MACDとは?FXでのチャートの見方やMT4への設定方法について

MACD

MACDはFX初心者からプロトレーダーまで、多くのトレーダーが使用している人気のオシレーター系インジケーターです。

その起源は1980年頃、アメリカの機関投資家「ジェラルド・アペル氏」によって生み出されました。

この記事では、そんなMACDの詳しい仕組みや設定方法、使い方までFX初心者にもわかりやすく解説していきます。

MACDとは

MACDとは

MACDの正式名称は「Moving Average Convergence Divergence」の略で、頭文字を取ってMACD(マックディー)と読みます。

日本語にすると「移動平均収束拡散」と訳されることから、移動平均線を用いられることがわかりますね。

MACDの仕組みは非常にシンプルで、2本の移動平均線を用いて算出されたデータをチャートに表示して、売買の判断を図っていきます。

ただ移動平均線といっても、一定期間の値動きの平均から算出される単純移動平均線(SMA)ではなく、一定期間の中でも直近の値動きの比重が大きくなっている指数平滑移動平均線(EMA)をMACDでは採用しています。

詳しい計算式については後ほど解説しますが、「SMAではなくEMAを採用している」ことが重要。

EMAはSMAに比べて、直近の値動きの影響を受けるという特徴がありますよね。

直近の値動きの影響を受けやすいということは、つまりトレンドの発生や終わりをいち早く見つけられるということ。

他のインジケーターと比べても、MACDほど高精度で素早くトレンドの転換を見極められるインジケーターは、そう多くありません。

このことから、テクニカル分析でトレードをしている人、トレンドの始まりから終わりまでをごっそり利益にしたい人など、幅広いトレーダーから人気なんですね。

MACDの各ラインの名称と仕組み

MACDの各ラインの名称と仕組み

そんなMACDは、2つのラインで構成されています。

ヒストグラム(MACDライン)

MACDを象徴する、連続して伸びている棒グラフ。

これはヒストグラム(別名:MACDライン)と呼ばれるもので、MACDで使われている2つの期間が異なるEMAの差分を表したものです。

ヒストグラム(MACDライン)

この棒グラフが伸びている時は2つのEMAの間が広がり、縮まっている時は2つのEMAの間が狭くなっているのですが、この収縮と拡大からトレンドの強弱を判断することができます。

ヒストグラムを形成する2つのEMA

例えば、棒グラフが伸びている時は強いトレンドが発生している、縮んでいる時はトレンドが弱い(もしくは、レートがもみ合っているレンジ相場)と一目瞭然ですね。

また、真ん中のゼロラインよりも上に伸びている時は上昇トレンド、下に伸びている時は下落トレンドが発生していると見ることもできます。

MACDのゼロライン

シグナルライン

ヒストグラムの中に伸びている1本の赤い点線、これがシグナルラインと呼ばれるものです。

MACDのシグナルライン

一見するとただの移動平均線のように見えますが、このシグナルラインはヒストグラムの計算式で使われている2つのEMAから算出されたSMAなんです。

シグナルラインとヒストグラムを組み合わせて使うことで、MACD単体でも高精度のテクニカル分析ツールとして活躍するでしょう。

多くのトレーダーが愛用しているのも、うなずけますね。

MACDの計算式

MACDの計算式

ここからは、MACDがどのようなデータを算出しているのか、実際に計算式を用いて解説していきます。

まずはMACDを構成しているEMAの計算式から見ていきましょう。

EMAの計算式

EMA = 前日EMA+α×(当日終値-前日EMA)

※α =2÷n+1(この計算式が平滑化定数と呼ばれるものです)
※nは移動平均線の期間の数値。(5EMAなら5、100EMAなら100)

(例)期間:10 前日EMA:100 当日終値:150の場合

α =2÷10+1=2÷11=1.2
(当日終値-前日EMA)=150-100=50
前日EMA+α×(当日終値-前日EMA)=100+1.2×50=100+60=160

よってEMAはレート160に表示されます。

次にMACDのヒストグラムとシグナルラインの計算式です。

ヒストグラム(MACDライン)の計算式

FastEMA-SlowEMA

※デフォルトの設定では、FastEMAが12、SlowEMAが16と設定されています

シグナルラインの計算式

ヒストグラムの値を用いたSignalSMA

※デフォルトの設定では、SignalSMAは9と設定されています
※SMAの計算式はn日間の終値の平均が用いられています

これらの計算式からわかるように、実はMACD自体の計算式は非常にシンプル。

ヒストグラムは短い期間で設定しているFastEMAから、長い期間で設定しているSlowEMAを引いた差分。

シグナルラインはヒストグラムで算出された2本のEMAの差分を平均化したもの。

たったこれだけなのに、多くのトレーダーが使っているなんて驚きですよね。

MACDの計算式のように、FXで稼ぐということはシンプルともいえるんです。

MACDの見方

MACDの見方

続いてMACDの見方について解説していきます。

これほどシンプルなMACDですが、実は使い方が6種類とかなり豊富。

あなたが目指す理想のトレードにぴったりな使い方も、きっと見つかることでしょう。

買いシグナル(ゴールデンクロス)

