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「損切りができない!」
FX初心者の方の多くは、適切な損切りができず悩んでいるのではないでしょうか。
そもそも損切りに踏み切れない原因は、損切りしなくてもまた元のレートに戻ってくるのではないかという期待があるからです。
(結局いつか元のレートに戻るなら、損切りはしない方が良いのでは…?)
本記事では、損切りしなくてもFXで勝てるかどうか深掘りしていきたいと思います。
目次
「損切りは必要」が意見の大多数!
FXに関して多少勉強してみると分かりますが、「損切りは絶対に行うべき」という意見を必ず目にするはずです。
確かに、損失を最小限にとどめ自分の利益を守るためには、損切りは間違いなく必要になります。
証拠金維持率ギリギリで含み損を放置したままであれば、いずれは強制ロスカットされてしまうでしょう。
しかし、最近では損切りを必要としない運用が広まっていることをご存知でしょうか?
裁量トレードでの損切りを苦手とされる方は、ぜひ以下より紹介する運用を試してみてください。
損切りを必要としない運用とは?
リピート系FX自動売買
最近では、極力損切りを必要としない運用も広まっており、それが「リピート系FX自動売買」と呼ばれるものです。
リピート系FX自動売買は、1つ1つの注文に対して「新規約定」→「決済」→「新規約定」→「決済」といった流れを半永久的に繰り返させる運用手法であり、基本的にプラ転するまでポジションを保有し続けます。
例えば、以下のチャート(カナダドル円)では、5年間かけて70~100円のレンジ相場を形成していることが分かります。
そこで、下半分の70~85円のレート帯では指値の買い注文、上半分の86~100円のレート帯では指値の売り注文。
それぞれ0.1円ずつの間隔で指し値注文を並べて運用を行った場合、ほぼ全てのポジションが後々含み益を抱えて決済に至ります。
もちろん途中段階においては含み損を抱えることになりますが、それに耐えきれる資金、また長期的なレンジ相場が確認できれば、損切りせずに待ち続けるというのも一案です。
スワップポイント運用
ポジションが半永久的に利益を生み出し続けてくれるのであれば、損切りは必要ないかもしれません。
損切りせずにスワップポイントを貯め続けるとどうなるのか、メキシコペソ円のチャートを例に解説していきましょう。
以下のチャートは、2012~2022年におけるメキシコペソ円の値動きです。
大体4円前半~8円後半に収まっていることが確認でき、0.01円ごとに1ロットずつナンピンしていった場合、スワップポイントの貯まり具合はどのようになるでしょうか。
直近10年間の平均金利から、1ロットあたりの付与額を12円として簡単なシミュレーションを行いました。
上図のように、スワップポイントを保有し続けることで、その累計額は右肩上がりになります。尚、運用期間中における最大必要資金は約107万円、スワップポイントの累計は約1062万円。
またメキシコペソが堅調で、長期的に底堅いことから、ポジションの含み損益はほぼプラマイゼロ付近です。
メキシコペソのスワップポイント運用のように、運用を持続させることで将来的にプラスになる可能性が高いと分かれば、資金に余力がある限りは損切りを急くこともないでしょう。
損切りすべきかどうか悩んだ時のテクニック
(損切りすべきなのは理解しているけど…本当に今すべきなの?)
このような悩みがあれば、なかなか思うように損切りに踏み切ることはできません。
そこで本節では、今すぐ損切りすべきか、また見送るべきかの判断軸について紹介していきます。
利益と損失の相殺
損切りは損失を確定させる行為であり、それゆえに苦痛を伴います。
そこで、少しでも損切りを円滑に行うために、同時期に得た利益と相殺するというのも一案です。
自動売買等で複数の通貨ペアを扱っていると、特定の通貨で利益が取れる一方、含み損を抱える通貨ペアも出てくるはずです。
そんな時は、取れた利益の一部と相殺し、証拠金維持率の回復を図ってみてはいかがでしょうか。
少しは利益も残るよう損切り額を調整すれば、損切りに対する心理的なブロックもある程度和らげるでしょう。
レンジ相場とテクニカル指標
一気に全てのポジションを損切りしたり、適当なタイミングで損切りを行ってしまうと、最終的な運用収益に大きな差が生まれます。
というのも、今すぐ損切りすべきか見送るべきか、チャートやテクニカル指標を見れば、適切なタイミングがおおよそ掴めるからです。
為替レートがまだまだレンジ相場の圏内にいるのであれば、まだまだ含み損の回復にも期待でき、またテクニカル指標がトレンドの転換を示すようであれば、やはり損切は早計かもしれません。
即断即決で損切りするよりも、少しでもpipsを取り戻せるようチャートの環境認識やインジケーターを確認してからでも遅くないのです。
損出しによる調整
税金を抑えるためであれば、損切りも多少は行いやすくなるのではないでしょうか。
特にFXでは、年間利益が20万円を超えた場合は利益全てが課税対象になってしまい、一方年間利益が20万円未満であれば申告が免除されます。
このように、節税目的で意図的に損失を確定させる行為を「損出し」と呼び、年間利益が確定する年末においては、損切りの数少ない絶好の機会です。
損切りと節税に関しては、以下の記事でも詳しく解説しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
FXの税率はどのくらい?節税方法・海外FXとの違いも合わせて解説!ロットまたはレバレッジを低く設定する
損切りがうまくできない人の中には、損を確定させてしまうことに恐怖心を抱いている人もいるのではないでしょうか?
