豪ドル円見通し 3日連続陰線で下落するも20日夕安値から戻す

豪ドル円

おはようございます。大塚亮です。

2021年12月21日の相場分析です。

概況

豪ドル円の12月20日終値は80.784円、前日比0.214円安と続落した。取引レンジは81.087円から80.274円。

12月16日早朝の米連銀FOMC通過後のドル安を背景とした豪ドル米ドルの上昇で豪ドル円は12月16日夜に82.433円まで高値を伸ばしたが、戻り一巡と感染拡大への警戒感から16日夜に豪ドル米ドルが下落に転じ、ドル円も16日夜に急落したために豪ドル円はFOMC後の上昇一巡から下落した。

12月17日には株安原油安を嫌気して豪ドル米ドルが続落したために豪ドル円は81円を割り込み、20日も夕刻まで豪ドル米ドル安が続いて80.274円まで安値を切り下げたが、その後は全般ドル安となり豪ドル米ドルが持ち直したこと、ドル円も下げ渋りで揉み合いとなったことで81円に迫るところまで戻している。

注目材料 豪中銀はオミクロン株に対して楽観的

12月21日午前に豪中銀の12月7日理事会議事要旨が公開された。
豪中銀は12月7日に政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の0.10%に据え置き、量的金融緩和政策での週40億豪ドルの債券買い入れについては来年2月会合で見直すとした、また従来は2024年まで利上げの条件が揃わないとしてきたが、「利上げにはしばらく時間がかかる公算が大きく理事会は忍耐強くなる準備ができている」として表現をやや緩めて利上げ時期が従来よりも前倒しとなる可能性に含みを持たせていた。今回の議事要旨は理事会声明発表と変わらない内容だが、豪中銀としてはオミクロン株の拡大が景気回復を損ねることはないとの楽観的な見通しだったことが改めて確認された。

しかしオーストラリアではオミクロン株による感染爆発に入っており、重症化率や死亡率等に対するやや楽観的な見方からウィズ・コロナ政策の継続として規制強化へ進んでいないものの、英国では感染爆発に加えて入院や死亡が増え始めており、今後の感染状況次第では豪中銀の楽観も崩れる可能性がある。

注目情勢 NYダウとNY原油が大幅下落から戻す

12月20日のNYダウは一時700ドル安を超える下落となり前日比433.28ドル安と大幅下落に終わったが、安値からは300ドル近く反騰した。NY原油期近も12月17日の1.52ドル安から20日は2.63ドル安と大幅続落したが、安値で66.04ドルまで下げたところからは68.23ドルまで持ち直した。

12月20日の日中はダウ先物の大幅続落、日経平均の大幅安、中国株も中国人民銀行の利下げ決定を受けても下落するなど株安感が強まり、欧米株も大幅下落となった。感染拡大への深刻さが再び増していることに加えて米バイデン政権が与党内で軋轢を生じていること等もリスク回避を助長したが、ダウも原油も終盤に戻したことでそれらと同調して下落していた豪ドル米ドル及び豪ドル円もやや持ち直しているところだ。
しかし感染拡大問題や中国の景気鈍化等、バイデン政権の大規模経済対策がとん挫するような流れになると市場心理も再び悲観優勢となりかねないところだ。

短期テクニカル分析

豪ドル円の60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。
12月14日昼安値を起点とした上昇は12月16日夜高値でピークアウトして下落に転じたとし、17日午前時点では安値形成期を17日午前から21日昼にかけての間と想定してまだ一段安余地ありとした。

12月20日夕安値から81円に迫るところへ戻しているので、現状は12月20日夕安値を目先の底として戻りを試す流れと思われる。底割れ回避のうちは21日夜から23日夜にかけての間への上昇余地ありとするが、底割れからは新たな下落期入りとして23日夜から27日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では12月16日夜高値からの反落で遅行スパンが悪化し、17日夜には先行スパンからも転落したが、12月20日夕安値からの持ち直しで遅行スパンが好転しつつある。このため遅行スパン好転からは高値試しとするが、先行スパン上限が上値抵抗となりやすいとみる。遅行スパンが再び悪化するところからは下げ再開とみる。

60分足の相対力指数は12月20日夕安値時に20ポイント台へ低下したところから50ポイント超えへ戻している。40ポイント以上での推移中は上昇余地ありとみるが、戻りは短命の可能性もあるとみて40ポイント割れからは再び20ポイント台を試す下落を想定する。

12月21日の売買戦略

夕安値から持ち直し気味だが、12月14日昼安値を割り込んだために12月4日早朝安値を起点とした上昇基調画崩れているとみて戻り売り有利の状況と考える。
81.00円から81.25円にかけてのゾーンは戻り売りにつかまりやすいとみる。

80.60円割れからは下げ再開を警戒して12月20日夕安値80.274円試しとし、底割れからは79円台後半(79.90円から79.50円台)目指す流れとみる。また12月20日夕安値を割り込む場合は22日も安値試しへ向かいやすいとみる。

12月21日の主な予定

  • ユーロ圏
    ー16:00 1月 独GFK消費者信頼感 (12月 -1.6、予想 -2.7)
    ー24:00 12月 ユーロ圏消費者信頼感・速報値 (11月 -6.8、予想 -8.1)
  • 米国
    ー22:30 7-9月期 経常収支 (4-6月 -1903億ドル、予想 -2054億ドル)
    ー27:00 財務省20年債入札

豪ドル見通し5年後 豪ドルの5年後見通しは?100円超えの可能性や相場分析から見る買い時とは【2022年最新】