まず紹介するのは、移動平均線でもお馴染みの買いシグナルこと「ゴールデンクロス」です。

移動平均線では2つの移動平均線を用いて、長期の移動平均線を短期の移動平均線が下から上に抜けたらゴールデンクロスを判断していましたが、MACDの場合はヒストグラムとシグナルラインを用いて判断します。

買いシグナル(ゴールデンクロス)

このようにヒストグラムが下に伸びている時に、シグナルラインを下から上に抜けたタイミングがゴールデンクロスとなります。

売りシグナル(デッドクロス)

ゴールデンクロスがあるということは、当然、対になる売りシグナルの「デッドクロス」も存在します。

売りシグナル(デッドクロス)

こちらはゴールデンクロスとは真逆、ヒストグラムが上に伸びている時に、シグナルラインを上から下に抜けたタイミングがデッドクロスとなります。

ここまで解説を聞いていると、「EMAではなくMACDを使うメリットがないじゃん!」と感じる方もいらっしゃるでしょう。

もちろん、MACDを選ぶメリットがあります。

そのメリットがすぐに分かるよう、MACDとEMAを同じ画面に表示して比較してみましょう。

MACDとEMAの比較

いかがでしょうか。

EMAとMACDを比べると、MACDの方が明らかに転換サインが早く出ていますよね。

これがMACDを使う最大のメリットです。

FXで大きく稼ぐには、いち早くトレンドに乗ることが第一。

MACDを使う、使わないとでは、トレンドに乗るタイミング、得られる利益が段違いで変わってくるでしょう。

ヒストグラム

2本のEMAの差分を表しているヒストグラム単体だけでも、有効な売買判断のシグナルとして活用できます。

まず1つ目はゼロラインを使ったトレンドの判断です。

ゼロラインを使ったトレンドの判断

このようにゼロラインよりも上にあれば上昇が強いので買いで攻める、下にあれば下落が強いので売りで攻めるといった判断ができますね。

2つ目はヒストグラムの収縮と拡散を使ったブレイクアウト手法です。

ヒストグラムの収縮と拡散を使ったブレイクアウト手法

イメージとしてはボリンジャーバンドの使い方に近いですね。

ヒストグラムが収縮してゼロライン付近を小刻みに上下している間は、相場がもみ合っているレンジ相場なのでトレードを避けて、レート(価格)とヒストグラムが一気に伸びるトレンドの初動を捉えることで高勝率のトレードが実現するでしょう。

ダイバージェンス

ダイバージェンスとは、レートとオシレーター系のインジケーターの値が逆行する現象で、トレンドを継続する力が弱まっているサインとして有名です。

例えばこの相場、レートは高値を更新して上昇しているのに、MACDのヒストグラムは高値が下落していますよね。

ダイバージェンス

このダイバージェンスが発見されると大きな下落が起きる可能性が高いとして、多くのトレーダーが注目しているポイントです。

さらにMACDはEMAを元に作られた、トレンドの転換をいち早く捉えられるインジケーターなので、MACDを使ったダイバージェンスは最速でトレンド転換を捉える方法と言っても、過言ではないでしょう。

ダイバージェンスの詳しい使い方については、ぜひこちらの記事を参照ください。

ヒドゥンダイバージェンス ヒドゥンダイバージェンスとは?最強のトレンド読み方をチャートで解説

MACDの設定方法

MACDの設定方法

それでは、いよいよMACDのチャートへの設定方法を解説していきます。

今回はメジャーなプラットフォーム、TradingviewとMT4それぞれに設定する方法をご紹介しますね。

Tradingviewへの設定方法

まずTradingviewを知らない方のために、カンタンに解説します。

Tradingviewは、アメリカのトレーディングビュー株式会社が作った次世代の総合金融プラットフォームです。

最大の特徴は3つ。

・クラウド型なのでパソコンやスマホなどの端末を選ばず、ブラウザでチャートの分析ができる
・FXだけに限らず、株式、仮想通貨などのトレードにも活用できる
・チャートの分析をSNS機能で世界中の人とシェアできる

これらの機能が大人気で、今MT4に迫る勢いで世界中のトレーダーが使い始めているプラットフォームなんですね。

基本的な使用は登録不要ですし、国内の証券会社「オアンダ ジャパン」「サクソバンク証券」であれば口座を紐付けることができるので、TradingViewのチャート上でトレードも可能になります。

