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おはようございます。大塚亮です。
2021年10月11日の相場分析です。
目次
概況
ポンド円の10月8日終値は152.838円、前日比0.841円高と上昇した。取引レンジは152.928円から151.869円。
9月28日高値152.569円及び9月14日高値152.845円を上抜いた。
10月8日夜の米雇用統計発表直後は就業者増加数が予想を大幅に下回ったことに対するドル安反応でドル円が下落、ポンドドルが上昇したが、米失業率の大幅改善を踏まえて初期的なドル安が消化されるとドル高再燃の動きとなりポンドドルがやや失速、ドル円が急伸して年初来高値を更新したためにポンド円はドル円の急伸に押し上げられて152円台後半へ一段高となった。10月11日午前序盤には153円に到達している。
注目ポイント ドル円はパンデミック前高値を超える急伸
ドル円は10月8日夜からの急伸で9日早朝には112.25円を付けて9月30日高値112.07円を超えて9月15日以降の高値を更新した。既に7月2日高値111.65円を9月30日高値時点で超えていたために年初の1月6日安値102.57円以降の最高値更新となった。また112円台は2020年2月20日の112.21円以来だったがこれも上抜いた。
ドル円は2016年12月天井118.65円を起点として高値ラインと安値ラインがほぼ平行となる下降チャンネルを形成して今年1月6日安値まで下落基調にあったが、3月31日高値への上昇で下降チャンネルの高値ラインに到達、7月2日には高値ラインを超えてからいったん上げ渋りとなっていたが10月8日に再び高値を更新したことで抵抗線突破感が強まっており、これまでの下降チャンネル内での上昇レベルを超える可能性を示し始めている印象だ。現状のドル円の上昇については高を括れない状況と考える。
英10年債利回りは昨年8月以降の高値を更新
米雇用統計発表後に米10年債利回りは1.61%台へ一段高となり8月4日安値1.12%以降の高値更新となったために長期的な緩和政策が続く日銀の金融姿勢との対比もあってドル円は米長期債利回り上昇に対してシンプルに強気された。
一方で英10年債利回りも8日には1.17%へ上昇して8月4日の0.48%以降の高値を更新した。水準自身は米10年債利回りが大きく上回っているものの英10年債利回りとしては5月のピークだった0.92%を超えて2020年8月の0.06%以降の高値更新であり、勢いは米10年債利回りの上昇に勝っている。このためポンドドルは米雇用統計を通過した後の米10年債利回り上昇局面でもさほど下げずに高値圏を維持しており、ポンド円はドル円の急伸をそのまま反映できたようだ。
注目材料 ベイリー英中銀総裁のインフレ警戒発言
英中銀のベイリー総裁が英ヨークシャー・ポスト紙のインタビューで「インフレ率が目標の2.0%を上回っているのは懸念要因で高止まりを防ぐために管理が必要だ」と述べた。総裁は「インフレが恒久的に定着することを防ぐ必要がある。定着すれば明らかに大きなダメージとなる」「残念ながら中銀の前回予測ではさらに上昇することを懸念している」と述べた。
英中銀のベイリー総裁は先のECBにフォーラムにおいて「英経済は来年初めにコロナ禍前の水準を回復すると予想している」としつつ9月23日の金融政策会合においては「金利上昇の根拠が強まった模様だ」と述べて市場に対して年内の利上げを示唆した。11月か12月には利上げが検討されるのではないかと市場は予想しており、年内の利上げ確率を90%、来年2月までには政策金利が現状の0.1%から0.25%へ引き上げられるとみている。米連銀の利上げ想定が来年中でそれまでに量的緩和を段階的に縮小して終了する姿勢である野に対して、英中銀は量的緩和を継続しながら利上げを先行させる姿勢を示している。
短期テクニカル分析 3日から5日周期のリズムでは
ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちとピークアウトを繰り返すリズムがある。
10月1日夕安値を起点とした上昇が継続しており、10月6日午前高値までを一段目とし、1日夕安値から3日目となる6日夜安値を押し目底として二段目の上昇に入っている。高値形成期は10月11日午前から13日午前にかけての間と想定されるので既に反落注意期に来ているので、152.50円以上を維持しているうちは高値試しを続けやすいとみるが、152.50円割れからはいったん下げに入るとみて11日夜から13日深夜にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では10月7日夜の上昇で遅行スパンが好転、先行スパンも上抜き返し、その後も両スパン揃っての好転を維持しているので遅行スパン好転中は高値試し優先とする。ただし遅行スパンが悪化するところからはいったん下げに入るとみて先行スパンの上下限を試すとみる。
60分足の相対力指数は10月11日午前序盤へ一段高しているが指数のピークも切り上がって弱気逆行は見られない。70ポイント台後半に来ているので弱気逆行が無くても高値警戒圏といえるので、60ポイント前後までで確りするうちは上昇余地ありとし、55ポイント割れからはいったん下げに入るとみて30ポイント台前半を試しに向かうとみる。
10月11日の売買戦略
週末夜の米雇用統計からの上昇が続いているので高値追及の流れであり、152.50円を割り込まない範囲では押し目買い有利の情勢とみて153円台中盤(153.30円から153.70円)を目指すとみるが、153.50円以上は反落注意、利食い優先の水準とみる。
152.50円割れからはいったん下げに入るとみて152円前後試しを想定するが、152円以下は押し目買いされやすいところとみる。
今週の英国関連主な予定
・10/11(月)
・休場 米国(コロンブスデー、政府、為替、債券休場、株式、商品は通常取引)
・休場 カナダ(感謝祭)、台湾(建国記念日)、韓国(ハングルの日振替)
・IMF・世銀年次総会(10/17までワシントン)
・国際金融協会(IIF)年次会合(10/15までオンライン)
・10/12(火)
・IMF世界経済見通し
・G20臨時首脳会議(オンライン)、G20貿易相会合(伊ソレント)
・08:01 9月 英小売連合(BRC)小売売上高 前年同月比 (8月 1.5%)
・15:00 9月 失業保険申請件数 前月比 (8月 -5.86万件)
・15:00 9月 失業率 (8月 5.4%)
・15:00 8月 失業率・ILO方式 (7月 4.6%、予想 4.5%)
・10/13(水)
・15:00 8月 月次GDP 前月比 (7月 0.1%、予想 0.4%)
・15:00 8月 鉱工業生産指数 前月比 (7月 1.2%、予想 0.2%)
・15:00 8月 鉱工業生産指数 前年同月比 (7月 3.8%、予想 3.4%)
・15:00 8月 製造業生産指数 前月比 (7月 0.0%、予想 0.1%)
・15:00 8月 貿易収支・物品 (7月 -127.06億ポンド、予想 -119.85億ポンド)
・15:00 8月 貿易収支・全体 (7月 -31.17億ポンド、予想 -28.00億ポンド)
・10/14(木)
・08:01 9月 英RICS住宅価格指数 (8月 73、予想 70)
・19:10 テンレイロ英中銀委員、講演
・23:40 マン英中銀委員、講演