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FXでは基本的に、値動きがなければ利益を得ることはできません。
だったらいっそのこと、両建てを駆使して、相場が上昇・下落どちらに転じても利益が出るよう仕込むのはどうでしょうか?
本記事では、両建てに関する基本だけでなく、活用法やバックテスト結果といった応用編まで詳しく解説していきたいと思います。
目次
FXにおける両建てとは
両建てとは、同じ通貨ペアにおいて、売りと買いのポジションを保有することを意味します。
果たして、その運用に何の意味があるかと言えば、まずはFXの基本原則である為替差益について理解しなければなりません。
為替差益は以下の図のように、安く買って高く売る、あるいは高く売って安く買い戻すことで発生します。
買い・売りの双方のポジションを同時に持つこと(=両建て)で、相場がどちらの方向に転じても、利益を得ることができるわけです。
しかし同時に含み損を抱えることにもなるため、推奨される運用手法とはされておらず、使い所を見極める必要があるでしょう。
両建てのメリット
メリット1:証拠金が追加でかからない
多くのFX会社では、両建てMAX方式を採用しているため、両建てする際に追加で証拠金が掛かりません。
両建てMAX方式とは、証拠金のうち売り注文と買い注文を比較し、多い方のみを必要証拠金とする方式です。
証拠金が不十分であれば新規に注文を出すことはできませんが、すでに保有しているポジションとは逆方向の注文であれば、発注は可能!
資金を上積みせずとも、両建てによってエントリーのチャンスを増やすことができるでしょう。
メリット2:含み損の固定
両建ては稼ぐ目的というよりも、ロスカットから資金を守るための防御策として使われることが多いです。
その一例として、以下の図をご覧ください。
①で掴んだ買ポジションが、②の地点まで下落した瞬間、売ポジションを同量注文(=両建て)した例です。
最終的に③まで下落したとすると、②以降で下落した分の含み損は売りポジションによって相殺されるため、これ以上増えることはありません。
②で注文した売ポジションのおかげで、①で掴んだ買ポジションの含み損は、②と③それぞれの地点において同値となります。
両建てのデメリット
デメリット1:含み損がなくならない
両建ては、双方のポジションにおいて、必ず含み益と含み損が発生します。
そのためいつかは、自分で損切りする、あるいはプラ転するまで待ち続けることになり、いずれにしても好ましくない状況です。
損切りできないからといってポジションを保有し続ければ、その分証拠金が拘束されることになるので、運用パフォーマンスを著しく低下させてしまうでしょう。
デメリット2:両建てが禁止されていることも?
FX会社によっては、両建てが禁止されており、特に海外FX口座はその傾向が強いです。
海外FX口座の特徴は?初心者におすすめできない理由や国内FXとの違いを解説禁止される理由としては、両建てによってFX会社側の負担が大きくなってしまうため。
例えば、資金80万円を入金したA口座、B口座があったとしましょう。
これらの口座で両建てを行い、A口座で+100万円(口座トータル:+180万円)、B口座で-100万円(口座トータル:-20万円)の損益が出たことを考えてみます。
このとき、A口座は大きく儲けて無事に取引は終了となりますが、B口座では80万円しか資金がないため、不足分した20万円を後々収めなければなりません。
ところが海外口座ではゼロカットシステムが標準となっており、不足した資金を収めるのはFX会社側です。
一方トレーダー側としては、元々あった160万円が180万円にまで増えていることになるため、ノーリスクで簡単に利益を出すことができています。
こういった事情から、FX会社によっては両建てが禁止されているのです。
両建ては危険なのか?知っておきたい注意点について
FXに関するブログ、セミナー等では「両建ては危険だ!気軽に手を出すべきではない!」といった注意喚起をよく見かけます。
とはいえ初心者の方からすれば、どういった理由で危険なのか、理解が難しいのではないでしょうか。
そこで本節では、両建ての危険性や、失敗しないための注意点について紹介していきたいと思います。
注意点1:高値買い増し・安値の売り増し
円安相場が続く最近では、両建てを駆使して、何とかロスカットを免れているという人も多いのではないでしょうか?
