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おはようございます。大塚亮です。
2021年12月17日の相場分析です。
目次
概況
ポンド円の12月16日終値は151.470円、前日比0.226円高と上昇した。取引レンジは152.634円から151.092円。
12月16日早朝の米FOMC声明発表直後にドル全面高となったものの早々にドル安へと流れが変わったことでポンドドルがいったん急落したところから急反騰となり、ドル円は当初のドル高局面で114円台序盤へ一段高した後もクロス円全般の上昇を見て114円台にとどまっていた。
12月16日夜には英中銀の金融政策委員会があり、市場の事前予想では現状維持とみられていたが予想外に利上げが決定されたことでサプライズ反応となってポンドドルが一段高、一方でドル円は113.50円台へ急落したためにポンド円は152円台半ばまで急伸したところから151円台序盤まで反落したため、日足は前日比で若干のプラスで陽線引けだったもの大半を上ヒゲとした。
英中銀が予想外に利上げを決定
英中銀は12月16日のMPC(金融政策員会)で政策金利を従来の0.10%から0.25%へ引き上げた。利上げは3年4か月振りとなる。
物価上昇と景気回復を踏まえて10月時点では11月と12月の2会合連続での利上げも予想されていたのだが、欧州での感染再拡大等を踏まえて11月会合では利上げが見送られ、委員9名のうち利上げ支持が2名で現状維持が7名という結果だった。12月会合でも現状維持が予想されていたのだが、今回は委員9名のうち8名が利上げ支持に回った。16日早朝の米FOMCが来年3月に量的緩和拡大策を終了して年3回の利上げ想定を示した事を踏まえて英中銀もインフレ対策を主眼として利上げに踏み切ったのだろうと思われる。英国の消費者物価上昇率は11月に前年比5.1%となり凡そ10年ぶりの高水準となっている。ただ、量的緩和政策での資産買い入れ枠については8950億ポンドで据え置いた。
英中銀は「オミクロン株がインフレ圧力に与える中期的な影響は現時点では不明」として来年2の次回会合で議論するとした、また「2%の物価目標を持続的に達成するためには緩やかな引き締めが必要になるかもしれない」との認識を示して追加利上げの可能性も示唆した。次回会合は来年2月3日。
テクニカルポイント、150円割れからの切り返しを継続できるかどうか
ポンド円は今年3月に150円を超えて以降、150円を割り込んだところを買い戻されて150円弱から148円台中盤までのゾーンが岩盤的な下値支持帯となってきたが、今回も12月3日に148.983円まで下げたところを底として反騰入りしている。
150円割れからの切り返しとしては7月20日安値からの反騰時には7月29日高値153.434円、8月20日安値からの反騰時は9月14日の152.845円にとどまって再び150円割れへ失速している。153円台までの上昇で行き詰まるようならそれらと同様のリバウンドを入れたものの本格的な上昇期に入れないケースと考えられる。
154円台へ進むようだと、比較対象は9月21日安値148.947円から10月20日高値158.219円まで大幅上昇したところとなり、10月20日高値に迫る可能性も出てくると思われる。
まだFOMCや英中銀等の主要中銀の金融政策発表からかなり乱調な展開で推移している状況のため、週明けの流れでポンド高基調が継続できるのかどうか見定める必要があると思われる。
短期テクニカル
ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちと反落を繰り返すリズムがある。
12月4日早朝安値以降は12月8日夜、9日夜、10日深夜、14日昼と安値を切り上げ、12月14日昼安値を起点として一段高へ走ってきたが、16日夜高値から1円を超える反落となっているので、現状は16日夜高値を起点とした下落期入りと思われる。安値形成期は17日の日中から21日昼にかけての間と想定されるので、152円台回復へ進めないうちはもう一段安余地ありとするが、152円台回復からは新たな上昇期入りとみて21日夜から23日夜にかけての間への上昇を想定する。
60分足の一目均衡表では12月16日夜高値からの反落で遅行スパンが悪化しやすい位置に来ているが先行スパンを上回った状況は維持されている。
先行スパンを上回るうちは遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところからは上昇再開とするが、先行スパン転落からは下げ足が速まるとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は12月16日夜の急伸時に80ポイントに迫ったところから50ポイント割れへ反落した。その後は50ポイント台を回復しているので60ポイント超えからは上昇再開とするが、45ポイント割れからは下げ再開とみて30ポイント割れを目指すとみる。
12月17日の売買戦略
12月4日早朝安値からは底上げ基調を維持しているので、中勢としてはまだこの流れは続きやすいとみる。
16日夜の急騰から揺れ返しの反落となったが、151円台は維持しているので152円超えから一段高へ進む可能性もあるものの、乱高下気味の推移で週末ということもあるので目先は152円から16日夜高値152.634円にかけてのゾーンでは戻り売りにつかまりやすいとみる。151円割れからは150円台中盤(150.70円から150.30円)を試すとみるがそこは中勢の上昇基調の継続感から押し目買いされやすいところとみる。
12月17日の主な予定
- 日銀金融政策決定会合、政策金利 (現行 -0.10%、予想 -0.10%)
- 英国
ー16:00 11月 小売売上高 前月比 (10月 0.8%、予想 0.8%)
ー16:00 11月 小売売上高 前年同月比 (10月 -1.3%、予想 4.2%)
ー16:00 11月 小売売上高・除自動車 前月比 (10月 1.6%、0.8%)
ー16:00 11月 小売売上高・除自動車 前年同月比 (10月 -1.9%、予想 2.4%)
- ユーロ圏
ー16:00 11月 独生産者物価指数 前月比 (10月 3.8%、予想 1.4%)
ー18:00 12月 独IFO企業景況感 (11月 96.5、予想 95.3)
ー19:00 10月 ユーロ圏建設支出 前月比 (9月 0.9%)
ー19:00 10月 ユーロ圏建設支出 前年同月比 (9月 1.5%)
ー19:00 11月 ユーロ圏消費者物価指数改定値 前年同月比 (速報 4.9%、予想 4.9%)
ー19:00 11月 ユーロ圏消費者物価コア指数改定値 前年同月比 (速報 2.6%、予想 2.6%)