豪ドル円 先週末への2日連続陰線から持ち直す

豪ドル円 先週末への2日連続陰線から持ち直す

おはようございます。大塚亮です。

2021年10月26日の相場分析です。

概況

豪ドルの10月25日終値は85.186円、前日比0.465円高と反発した。取引レンジは85.300円から84.677円。

9月22日安値78.837円を起点として大上昇となり、10月7日から10月20日まで10日連続の日足陽線で続伸して5月10日高値85.795円をを超えて昨年3月コロナショック以降の最高値を更新、10月21日は2018年2月以来となる86円に到達、86.248円まで高値を伸ばしたが、21日に前日比0.820円安、22日に同0.392円安と2日連続陰線で下落して先週を終えた。

ドル円の年初からの大上昇が10月20日高値114.69円で一服となり114円割れへ調整安に入ったこと、豪ドル米ドルも10月入りからの全般ドル安基調の中で大上昇してきたが、10月21日高値で0.75460ドルを付けたところで上昇一服となったため、豪ドル円には円高と豪ドル安の両面から調整安の圧力がかかった状況となった。

しかし、週明けからはドル円もジリ高で持ち直し、豪ドル米ドルも反発し始めたことで豪ドル円もジリ高基調で85円台を回復、26日午前には85.50円超えまで戻り高値を切り上げている。

注目ポイント 10月21日昼高値と22日夕高値を結ぶ抵抗線を突破

豪ドル円は10月21日昼高値86.248円から下落してきたが、23日未明安値84.603円からジリ高で持ち直しに入っており、既に21日昼高値と22日夕の戻り高値を結ぶ右肩下がりの上値抵抗線を突破してきている。26日午前時点ではまだ22日夕高値超えには至っていないが、22日夕高値85.537円を超えれば高値切り下がりパターンからも脱却して上昇再開感が高まると思われる。

10月以降は豪ドル米ドルの上昇とドル円の上昇が重なる形で豪ドル円は上昇してきたが、ドル円も週明けからはジリ高、豪ドル米ドルも22日午前安値の後は下げ渋りから上昇再開の動きに入っており、既に21日昼高値からの下げ幅の半値戻しを超えてきている。このためドル円の上昇再開と豪ドル米ドルの上昇再開が重なって豪ドル円を押し上げやすい状況に入ってきた印象だ。

注目材料 豪州の感染拡大はピークアウトの印象

オーストラリアの新型コロナウイルスの新規感染者数は10月14日に2688人まで拡大して過去最多となっていたが、その後はやや減少傾向にあり、10月23日に2058人、24日には2175人と2000人台の序盤まで落ち着いていている。ワクチン接種完了者が7割を超えたところから長期のロックダウン解除に入っており、ビクトリア州のメルボルンは22日にロックダウンを解除し、そこから1週間となる10月29日からは一段と規制を緩和する。シドニーのロックダウンも2週間前に解除されており、ウィズ・コロナ政策に舵を切ったことで経済活動の活発化と年後半の景気回復が期待される。

ただし、2回のワクチン接種でもブレイクスルー感染を引き起こすこと、徐々に抗体が低下することから3回目のブースター接種が計画されている。ワクチン担当責任者であるフリューエン中将は10月25日に「2回目の接種から6か月経過したところからブースター接種が受けられるようになると考えている」と述べている。

短期テクニカル分析

豪ドル円の60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。

豪ドル円は10月21日昼高値86.248円をピークとして下落に転じたが、10月18日夜安値から4日半を経過した23日未明安値84.603円で目先の底を付けて戻しに入っていると思われる。高値形成期は21日昼高値を基準として26日の日中から28日昼にかけての間と想定されるので既に反落注意期に入っているため、85円台を維持するうちは上昇余地ありとし、85円割れから続落の場合は下げ再開注意として23日未明安値試しとし、底割れからは新たな下落期入りとして28日未明から11月1日朝にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では23日未明安値からのジリ高推移で遅行スパンが好転、26日午前高値では一時的に先行スパンを上抜いたが突破しきれずに再び潜り込んでいる。遅行スパン好転中は高値試し優先とし、先行スパン突破から続伸に入る場合は上昇が勢い付く可能性があるとみる。ただし遅行スパンが再び悪化するところからは下げ再開を警戒して安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は23日未明への下落で30ポイントまで低下したところから持ち直し、26日午前には60ポイント台へ到達した。50ポイント台を維持するうちは70ポイント超えへの上昇余地ありとし、45ポイント割れからは下げ再開とみて再び30ポイント台を試す流れと考える。

10月26日の売買戦略

中勢の上昇基調は継続とし、既に23日未明安値を起点として高値更新を試す流れに乗ってきた可能性があるが、もう一段安を消化してからの上昇再開となる可能性も残るところ。

このため、85円以上での推移中は86円試しへ向かうとみるが、86円前後ではいったん売られやすいと注意する。

85円割れからは23日未明安値試しとし、底割れからは84円台序盤(84.30円から84.00円)への一段安を想定する。84円台序盤は中勢レベルでは押し目買いされやすい水準とみる。

10月26日の主な予定

  • 米国
  • 米下院金融委小委員会、中国企業の米上場に関する公聴会
  • 22:00 8月 米連邦住宅金融局(FHFA)住宅価格指数 前月比 (7月 1.4%、予想 1.5%)
  • 22:00 8月 ケース・シラー米住宅価格指数 前年同月比 (7月 20.0%、予想 20.0%)
  • 23:00 9月 新築住宅販売件数・年率換算件数 (8月 74.0万件、予想 76.0万件)
  • 23:00 9月 新築住宅販売件数 前月比 (8月 1.5%、予想 2.3%)
  • 23:00 10月 コンファレンス・ボード消費者信頼感指数 (9月 109.3、予想 108.3)
  • 23:00 10月 リッチモンド連銀製造業指数 (9月 -3、予想 5)