2022年3月から4月にかけて、ドル円は15円近くも上昇することになったため、売りポジションを保有している人は、大きく含み損を抱えたはずです。
また日に日に上昇するドル円は「このままでは150円近くまであっという間だろう」といった見立てもあり、ロングのピラミッティング勢力も多いことが予想されます。
しかしドル円のレートは10年以上も100〜125円で推移しており、現状はやはり高値圏内といわざるえません。
売りポジションを緩和するために、買いポジションを増やしたとしても、高値圏内に行けば行くほど、トレンド転換の可能性は高くなります。
トレンド転換後の高値掴みポジションは、損切りしない限りは含み損として証拠金を圧迫することになりますので、強制ロスカットのリスクも恒常的に高まることになるでしょう。
注意点2:マイナススワップの影響
両建て中にもスワップポイントが発生することになりますが、この時にも注意が必要です。
特に「トラリピ」や「トライオートFX」等の自動売買サービスで見られる傾向ですが、買いスワップと売りスワップ双方において、吊り合っていない状況が多々あります。
両建てを駆使して一時的に耐えれる状況を作ったとしても、その間マイナススワップを支払い続けると、気づけば大きな出費になりかねません。
両建てを活用する際は、スワップポイントの合算がマイナスにならないよう注意しておきたいところです。
注意点3:両建ては大して儲からない
両建てを行うことによって、獲得できる累計利益は増えますが、それ以上に含み損も増えるということを知っておかねばなりません。
例えば、以下のチャートはカナダドル円の10年チャートになりますが、チャート全体に両建てでポジションを仕込むとどうなるでしょうか。
バックテストを行うために、以下の条件を設けました。
・最高値から最安値まで0.1円間隔で発注
・買い注文と売り注文を同時に発注
・注文量 0.1Lot(1000通貨)
・+1000円の含み益で利確
上記の条件のもと、バックテストの結果は以下の通りです。
・累計利益:470万円
・平均年利:7.6%
・最大含み損:-561万円
・最大必要資金:684万円
10年間という長期でレンジ相場を形成しているカナダドル円でさえ、両建て運用のパフォーマンスは好ましくありません。
コンスタントに利益が出せているものの、含み損も大きく、耐え切るためには多くの資金が必要になります。
両建てによって利確チャンスが2倍になるものの、その分負担も大きくなるため、資金効率は良くならないということを覚えておきましょう。
両建てを活かしたトレード手法
ここからは、両建てを活かしたトレード手法について解説していきます。
簡単にいえば、両建てすることによって、賢く安定的にスワップポイントが受け取れるようになる手法です。
活用法1:スワップポイントのアービトラージ
スワップポイント投資は、毎日コツコツと金利が受け取れる一方で、為替差益で負けてしまうリスクがあります。
そのリスクをなくせる方法が、両建てを活用したアービトラージ(裁定取引)であり、一時はFXの必勝法として注目を集めました。
やり方も非常にシンプルで、スワップポイントがプラスになるよう口座を選定し、同タイミングで両建てするというものです。
1つ例を示しましょう。通貨ペアを選ぶ際、合算スワップポイントがプラスになる口座の組み合わせを見つけます。
A口座:買いスワップ「+5」 & 売りスワップ「-5」
B口座:買いスワップ「+4」 & 売りスワップ「-4」
A口座で買いポジション、B口座で売りポジション、これらを両建てすることで、為替変動のリスクを減らして「+1」のスワップポイントを受け取ることができます。
実際、FX会社ごとに付与されるスワップポイントは大きく異なるため、アービトラージ専門のトレーダーも存在しているほどです。
おそらくFXでもっとも手堅く、かつ安定的に稼げる手法になりますので、裁量トレードで上手く稼げないという人は、是非アービトラージに挑戦されてみてはいかがでしょうか。
活用法2:両建て × ダブルスワップ
両建てでさらに安定的に稼ぎたいのであれば、GemForexのダブルスワップ狙いもおすすめです。
GemForexでは、海外FX会社の中でもスワップポイントが優良で、特にUSD/JPYは買いポジション・売りポジション、双方がプラスです。
両建てすることによって為替変動のリスクを排除し、スワップポイントだけ安定的に受け取れる…理論的には必勝法といってもいいでしょう。
とはいえ提供スワップが変動するリスクや、両建てに関する取り決めがあるため、実践する際には同社の規約によく目を通しておく必要があります。
まとめ:両建ては、賢く計画的に活用すべし!
本記事では、FXにおける両建てについて、以下のポイントを中心に解説しました。
- 両建てとは
- 両建てのメリット・デメリット
- 両建ての注意点
- 両建てを活かしたトレード手法
一般的には推奨されない両建ても、使い所によっては大きな効果を発揮します。
特にスワップポイントに関しては、両建てによって為替変動のリスクを限りなく小さくできるでしょう。
また、含み損を一時的に固定できる点も、緊急策として覚えておいて損はありません。
とはいえ使い所が難しくもあるため、セオリー通りの損切りや、両建てしなくても済むよう日頃からの資金管理も重要となります。
あくまでも最後の手段として、両建てする際は出口戦略まで見据える計画性を持って活用していただければと思います。