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おはようございます。大塚亮です。
2021年11月16日の相場分析です。
目次
概況
豪ドル円の11月15日終値は83.852円、前日比0.354円高と上昇した。取引レンジは83.922円から83.401円。
10月21日高値86.248円からの下落基調が続いてきたが、11月10日安値で83円をわずかに割り込んだところから下げ渋りに入り、11月12日には前日比0.356円高と上昇、15日も2日連続の日足陽線で続伸となり84円に迫った。
15日はユーロドルが急落してドル高感が強まったことでドル円が急伸、豪ドル米ドルもドル高に圧されたものの確りし、16日午前はドル円の上昇が勢い付いたことで押し上げられて11月10日深夜高値83.952円を超えて84円台へ到達している。
注目材料 豪中銀の11月2日理事会議事要旨
豪中銀(オーストラリア準備銀行、RBA)は11月16日午前に11月2日の中銀理事会議事要旨を公表した。
議事要旨では「賃金の伸びやインフレ率が抑制される見通しを踏まえて2024年まで利上げは必要ない」との姿勢を示した。第3四半期(7-9月)インフレリスクが上向いたとしたが、他の先進国と比べて豪国内のインフレは抑制されているとし、中心的シナリオでは政策金利は2024年まで据え置かれる見通しとした。
豪中銀は11月2日の理事会で政策金利のキャッシュレートを0.1%に据え置き、週40億豪ドル規模の政府債購入を少なくとも2022年2月まで継続するとしたが、2024年4月満期の豪国債の利回りを0.1に誘導する目標は終了するとした。
議事要旨については理事会後の声明文で市場も織り込んでいるので反応は薄く、豪ドル米ドルは11月15日夜高値0.7370ドルから16日朝安値0.7340ドルまで下げていたところから戻しており、11月12日昼安値0.7276ドル以降の反発基調を継続している。
本日11時半にはロウ総裁の講演があるが、前回理事会からの政策スタンスの変更があるのか、物価上昇に対する認識に変化があるのか注目される。
テクニカルポイント 11月10日高値を超えて反騰姿勢
豪ドル円は10月21日高値で86.248円を付けて5月10日高値85.795円を超え昨年3月のコロナショック暴落以降の意高値を更新したが、その後は大幅な調整安に入り、11月10日午後安値では82.999円を付けて83円をわずかに割り込んだ。11月10日深夜に83.952円までいったん戻してから失速していたが、11月12日午前安値83.098円では83円割れを回避して底固さを見せ、12日夜から15日夜へと戻り高値を切り上げてきていた。
11月10日夜の米消費者物価上昇率の上ブレから米長期債利回りが急反騰したことをきっかけにドル高感が強まっているが、豪ドル米ドルは11月12日昼安値から確りし、ドル円が15日夜に反騰入りしたことで豪ドル円は11月10日安値と11月12日午前安値を60分足レベルのダブル底として持ち直しに入った。
11月16日午前に11月10日深夜高値を超えたことでダブル底が完成し、かつ、10月21日から続いてきた戻り高値を切り下げて一段安する下落パターンから、底上げをして戻り高値を切り上げる強気パターンへと転じ始めた印象だ。
ドル全面高が強まる場合は豪ドル米ドルの反落に圧される可能性があるが、今のところは円安による押し上げ効果により10月21日からの下落基調を抜け出してゆく可能性も出てきたところと思われる。
短期テクニカル分析
豪ドル円の60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。
11月15日午前時点では11月10日午後安値と12日朝安値をダブル底として持ち直しているところとし、15日夜から17日深夜にかけての間への上昇余地ありとした。16日午前に10日深夜高値を超えてきているので引き続き高値試し中とみるが、11月10日深夜高値から3日を経過しているので反落注意期に入っているとみて83.75円割れを弱気転換注意、83.50円割れからは下落期入りとして17日午前から19日午前にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では13日早朝に先行スパンを上抜いたが、その後も遅行スパンの好転と先行スパンを上抜いた状況を維持しているので遅行スパン好転中の高値試し優先とする。先行スパンを上回るうちは遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところから上昇再開とする。弱気転換は先行スパンから転落するところからとし、その際は遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は15日夜から16日午前への一段高に際して指数のピークが切り上がっており弱気逆行は見られないので上昇余地ありとするが、75ポイントを超えてきているので高値警戒圏に来ていると注意する。65ポイント割れを弱気転換注意とし、55ポイント割れからは下げに入るとみて30ポイント前後を目指す下落を想定する。
11月16日の売買戦略
10月後半からの下落基調を抜け出してきた可能性もあるとみて、押し目買い有利の流れに入っている可能性があるところとみる。
83.75円以上での推移中は上向きとし、84.30円から84.50円にかけてのゾーンを試すとみる。84.50円以上は反落警戒とするが、83.75円を上回っての推移なら17日も戻り高値を切り上げる可能性があるとみる。
83.75円割れからは83.50円前後への下落を想定するが、83.50円前後は押し目買いされやすいところとみる。
11月16日の主な予定
- 豪州
- 09:30 豪中銀、金融政策会合議事要旨(済)
- 11:30 ロウ豪中銀総裁、講演
- 英国
- 16:00 10月 失業保険申請件数 前月比 (9月 -5.11万件)
- 16:00 10月 失業率 (9月 5.2%)
- 16:00 9月 失業率・ILO方式 (8月 4.5%、予想 4.4%)
- ユーロ圏
- 19:00 7-9月期 GDP改定値 前期比 (速報 2.2%、予想 2.2%)
- 19:00 7-9月期 GDP改定値 前年同期比 (速報 3.7%、予想 3.7%)
- 25:10 ラガルドECB総裁、発言
- 米国
- 22:30 10月 小売売上高 前月比 (9月 0.7%、予想 1.2%)
- 22:30 10月 小売売上高・除自動車 前月比 (9月 0.8%、予想 1.0%)
- 22:30 10月 輸入物価指数 前月比 (9月 0.4%、予想 1.0%)
- 22:30 10月 輸出物価指数 前月比 (9月 0.1%、予想 1.0%)
- 23:15 10月 鉱工業生産 前月比 (9月 -1.3%、予想 0.7%)
- 23:15 10月 設備稼働率 (9月 75.2%、予想 75.8%)
- 24:00 9月 企業在庫 前月比 (8月 0.6%、予想 0.6%)
- 24:00 11月 NAHB住宅市場指数 (10月 80、予想 80)