ポンド円見通し 英国の感染急増でもポンド高続き3連騰

ポンド円

おはようございます。大塚亮です。

2021年12月24日の相場分析です。

概況

ポンド円の12月23日終値は153.472円、前日比1.088円高と大幅続伸した。取引レンジは153.708円から152.133円。
12月21日の前日比1.323円高、22日に0.995円高と大幅続伸、23日も1円を超える急伸で3連騰=赤三兵での上昇となり153円台後半へ高値を伸ばしてきた。
英国での新型コロナウイルス新規感染者数が過去最多を更新しているものの景気後退には陥らないとして米国株高に追従して英国株高も継続、リスク選好でドルストレートではドル安継続、クロス円も全面高となり、ポンド円はポンド高と円安の両面から押し上げられている。

テクニカルポイント 12月3日からの上昇二段目入りを試す

ポンド円は10月20日高値158.219円から12月3日安値148.983円までの大幅下落に対する半値戻しが153.601円だったが、23日の上昇でこれをクリアした。
今年4月以降、150円割れを何度も買い戻され、今回もそのパターンを継続して反騰入りしているのだが、切り返しとしては7月20日安値148.458円から7月29日高値153.434円まで戻した時よりも勢いがあり、9月21日安値を起点として10月1日安値を押し目底に10月20日高値へと大幅高した時の前半に近い印象だ。リスクオン優勢でのポンド高と円安が重なる状況が継続すれば154円台到達から155円超えを目指す流れへ発展する可能性も出てきたのではないかと思われる。

注目情勢 英国での新規感染者急増止まらないがポンド高は継続

12月23日の英国における新型コロナウイルスの新規感染者数は11万9789人となり22日の10万6122人からさらに増えて過去最多となった。過去7日間に感染者数は急増しており67万8165人増、陽性反応から28日以内の死者数が147人となった。欧州全域で感染は急増しており、イタリアは23日に過去最多の4万4595人、フランスも過去最多の9万1000人となった。

しかし、英仏伊ではロックダウンに入らず、重症化率はデルタ株よりも低いとして昨年2月末のパンデミック初期のような金融市場の動揺とパニック売りの発生が再現されることはなく、ウィズ・コロナ政策による景気回復を継続するだろうとの楽観が優勢だ。このため英国での感染者急増報道でもポンドドルの上昇にはブレーキとなっていない印象だ。

短期テクニカル

ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちと反落を繰り返すリズムがある。
12月16日夜高値を起点とした下落期が12月20日夜安値で一巡して揺れ返しの上昇期に入っているとして12月21日午前時点では21日夜から23日夜にかけての間への上昇を想定した。
12月23日深夜へ一段高したところから上げ渋っているため、153円割れからはいったん下落期に入るとみて
24日の日中から27日夜にかけての間への下落を想定するが、23日深夜高値を超える場合は連続的な上昇期に入って28日夜から30日深夜にかけての間へと高値形成期が延びてゆく可能性があるとみる。

60分足の一目均衡表では12月21日夜の上昇で遅行スパンが好転、深夜には先行スパンも上抜き、その後も両スパン揃っての好転を維持しているので遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、遅行スパン悪化からはいったん下げに入るとみて安値試し優先とし、その際は先行スパン上下限を試すとみる。

60分足の相対力指数は12月21日深夜に80ポイント到達まで上昇したが、その後の一段高でも80ポイント台を二度付けており、若干指数のピークが切り上がっているものの指数自身が三尊天井型を見せて24日午前へ失速しているので目先は安値試しへ向かいやすいとみる。

12月24日の売買戦略

12月3日安値を起点とした上昇基調はさらに継続するとみるが、目先は3連騰後の調整安に注意するところとみる。
突っ込んだところは買い拾われて次の上昇へ向かう流れと考えるが、153円割れからは152円台前半への下落とその後の反騰を想定する。
12月23日深夜高値153.708円超えからは154円台前半を目指す上昇を想定し、週明けも高値追及を続けやすいとみる。

12月24日の主な予定

  • クリスマス休場、
    ー米国、ドイツ、スイス、スペイン、ノルウェー、ブラジル等
    ー短縮取引
    ーカナダ、香港、シンガポール、フランス、オランダ、ベルギー、イタリア、豪、NZ等
  • 日本
    ー未 定 11月の自動車大手8社の生産・販売・輸出実績
    ー14:00 11月 新設住宅着工戸数 前年同月比 (10月 10.4%、予想 7.5%)