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おはようございます。大塚亮です。
2021年10月12日の相場分析です。
目次
概況
豪ドル円の10月11日終値は83.259円、前日比1.227円高と大幅上昇した。取引レンジは83.553円から81.855円。
10月8日の米9月雇用統計発表後から米長期際利回りが一段高へと上昇したことでドル円が急伸、9日早朝に9月30日高値112.07円を超えたが、週明けの11日も大幅続伸で113円台に到達した。一方で豪ドル米ドルも豪10年債利回り上昇を背景に9月30日以降の上昇基調を維持しており、豪ドル円はドル円の急伸と豪ドル米ドルの上昇の両面から押し上げられて前日比で1円を超える日足大陽線で急伸した。
テクニカルポイント 9月3日と9月7日の毛抜き天井を超える
豪ドル円は10月11日に当日の安値から高値まで1.698円高となる日足大陽線での上昇となった。日足の大陽線としては昨年11月9日に当日の安値から高値まで1.975円高の大陽線を付けて以来だが、その時は10月29日を底として今年5月10日高値まで続いた上昇期の序盤で勢いを増したところだった。今回も8月20日安値に対して9月22日への下落で底割れを回避して押し目底形成となり、9月3日と9月7日の両高値で付けた毛抜き天井型の高値を超えて一段高に入ったことでテクニカル的な先高期待を加速させた印象だ。
5月10日高値以降の戻り高値切り下がり型の下降トレンドから脱却しての上昇であり、ドル円の急伸と共に豪ドル米ドルも上昇していること、クロス円全般が大上昇となっていることで市場心理も5月10日高値85.795円をもう一度試し、あるいは超える期待を持ち始めている印象だ。
注目ポイント 豪米の10年債利回りは揃って上昇
豪10年債利回りは10月12日午前序盤に1.77%まで続伸して8月23日以降の高値を更新した。その後は高値警戒感から反落しているものの、米10年債利回りが1.62%台まで上昇している水準を超えており、米長期債利回り上昇によるドル高圧力を解消している。
一方で日本の長期債利回りは低水準にとどまっているためにドル円は米長期債利回り上昇=ドル高円安へとストレートな反応となっている。このため、豪ドル円としては豪ドル米ドルが堅調推移する中でドル円の急伸による押し上げがブースターのような役割となって急騰商状に入ったという印象だ。
注目情勢 オーストラリアのウィズ・コロナ政策、感染拡大継続でどうなる?
オーストラリアでは現在もシドニー、メルボルン、キャンベラの各都市で、新型ウイルスの流行を受けたロックダウンが実施されているが、ワクチン普及に伴いロックダウン解除の動きへ向かっている。
オーストラリア最大の都市シドニーは10月11日にロックダウンを4か月振りに解除した。ワクチン接種済みの人を対象に飲食店やスポーツジムの営業が再開された。州全体としても10月中旬に解除の見込みとしている。
モリソン豪首相は10月1日、新型コロナウイルスのワクチン接種を済ませた国民とその親族に対して11月から国境を開放して自由に入国できるようにすると発表した。10月5日には米製薬大手メルクが開発中の新型コロナウイルス感染症の経口治療薬「モルヌピラビル」を30万回分購入すると発表してこの治療薬がコロナとの共存を可能にすると述べた。
オーストラリアでは7月半ばから急激に感染拡大が発生、第三波となったが、9月11日に新規感染者が2043人となり過去最高を記録してからやや低下していたものの、9月30日には2400人まで一段と増加し、10月5日に2389人、6日に2026人、7日に2217人。8日に2509人、9日に2528人で過去最高を更新、10日に2390人、11日に2313人と2千人台が続いておりピークが見えない状況だ。感染急増の中でワクチン接種率をもってロックダウンを解除してからどうなるのか注目される。
短期テクニカル分析
豪ドル円の60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。
豪ドル円は10月1日夕安値からの上昇基調を続けているが、10月1日午後安値から3日目となる10月6日夜安値を押し目底として一段高してきた。10月6日午前高値を基準として高値形成期は11日午前から13日午前にかけての間と想定されたが、連騰型の急伸に対する反動安も出やすいところにきて10月11日深夜高値の後はやや失速気味のため、11日深夜高値で目先のピークを付けて調整安が入っているところと思われる。10月6日夜安値を基準として安値形成期は11日夜から13日夜にかけての間と想定されるので既に反騰注意期にあるため、11日深夜高値を超える場合は新たな上昇期入りとして14日夜から18日深夜にかけての間への上昇を想定する。
60分足の一目均衡表では10月6日夜からの反騰で遅行スパンが好転、先行スパンを上抜いてその後も両スパン揃っての好転を維持しているが、高値更新が続かなくなると遅行スパンは悪化しやすくなると注意し、遅行スパンが悪化するところからは先行スパン上限を試す流れへ進みやすくなるとみる。ただし、先行スパンからの転落を回避するうちは遅行スパンが悪化した後に好転するところから上昇再開とみる。
60分足の相対力指数は10月11日深夜高値時に80ポイントを超えてかなりの買われ過ぎ警戒となったところから60ポイント前後まで低下している。70ポイント超えからは上昇再開とするが、超えないうちは50ポイント前後への低下を想定する。ただし50ポイント前後は押し目買いされやすい水準を示すとみる。
10月12日の売買戦略
先週末からの急騰一服でやや調整的な動きを取りやすいところとして短期的には利食い優先とみるが、突っ込んだところは買い拾いたいというスタンスで構えたい。急騰商状で変動幅も大きいため、83円割れから続落の場合は82.50円前後試しを想定するが、82.70円から82.50円弱にかけては押し目買いされやすいところとみる。
今日の主な予定
・ドイツ
・18:00 10月 ZEW景況感 (9月 26.5、予想 24.0)
・ユーロ圏
・18:00 10月 ZEW景況感 (9月 31.1)
・22:00 エルデルソンECB理事、講演
・米国
・23:00 8月 雇用動態調査(JOLT)
・25:30 ボスティック・アトランタ連銀総裁、講演
・26:00 財務省3年債、10年債入札