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こんにちは。YEN蔵です。
今週の為替相場予測です。
目次
今週(8月30日週)の振り返り
テーパリングはほぼ決定
注目されていたパウエルFRB議長のジャクソンホールのシンポジウムでの発言はテーパリングの開始をほぼ宣言しましたが、市場はむしろリスクオンの流れとなりました。
パウエルFRB議長の発言の要点は以下の通りとなりました。
- 1、7月のFOMCの時点で資産買い入れ縮小が妥当
- 2、インフレはさらなる著しい進展を満たしている(資産買い入れ縮小の条件を)
- 3、労働市場の見通しはかなり明るい
- 4、インフレは一時的
- 5、雇用に関してはマイノリティーの失業率の高止まりや長期失業率の高止まりを指摘しスラック(緩み)が残っている
- 6、テーパリングの時期とペースは利上げ時期のシグナルではない
このようなものでしたが市場は発言をハト派的ととらえて、その後は株高、ドル安、円安とリスクオンの流れが続いています。
8月に入り多くのFOMCメンバーがタカ派的な発言をしてアドバルーンを上げておいてテーパリングが近づいていることを市場が認識し始めたことで20日前後に株安、円高になりました。むしろそこで一度市場が株安、円高となりあく抜けしたところでパウエル発言があったために、むしろ20日までの流れとは逆の動きになったと思われます。
来週は中銀ウイーク
中央銀行の政策変更はあるのか
本日は米雇用統計の発表があり市場は注目しています。予想は非農業部門雇用者数が75万人、失業率が5.2%となっています。今回はあまり強い数字が出るとテーパリング前倒し期待や金利の上昇などで株価下落、ドル高、円高になる可能性があります。すでにテーパリングは9月のFOMCで概要を発表し、11月に決定して年内開始がコンセンサスになっています。本日の数字がよほど予想から乖離しない限りはこの流れは変わらず、市場のリスクオンの流れは変わらないと思います。
むしろ来週のいくつかの中央銀行の会合に注目しています。7日にRBA、8日にカナダ中銀、9日にECB理事会が開催されます。
ECB理事会に注目
注目されるのはECB理事会です。まずユーロ圏のインフレ率が急上昇しています。8月のユーロ圏の消費者物価指数は3%と10年ぶりの大幅な伸びになりましたが、ECBのターゲットである2%を大きく上回っています。
これを受けてホルツマン・オーストリア中銀総裁は8月31日に、PEEP(パンデミック緊急購入プログラム)の縮小を検討できる状況になっているとして、9日の理事会で第4四半期でのプログラム縮小が健闘されるとの見方を示しました。
PEEPは現状は1兆8500億ユーロの規模の買い入れを行っています。これは2022年3月まで継続することになっています。
1日にラガルトECB総裁は依然としてパンデミックで傷ついた経済を支える必要があると語りましたが、縮小に対する圧力は大きくなってきていると思われます。
来週の理事会での規模縮小を織り込んでユーロは上昇してきています。来週の理事会で買い入れ縮小を決定しても、その規模や期間によってはハト派的とみなされてユーロは下落する可能性もあります。理事会の動きが注目されます。
注目通貨はユーロドル、ユーロ円
ユーロは重要なところまで上昇してきました
チャートはユーロドルとユーロ円の日足です。20日に1.1665まで下落しましたが、その後は連騰が続き1.1885付近まで上昇しています。1.1850に一目均衡表の雲の下限、1.1855に250日移動平均線、1.1865に75日移動平均が位置し、そのレベルをやや上抜けしています。また7月30日の戻り高値1.1910付近も視野に入ってきました。1.1850~1.1900のゾーンを完全に上抜けできるか、再び高値圏になるのか重要なレベルに来ています。ここが上抜けできないと1.17~1.19のレンジ、上抜けすれば節目の1.2付近への上昇を予想します。
ユーロ円は19日に127.95円まで下落後に130.75円まで上昇しています。節目の130円付近には一目均衡表の雲の下限、75日移動平均線が130.20円に位置しこのレベルをサポートできれば一目均衡表の雲の上限が位置する131.40~50円付近への上昇を予想します。ここを上抜けできれば134.10~127.95円のフィボナッチ・リトレースメント61.8%戻しの131.80付近への上昇を予想します。
一方で130円を下抜けするばあいは129円付近への下落を予想します。