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おはようございます。大塚亮です。
2021年10月14日の相場分析です。
目次
概況
豪ドル円の10月13日終値は83.576円、前日比0.054円高とわずかに続伸した。取引レンジは83.706円から83.119円。
10月8日の米9月雇用統計発表後からのドル円の急伸と豪ドル米ドルも9月30日以降の上昇基調を継続したことで豪ドル円は10月7日からの連騰を継続、10月11日には前日比1.227円高となる日足大陽線で83円を突破し、12日も83.798円まで高値を伸ばした。
10月13日は上昇一服で午前安値83.119円まで下げたものの12日夕安値83.004円割れを回避して83円台を維持、その後はジリ高の推移で12日夜高値に迫った。
10月14日午前には83.814円まで高値を伸ばしたが、豪9月雇用統計での失業率悪化等を意識して豪ドル米ドルが下落したことで84円到達には至らずにいる。
注目材料 9月の豪雇用統計、失業率悪化
10月14日午前発表の9月の豪雇用統計では、失業率が4.6%となり8月の4.5%から悪化したが市場が予想していた4.8%への悪化というほどではなかった。
就業者数は前月の14.6万人減少に続いて13.8万人の減少で市場予想とほぼ一致した。就業者のうちフルタイムは2.67万人増、パートタイムは16.47万人減少した。ロックダウンの長期化によりパートが削減された一方でロックダウン解除へ向けてフルタイムは若干でも増えたことはプラス要因といえる。労働参加率は64.5%で8月の65.2%から若干低下した。
シドニーでは10月11日からロックダウンが解除されており、ワクチン普及の進展により今後はウィズ・コロナ政策でロックダウン解除も進むと思われる。感染拡大はまだピークアウトしていないことで経済活動が一挙に改善してゆくのかどうかは見定める必要があるが、最悪期は脱してきたのではないかと思われる。
豪ドル米ドルは14日の豪雇用統計発表前に0.73923ドルを付けて9月30日以降の高値を伸ばしていたが、発表後は0.73759ドルまで下落した。上昇一服感もあるものの材料消化からの上昇再開を期待するところだ。
注目ポイント 円安と豪ドル高の強気な組み合わせ
豪ドル円は10月14日午前に9月30日安値以降の高値をわずかに更新している。11日夜に83円台に到達した後は84円には届かないものの83円台で確りして高値圏持ち合いの様相だが、この持ち合いから上放れに入りつつあるところと思われる。
10月8日の米雇用統計通過後にドル円が急騰し始めたが、ドル円は13日夜に高値を更新してからやや下げたものの113円台を維持して確りし、上昇一服での高値圏持ち合いの様相だ。一方で豪ドル米ドルは14日午前に9月30日以降の高値を更新している。
豪ドル円としてはドル円の急騰が大きな推進力となっているが、豪ドル米ドルの上昇も重なっているため、円安を主力として上昇し、円安が一服に入れば豪ドル米ドルの上昇で高値を切り上げる等、上昇のためにエンジンを組み替えつつ上昇基調を維持している印象だ。
原油相場の高騰や中国の石炭価格の最高値更新、欧州の天然ガス高騰等、世界的なエネルギー価格高騰が資源通貨にとっての豪ドルにはプラスとなり、エネルギーの輸入依存体質のドル円にとっては円安要因となるため、豪ドル円には円安と豪ドル高の両面から押し上げられやすい状況と思われる。
短期テクニカル分析
豪ドル円の60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。
豪ドル円は10月1日夕安値からの上昇基調を続けてきたが、12日夕刻へ小反落してから高値更新へ進んだために12日夕安値を起点として新たな上昇期に入ったと思われる。高値形成期は14日夜から18日深夜にかけての間と想定されるので、12日夕安値を割り込まないうちは一段高余地ありとし、12日夕安値を割り込む場合はいったん調整安に入るとみて15日夕から19日夕にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では10月13日午前への下落で遅行スパンが悪化したもののその後の切り返しで再び好転している。先行スパンの上限が下値支持線として機能しているため、先行スパンからの転落を回避するうちは遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところからは上昇再開とし、先行スパン転落からはいったん下げに入る可能性を警戒して遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は50ポイント割れから持ち直している。50ポイント以上での推移中は上昇余地ありとし、50ポイント割れからは30ポイント台への低下を想定する。
10月14日の売買戦略
10月11日以降は上昇角度が鈍っているものの高値を徐々に切り上げて確りしているので上昇基調はまだ継続とみて、83円台を維持するうちは押し目買い有利とし、84円到達からは84円台中盤(84.30円から84.70円)を目指す流れとみる。83円割れへ失速する場合は82.70円前後への下落を想定するが、83円から82.70円にかけてのゾーンは押し目買いされやすいところとみる。
10月14日の主な予定
- 英国
- 19:10 テンレイロ英中銀委員、講演
- 23:40 マン英中銀委員、講演
- 米国
- 21:30 9月 生産者物価指数 前月比 (8月 0.7%、予想 0.6%)
- 21:30 9月 生産者物価指数 前年同月比 (8月 8.3%、予想 8.7%)
- 21:30 9月 生産者物価コア指数 前月比 (8月 0.6%、予想 0.5%)
- 21:30 9月 生産者物価コア指数 前年同月比 (8月 6.7%、予想 7.1%)
- 21:30 新規失業保険申請件数 (前週 32.6万件、予想 31.9万件)
- 21:30 失業保険継続受給者数 (前週 271.4万人、予想 267.5万人)