FXにおける為替介入とは?為替介入から考える今後の見通しについて

1年で30円以上動いたのは過去30年ない状況であり、これにはさずがに日銀・政府も傍観しているわけにはいきませんでした。

政府・日銀は1998年以来となる為替介入を行い、円レートの安定化を図ったのです。

これにより相場は大混乱、爆益を得る一方で、多くの退場者を生み出す事態に陥ります。

さて、今回起きた「為替介入」とは、具体的にどういったものだったのでしょうか?

FX初心者に向けて分かりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください!

FXにおける為替介入とは

 

為替介入とは、政府・日銀がが為替相場に介入して、円レートの調整を行うことです。

正式名称「外国為替平衡操作」と呼ばれ、前回の為替介入は1998年、今回の為替介入は実に24年ぶりとなりました。

為替介入に至った理由については、円相場の過度な変動であると述べられ、円安による原油や小麦など物価高騰に歯止めが掛かるかが注目されています

FXチャートにおける為替介入の影響について

2022年9月22日、政府・日銀が約24年ぶりに円買い・ドル売りの為替介入を行い、その結果チャートがどのように反応したのでしょうか。

為替介入の瞬間(17:00ごろ)におけるドル円のチャートは以下の通りです。

チャートを見てわかる通り、ドル円はたった30分の間に5.0円(500pips)も下落し、クロス円通貨全般に大きな影響を与えました。

午前中までは緩やかな上昇トレンドを形成しており、これから147円を目指してまだまだ伸びると期待されてからの急転直下、ロングを仕込んでいたトレーダーは大きな含み損を抱えてしまったでしょう。

為替相場では、このような展開が読めない急激な変動が起こり得るため、巻き込まれないよう日頃から逆指値の設定を徹底しておきたいところです。

為替介入が行われるタイミングとは

為替介入の瞬間はチャートが大きく変動するため、タイミングを読み切ればかなりのpipsを稼げるでしょう。

しかし当たり前ではありますが、為替介入のタイミングを完璧に読み切ることは不可能です。

ただ今回の為替介入においては、2つのポイントからある程度予想できたということもあり、今後の参考にできるのではと考えられています。

ポイント1:連休前

Twitter等のSNSでは、連休前に日銀が策を施すのではないかと噂されていました。

というのも、9/23~25の三連休に入ってしまえば日本市場は休場になるため、何も策が打てないからです。

また、三連休の前に為替介入を行うことによって、少なくとも3日分は円高になった実績を作ることができます。

国民をある程度納得させるためにも、また政府としての責任を果たすためにも、少しでも長く実績が作れるよう国側も意識しているはずです。

日本と米国の会合

為替介入は、日本だけの判断で行えるわけではないと考えられます。

今回の場合、円買い・ドル売りによる為替介入であるため、米国内にも当然大きな影響を与えることになります。

日本の上司的な存在である米国に対して、何も断りなしに為替介入を行えるはずもなく、日本側としても間違いなく事前に申し立てをしているはずです。

いつどういったタイミングで申し立てが行われているのかは分かりませんが、日米間の会合については、ニュース報道や要人発言からある程度の推察は可能です。

日米間において金融政策を決める会合が相次ぐようであれば、為替介入等ビッグイベントを意識しておいた方がいいかもしれません。

為替介入から考える今後のトレード戦略

為替介入が実施されたことで、今後の相場においてどのような局面が考えられるでしょうか。

本節では、今後のトレード戦略や直近の為替相場の見通しについて解説していきます。

ポイント1:145円が境界線

為替介入によって、一時的に円安に歯止めがかかりました。

前回1998に行われた為替介入ではドル円レート147.66円、そして今回の145.0円、これらは今後においても1つの境界線として意識されやすくなるでしょう。

しかし、このまま金利差が広がる一方では、為替介入の効果も限界を迎え、易々と145円代の突破も考えられます。

為替介入はあくまでも時間稼ぎに過ぎず、押し目に過ぎないとの見方も多いため、安易にショートポジションを持たないことをおすすめします。

前回の動向を踏まえると、為替介入後3営業日からは落ち着いた値動きを見せ始めるため、堅実なトレードを心がけるなら今しばらく静観してみはいかがでしょうか。

ポイント2:円安は継続する見込み

2022年に入ってここまで円安が進行した要因は、世界各国と日本における金利差にあります。

また、なぜ世界各国が金利を軒並み上昇させているのかと言えば、ロシアのウクライナ進行による世界的な物価上昇が1つの原因です。

激しいインフレを抑止するために金利を上げて対応せざるを得ない状況ですが、残念ながら日本においては同様の措置を施すことはできません。

国の借金も多く、また金利時の上昇は中小企業や住宅ローンを抱える国民に対して、大きな負担となるためです。

つまり日本が金利を上げれない以上、円安進行の根本的な原因を解決できるわけではなく、ロシア問題等の世界情勢が落ち着くまで、このまま円安は継続する可能性が高いと考えられます。

為替介入に対する各所SNSの反応

為替介入が行われたことにより、各所SNSでは大きな反響がありました。

以下、個人トレーダーの反応を掲載していきます。

・日銀が動かなければ円安の流れは変わらない。絶好の押し目を与えただけ。
・逆効果である。日本政府と日銀が無策の証左を示し、益々円の価値を薄める。なぜ金利差に対して資金で対抗しようとした?
・急降下は抑えつつ円安を維持していく感じなのかな?それだったら無理に円高にしようとせず内需拡大輸出増加で日本が儲ける方向で頑張って欲しい
・日本を安売りする自公の政策が続けば一時的なカンフル剤にしかならない。
・補助金出して一部の企業に中抜きさせたり、輸出とインバウンド頼みでは、景気なんて浮揚するわけない。

内容を見ると、多くのトレーダーは為替介入に対してポジティブな意見を持っておらず、今更…?という思いが強いようです。

こういった大衆心理が大半を占めている以上、このまま円高に転換することは考えづらく、一時的な時間稼ぎに過ぎないと考えられるでしょう。

まとめ:為替介入は時間稼ぎに過ぎない

本記事では、FXにおける為替介入について以下のポイントを中心に解説しました。

  • 為替介入の概要について
  • 為替介入が行われるタイミングについて
  • 為替介入から考える今後のトレード戦略について
  • 為替介入に対する各所SNSの反応

為替介入によって一時的に円安に振れたものの、一時的なものとする見解が強いです。

となれば今は絶好の押し目であり、余裕がある方は買いポジションを仕込んでおきたいところ。

テクニカル指標を参考に押し目を拾うもよし、プラススワップのポジションを積み上げるもよし、この機会を存分に活かしてみてはいかがでしょうか。

以上、参考にしていただければ幸いです。