豪ドル円見通し 10月21日以降の安値を3日連続で更新中

豪ドル円見通し 10月21日以降の安値を3日連続で更新中

おはようございます。大塚亮です。

2021年12月3日の相場分析です。

概況

豪ドル円の12月2日終値は80.272円、前日比0.133円高と小幅上昇した。取引レンジは80.554円から79.915円。

前日比では若干のプラスとなり日足は7日ぶりに陽線引けしたものの、安値では79.915円を付けて10月1日安値79.902円以来の79円台まで下げた。

オミクロン株感染拡大による先行き不透明感からドル円では円高基調、豪ドル米ドルも下落基調を継続しており、11月26日に感染力の強いオミクロン株の脅威が報じられたところで当日高値82.996円から安値80.472円まで2.5円強の下げ幅となる日足大陰線で下落したが、11月24日から12月1日まで6日連続の陰線で下落しており、12月2日は80円割れをひとまず買い戻されたものの勢いには鈍く、3日午前も再び安値更新を伺う位置取りとなっている。

注目情勢 中勢はドル高と円高が同時進行

豪ドル円は10月21日高値86.248円を天井とした下落が続いている。

NZドル円も10月21日高値からの下落中であり、いずれもまだ8月20日安値及び9月22日安値割れには至っていないが、余裕も徐々に乏しくなっており、昨年3月底以降では最大級の下落規模となっている。

ユーロ円も10月20日高値を天井とした下落継続中であり、オミクロン騒動からユーロドルが戻しているために11月29日以降は新たな安値更新を回避しているものの安値更新への余裕は乏しく11月29日安値時点で8月19日と9月22日の両安値を割り込んで6月1日天井以降の安値を更新しており、128円割れを切り返してきたパターンが崩れ始めている。

またポンド円も10月20日高値からの下落継続中であり150円割れを切り返してきた7月以降の下値支持帯から転落しつつある。

総じてクロス円は10月20日前後の高値から下落基調を継続しており今週で7週目となっている。ドル円が10月20日高値を超えて11月24日高値へといったん一段高した局面ではドル全面高により豪ドル、NZドル、ユーロ、ポンド等が揃って下落していたためにドル円の上昇分が生かせず、11月26日のオミクロン・ショックからはドル円が下落に転じ、ドルストレートでもユーロドルが戻した以外は概ねドル高に圧迫されて下落しているため、クロス円全般の下げ足も早まってきている状況にある。

オミクロン株による感染拡大と景気回復頓挫懸念が解消せずに深刻化する場合、加えて米連銀がテーパリング終了を急いでインフレ対策に軸足を乗せてきていることを踏まえれば、リスク回避的な円高に加えてドルストレートでのドル高も継続し、クロス円全般の下落基調もさらに続きやすくなるのではないかと思われる。

ユーロ圏投資家によるユーロクロスの買い戻しが一巡して欧州での感染拡大がより深刻化すればユーロドルも下落に転じ、ドル高感がさらに強まる可能性も考えられるところだ。現状の豪ドル円もそうした状況に置かれているため、下値目途についても高を括れない状況と考えておきたい。

テクニカルポイント 12月1日夕高値を起点として一段安入り

11月26日にオミクロン株登場報道から急落した後は、11月27日朝安値80.479円、12月1日未明安値80.117円と安値を切り下げる一方で戻り高値は11月30日の81.404円から12月1日夕の81.470円へと切り上がり、その時点では高値切り上げと安値切り下げが並走するレンジ拡張型の持ち合いの様相となっていた。

しかし、12月2日朝に80.037円まで下げて安値を切り下げたところからは切り返しに入れずにレンジ拡張型持ち合いの中心値に届かずに2日夜には安値をさらに更新、3日午前も軟調推移という状況のため、レンジ拡張型持ち合いでの高値試しへ向かえずに安値切り下がりラインを割り込んで下放れへ進みやすい状況に入ってきている印象だ。

切り返しのリズムが効かずに安値更新が続くと市場心理も折れて12月1日夕高値への戻り幅の倍返しで78.76円前後、さらに8月20日安値77.896円試しへ向かう可能性も出てくるところと注意したい。

短期テクニカル分析

豪ドル円の60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。

レンジ拡張型の持ち合いで騰落していたが、12月1日夕高値からの下落基調が続いているため、現状は12月1日夕高値を起点とした下落期と思われる。

12月1日未明安値を基準として次の安値形成期は4日未明から8日未明にかけての間と想定されるので、今晩の米雇用統計等をきっかけに81円台回復へ反騰するような展開へ進めないうちは3日夜、週明けへと安値試しを続けやすいとみる。

60分足の一目均衡表では12月1日夜の下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落したが、その後も先行スパンからの転落状態が続いているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とし、先行スパンを上抜けないうちは遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところからは下げ再開とみる。

強気転換は先行スパン突破からとし、その際は遅行スパン好転中の高値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は12月2日早朝に30ポイント割れへ低下したところから戻したものの50ポイントに届かずにいる。

上昇再開には55ポイントを超えてその後も50ポイント以上での推移を続ける必要があり、50ポイントを超えないか一時的に超えても維持できないうちは一段安警戒とし、35ポイント割れからは下げ再開とみて20ポイント台前半への低下を想定する。

12月3日の売買戦略

11月26日のオミクロン・ショック発生によるリスク回避的な下落基調が継続しているので戻り売り有利の情勢とみる。

80.40円台から80.70円前後にかけてのゾーンは戻り売りにつかまりやすいとみる。80.40円以下での推移中は下向きとし、安値更新からは79円台中盤(79.70円から79.30円)を目指す流れとみる。

米雇用統計から乱調な展開になる可能性もあるため、80.70円超えからは12月2日夕高値81.470円試しとし、逆に下げ足が速まる場合には79円台序盤(79.25円から79.00円)へ下値目途を引き下げる。

12月3日の主な予定

  • ユーロ圏
    ー17:30 ラガルド欧州中銀総裁、講演
    ー17:55 11月 ドイツ・サービス業PMI改定値 (速報 53.4、予想 53.4)
    ー18:00 11月 ユーロ圏サービス業PMI改定値 (速報 56.6、予想 56.6)
    ー19:00 10月 ユーロ圏小売売上高 前月比 (9月 -0.3%、予想 0.2%)
    ー19:00 10月 ユーロ圏小売売上高 前年同月比 (9月 2.5%、予想 1.2%)
  • 英国
    ー18:30 11月 サービス業PMI・改定値 (速報 58.6、予想 58.6)
    米国
    ー22:30 11月 非農業部門就業者数 前月比 (10月 53.1万人、予想 55.0万人)
    ー22:30 11月 失業率 (10月 4.6%、予想 4.5%)
    ー22:30 11月 平均時給 前月比 (10月 0.4%、予想 0.4%)
    ー22:30 11月 平均時給 前年同月比 (10月 4.9%、予想 5.0%)
    ー23:15 ブラード・セントルイス連銀総裁、講演
    ー23:45 11月 サービス業PMI改定値 (速報 57.0)
    ー24:00 11月 ISM非製造業景況指数 (10月 66.7、予想 65.0)
    ー24:00 10月 製造業新規受注 前月比 (9月 0.2%、予想 0.5%)
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