そういう人は、一度ロットやレバレッジをできる限り低く設定することをおすすめします。
当たり前のことですが、ロットやレバレッジが大きくなればなるほど、ハイリスクハイリターンになり、精神的な負荷は増えます。
そこで、取引で扱う証拠金や資金量を物理的に少なくすれば、リターンは減りますが、その分損切りも思い切って行いやすくなるでしょう。
初心者の方で損切りがうまくいかない人は、まずは一度自分のレートの見直しを行ってみてください。
FX取引における損切りルールの決め方
FXの損切りでは、自分の中でルールを決めてしまって、それに従って取引を行うことが重要です。
それによって機械的に取引が行え、初心者の人でも迷わずにトレードを行うことができます。
以下にルールを決めるにあたっての簡単な目安を紹介しますので、参考にしてみてください。
値幅で決める
値幅で決める方法は、エントリーした価格から一定値下落または上昇したら損切りをする方法です。
一般的な目安としては、値幅は利確値の半分が適切と言われていますので、例えば155円でエントリーして、160円(値幅5円)で離隔を考えているのであれば、損切りは152.5円(値幅2.5円)で行う目安になります。
また、○円下がったらという決め方ではなく、値幅を割合(注文時の価格から5%下がったら損切りする)で決めてしまう方法もあります。
どちらもシンプルで簡単な方法ではありますが、値動きの激しい相場では、早期に損切りされてしまう可能性もありますので、注意しましょう。
損失額で決める
損失額で決める方法は、含み損が一定の金額に達したら損切りする方法です。目安としては、投資額(証拠金の額)の2%程度の金額が良いとされています。
金額で決めるので資金管理がしやすいですが、水準が狭すぎたり広すぎたりすると、うまく取引ができなくなるので、適度な金額設定をすることが重要です。
プロトレーダーになると、勝負どころでは許容損失額を5~10%に引き上げる人もいますが、初心者でそれをやってしまうと、連敗ですぐ証拠金が足りなくなってしまうので、気をつけてください。
テクニカル指標に基づく損切り
テクニカル分析を用いて、特定の価格水準やチャートパターンに基づいて損切りを決める方法です。
(例1)移動平均線:価格が重要な移動平均線を下回った場合に損切りを行う
(例2)サポートライン:サポートラインを割り込んだ場合に損切りを行う
インジケーター等のテクニカル指標を用いつつ、状況に応じて判断していく必要があります。
とはいえ、多数の根拠を組み合わせる必要はなく、2~3つ程度の根拠が揃った際に、損切を検討してみるとよいでしょう。
ファンダメンタルズの変化に基づく損切り
ファンダメンタルズ分析においては、市場全体や業界に影響を与える経済指標(GDP成長率、失業率、金利動向など)が悪化した場合に損切りを行います。
トレンドが継続する状況下においては、誰しもが強気にポジションを持てるでしょう。
しかし、トレンドが反転する悪材料が出た際、それを客観的に分析してすぐに損切できるかどうかが、勝ち組と負け組の分かれ目となります。
また、テクニカル指標とファンダメンタルズの両方を組み合わせることで、より確実な損切り戦略を構築できるでしょう。
まとめ:損切りが必要かどうかは運用資金次第
本記事では、FXにおける損切の必要性について、以下のポイントを中心に解説しました。
- 損切りの必要性について
- 損切りを必要としない運用について
- 損切りすべきか悩んだ時のテクニック
多くの書籍・セミナーでも解説されている通り、損切は資金を守るために必要な措置です。
しかし、含み損に耐えきれる潤沢な資金と、長期的にみて逆転の可能性が残されている運用であれば損切りしない方がいい状況もあります。
とはいえ、損切りしないとなると際限なく資金の投入を迫られたり、また多大な精神的負荷が掛かりますので、基本的には損切りの徹底をお勧めします。
どうしても自分の意志で損切できないという人は、自動売買やミラートレードを活用して、損切判断を他方に委ねてみるのも一案です。