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こんにちは。YEN蔵です。
今週の為替相場振り返りです。
目次
今週(4月12日)の振り返り
2日に発表された3月の米雇用統計は予想を上回る強いものでした。今週も多くの米経済指標が発表されましたが、予想を上回り強い米景気が確認されました。
15日にいくつかの米経済指標が発表されましたのでおさらいしてみましょう。まずは毎週木曜日に発表される新規失業保険申請件数です。57.6万件となり前週の76.9万件から19.3万件も申請者が減少しました。この数字はコロナショック以降の2020年3月以降で最低の数字で失業保険の申請者がこれだけ減少するのは米国の雇用環境がかなり改善してきたためで、前回の雇用統計の状況が継続している可能性があります。
3月の小売売上高は前月比で9.8%と2月の-2.7%から改善し、昨年5月以来の大きな伸びとなりました。スポーツ用品や娯楽などが23.5%と大きく伸び、コロナワクチンの接種拡大で経済活動が徐々に回復してきたことや、追加経済対策の現金給付が国民の消費を支えた可能性があります。
ニューヨーク連銀製造業景気指数は26.3,フィラデルフィア連銀製造業景気指数は50.2とそれぞれ景況感も強い数字が出ました。
米国のワクチン接種率(少なくとも1回)は14日時点で37.05%に達しており、イスラエルの61.67%、英国の47.62%に次いで世界では高い接種率です。
高い接種率と経済対策金融緩和の3点セットが米国経済をサポートしています。
このように米国の経済は非常に強い状況です。ワクチンの接種率は高いのですがまだ50%以下です。これでワクチン接種がさらに進み、経済活動が広範囲に再開されれば経済がさらに加速する可能性もあります。
それではそれを期待してドル高、株高、金利上昇になりそうなものですが、そうならないところが今回のマーケットの不思議なところです。
米国株は経済の回復を期待して、また好調な企業業績を受けてしっかり史上最高値まで上昇しています。この動きは教科書通りというか誰でも理解できる動きだと思います。
一方で不思議なのは米長期金利の動きです。金利は景気が良くなればお金を借りたい人が増えますから上昇します。また景気が良くなれば物価は上昇しますからこれも金利が上昇する原因です。
しかし15日の米国市場で長期金利は急低下しました。代表的な長期金利である米10年国債の利回りは1.64%から1.53%と1日の動きとしてはかなり大きな低下となりました。それではなんで好景気なのに長期金利が上昇したのでしょうか?
おそらく日本勢をはじめ世界の投資家がこのレベルの国債なら購入してもよいと米国債の購入意欲が高かったのかもしれません。あるいはパウエルFRB議長をはじめ多くのFRB高官がたとえ景気がかなり良くなってインフレ率が2%を超えても、しばらくは現状の金融緩和を続けるとたびたび言及していることも市場に安心感を与えているのかもしれません。
いずれにしても米国の長期金利は上昇が一服して3月初めのレベルまで低下してきています。
ドル円に注目
先週も書きましたが、今週もドル円に注目しています。
先週のドル円の戦略をおさらいしてみましょう。3月31日に110.97の高値に上昇後の下落が続いています。先週は110円を割れて109円付近まで下落していました。今週は109.75付近が高値になり110円を超えることができませんでした。そして109円台中盤でもみ合っていましたが、14日に109円を割れて下落が加速し16日に109.61の安値まで下落しました。
米長期金利の低下を受けてドルは下落しています。ドルの強さを表すドルインデックスは3月31日の高値93.437から下落が続いており15日に91.493の安値まで下落しています。この動きはドル円と同じ動きになっています。
ドルインデックスは91.70付近に75日移動平均線が位置し、このレベルまで下落しています。サポートレベルとしては91.30付近が上昇前の安値で最近のレンジ89.209~93.437の50%戻し付近になっています。
ドル円も108.30~40付近が上昇前の安値になっており短期的なサポートになりそうです。ここを下抜けすると最近のレンジ102.60~110.96の38.2%戻しの107.80付近がターゲットになります。
一方で109.10付近に25日移動平均線が位置し、また109.60付近に一目均衡表の転換線と基準線が位置しています。短期的には109.10超え、あるいは109.60超えでドル円の下落は終了と思われます。
チャートはドル円とドルインデックスの日足です。一目均衡表、25日EMA(指数平滑移動平均線)75日EMA、RSI、MACD、スローストキャスティックス、DMIを組み合わせています。