そんなTradingViewで、MACDを早速表示させてみましょう。

TradingViewでMACDを表示

TradingViewのチャート画面を開いて、左上の「インジケーター」をクリック。

検索画面からMACDと検索して、検索結果にでてきたこちらのMACDをクリックするとチャートに反映されます。

TradingViewのMACD

ここでびっくりした人もいるかと思いますが、これまで解説してきた画面とは違い、ラインが増えていますよね。

ここでTradingViewとMT4でそれぞれ対応しているものを、表にしてみました。

TradingView MT4
MACD(青線) シグナルライン(赤線)
シグナル(オレンジ線) ヒストグラム(棒線)
ヒストグラム(棒グラフ) 対応なし

TradingViewでヒストグラムとして表示されている棒グラフは、売買の強弱を表しているものです。

この棒グラフが伸びている時はトレンドの力が強い、縮こまっている時はトレンドの力が弱いと判断しましょう。

続いて細かなパラメーター調整の方法を解説します。

MACDを選択して右クリック、「設定」をクリックしましょう。

MACDのパラメーターを調整

その後パラメーターの欄からは、MACDを構成する各ラインの数値の調整、スタイルの欄からは各ラインとヒストグラムの表示、配色の変更ができます。

MACDのパラメーターを調整

これまでの解説と同じ画面にしたい場合は、「スタイル」から「ヒストグラム」のチェックボックスを外すことで、MACDとシグナルのみの表示にできます。

TradingViewでMACDのヒストグラムを消す方法

MT4への設定方法

続いてMT4の設定方法をご紹介します。

まずは、左上のフォルダと星マークをクリックしてナビゲーターを表示、オシレーター系のタブに内蔵されているMACDをクリックしましょう。

MACDパラメーターや配色を調整が完了したら、OKを押すとチャートに反映されます。
(基本的にパラメーターの調整は不要です。)

MT4でMACDを設定方法

使用中にパラメーターや配色を変更したくなったら、MACDにカーソルを合わせて右クリック。

一番上の「MACDプロパティ…」をクリックすると、MACDを表示させる前と同じ画面が出現するので、パラメーターや配色の変更が可能です。

MACDのパラメーターの調整方法

MACDを使用する場合の注意点

MACDを使用する場合の注意点

ここまでMACDのメリットや使い方について解説してきました。

トレンドを早く捉えられる、多くのトレーダーが使っているなどのメリットがありますが、当然デメリットも存在します。

ここからはMACDを使う上での注意点と、対策方法について解説していきます。

注意点1:ダマシに遭いやすい

まず1つ目はダマシに遭いやすいということです。

これまでも解説してきたように、MACDはトレンドの初動を素早く捉えることを得意としていますが、反応が早い影響でダマシに遭いやすいというデメリットがあります。

例えば、こういう相場でトレンドが転換したかなと思ってエントリーしたら、トレンドが継続したということがあります。

MACDでダマシにあったら

このようなダマシを回避するために、MACDやレートの「角度」を意識してみましょう。

例えば、こういう緩やかな角度の場合、反転する力も弱いのですぐに戻されてしまう可能性があります。

MACDでダマシにあいやすいポイント

しかし、これぐらい角度がついている相場であれば押し戻されることなく、相場の反転を利益に出来るでしょう。

MACDでダマシを回避する方法

注意点2:レンジ相場に弱い

続いて2つ目はレンジ相場に弱いということです。

買いと売りの均衡を判断するオシレーター系のインジケーターに分類されるMACDにとって、レンジ相場は、まさに宿敵。

レートがもみ合う影響で、ダマシに遭う確率も非常に高いです。

そこでオススメなのが、トレンド系のインジケーターとの組み合わせです。

移動平均線やボリンジャーバンドなど、トレンド系のインジケーターと組み合わせることで、トレンドの方向性を見極めながらトレードできるので、ダマシに遭う確率を格段に引き下げることができます。

MACDでレンジを回避する方法

注意点3:使い方が多くて迷う

そして3つ目が、使い方が多くて迷うという点です。

MACDは前述で列挙したように、ゴールデンクロス、デッドクロス、ゼロラインを使ったトレンドの判断、ヒストグラムを使ったブレイクアウト、ダイバージェンス、と使い方が豊富なので、初心者の方だとどれを使ったらいいのか迷う方も多いかと思います。

一番良い方法としては、全ての分析方法を使って相場を判断することがベストではありますが、初心者がそう簡単にできることではありません。

そこでオススメなのが、複数のインジケーターを組み合わせて、1つのインジケーターにつき、チェックするポイントを1つに絞るということです。

MACDを効果的に使うの方法

色や形、計算式が違うインジケーターを複数組み合わせることで、違った目線から相場を分析できるので、トレードの根拠もより濃いものになりますし、チェックする箇所も限られるので初心者さんでも簡単に使えるようになるでしょう。

オススメはMACDに、移動平均線とボリンジャーバンドなどトレンド系のインジケーターとの組み合わせとなるので、ぜひ試してみてくださいね。

ぜひあなたもMACDを使って、トレンドの始まりから終わりまで、ごっそりと利益に変えていきましょう!