り込まれていると思いますが、今後経済がリスタートする前に雇用の増加が確認されれば株高、円安のリスク選好の流れは継続するものと予想します。

一方で数字が弱いものだった場合は期待感が強かった分一旦利食いが出て株安、円高の流れになる可能性はあります。しかしまだ経済が完全にスタートする前なので、今後ワクチン接種が進み経済がリスタートしてくれば雇用の増加も見込まれますから下落は一時的なものになるのではないでしょうか。

豪ドル円に注目

先週書いた豪ドル円のレビューをしてみましょう。82円をサポートできるかどうかが重要で、ここが維持できれば上昇トレンドは継続するが一目均衡表の基準線、転換線が位置する83円台後半から84円付近がレジスタンスになると予想しました。しかし豪ドル円は一時84.45付近まで上昇して84円台前半で推移しています。

円安の流れが加速【YEN蔵のFX相場分析】

上昇後も下落する局面がありましたが83.30付近が短期的なサポートになっています。83.30付近には一目均衡表転換線、基準線が83.70付近、25日移動平均線83.55付近に位置しており、このレベルが短期的にはサポートになるでしょう。

83.30付近をサポートできれば83.30~85.50(前回高値)のレンジを予想します。

RSIを見ると59.49%と3月24日の24.77%からは上昇していますが、まだ買われすぎを示すレベルではなく、他のオシレーター系の指標も中立的なレベルです。

一方で83.30付近を下抜けした場合は再び82円台前半への下落を予想します。

82円がサポートされれば豪ドル円の上昇トレンドは継続と予想します。一方で82円(82円割れには75日移動平均線も位置しています)を下抜けした場合は調整が長引き80円付近への下落を予想します。

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