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おはようございます。大塚亮です。
2021年10月13日の相場分析です。
目次
概況
ポンド円の10月12日終値は154.381円、前日比0.314円高と続伸した。取引レンジは154.825から153.680円。
10月8日夜の米雇用統計を通過してからのドル円の急伸に加えてポンドドルも9月30日からの上昇を継続したことで11日は前日比1.229円高の大上昇となった。
10月12日はドル円が午後へ小反落してから一段高となったところで154.825円へ上昇して155円に迫ったが、ドル円が深夜以降はややジリ安の推移に入って上値が重くなり、ポンドドルも11日午後高値以降のジリ安基調が続いたことでポンド円も上昇一服感がみられる。
注目材料 過去最高の求人件数、失業率改善
10月12日は英国の雇用統計発表があった。英国民統計局が発表したILO方式の8月(6-8月期)失業率は4.5%となり市場予想と一致して前月の5.4%から改善した。英国方式の9月失業率は5.2%で8月の5.4%から改善した。
9月の失業保険申請件数は前月比5万1100件減少し、8月分は8万8000件減少となり速報の5万8600件減少から減少幅が大幅に拡大した。
7-9月期の求人数は110万2000件となり2002年の統計開始以来で最高記録となった。3か月平均の求人数は2か月連続で100満健を超えて、全産業でパンデミック前の水準と同等か上回る水準となり、多くの産業部門で過去最高となった。
英国ではEU離脱の影響とコロナ禍による運転手不足によりガソリンスタンドの店頭在庫が枯渇して長蛇の列ができるパニックも発生したが、物流面での人出不足が発生する状況でもある。
欧州全体での天然ガス価格の高騰が電気ガス料金の上昇を招き、原油相場の高騰も続いているためにインフレの進行がさらに続き、人出不足の状況による賃金上昇圧力も今後は高まってくると思われるが、英中銀にとってはインフレ抑制へ向けて年内の利上げ準備に入っている印象であり、中期的なポンドの上昇要因になってきているのではないかと思われる。
注目ポイント ユーロドルの一段安でドル高感が再燃
10月13日未明にかけてユーロドルが1.1524ドルへ下落、年初来安値を更新した。米連銀による年内のテーパリング開始と来年の利上げへ向けた流れに対してECBはパンデミック対策での資産購入規模をやや減速したものの緩和的な姿勢が続いていること、12日発表のドイツ及びユーロ圏の10月ZEW景況指数が悪化したこと等がユーロ売り材料となった模様だ。
10月8日の米雇用統計後にドル円が急伸したが、ユーロやポンド、豪ドル等でのドル高反応は限定的なものとなり、ユーロドルは11日に8日夜高値をいったん超え、ポンドドルも11日午後まで高値を切り上げていた。しかしユーロドルが一段安するとともにポンドドルも10月8日夕刻安値を割り込み、12日夜へ高値を切り上げていた豪ドル米ドルが失速気味となるなど、ドル高感がやや強まってきている印象だ。
クロス円全般が急騰商状であるのに対してドルストレートの9月30日以降の上昇は9月後半の下落一服によるリバウンドの範囲にとどまっており、その戻りも一巡しつつある印象となっている。このためポンド円としてはドル円の上昇基調継続による押し上げで一段高を目指す流れとの見方を維持するものの、ユーロドルがさらに下げるようだとポンドドルもつれ安となってポンド円の足を引っ張る可能性があると注意する。
短期テクニカル分析 3日から5日周期のリズムでは
ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちとピークアウトを繰り返すリズムがある。
10月1日夕安値を起点とした上昇基調の範囲で推移しているが、12日夜高値からはやや上値が重くなっているところのため、12日夕安値割れを回避するうちは上昇継続とし、12日夜高値を超えるところからは12日夕安値を起点とした上昇期として14日夜から18日深夜にかけての間への上昇を想定する。12日夕安値を割り込む場合は12日夜高値で目先のピークを付けて調整期に入るとみて13日の日中から14日早朝にかけての間への下落を想定する。ただしいったん12日夕安値を割り込んでから反騰入りして高値を更新する場合は直前安値を起点とした新たな上昇期とみて15日夜から19日夜にかけての間への上昇を想定する。
60分足の一目均衡表では10月7日夜の上昇で遅行スパンが好転、先行スパンも上抜き返し、その後も両スパン揃っての好転を維持してきたが、12日夜高値の後はややジリ安の推移となり遅行スパンが悪化しやすい位置に来ている。遅行スパン悪化からは安値試し優先とし、その際は先行スパン下限を当初の下値支持線とし、先行スパンからの転落を回避するうちはその後に遅行スパンが好転するところから上昇再開とするが、先行スパンから転落に場合は下げ足が速まる可能性があると注意する。
60分足の相対力指数は10月11日深夜高値から12日夜高値への一段高に際して指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられるため60ポイント以下での推移中は下向きとし、45ポイント割れからは30ポイント前後を目指す下落を想定する。60ポイント超えからは反騰入りと仮定して70ポイント超えを目指す上昇を想定する。
10月13日の売買戦略
中勢レベルではさらに高値追及を続けやすいとみるが、目先は連騰に対する調整安も入りやすいところと注意する。突っ込んだところは買い拾われやすいとみて押し目買い有利の状況と考える。
12日夕安値153.680円以上での推移中は12日夜高値154.825円超えから155円台前半を目指す上昇を想定する。12日夕安値割れ回避が続くなら14日の日中も高値試しを続けやすいとみる。
12日夕安値割れからは153円前後への下落を想定するが、153.20円以下は反騰注意、押し目買いされやすい水準とみる。
10月13日の主な予定
- 英国
- 15:00 8月 月次GDP 前月比 (7月 0.1%、予想 0.5%)
- 15:00 8月 鉱工業生産指数 前月比 (7月 1.2%、予想 0.2%)
- 15:00 8月 鉱工業生産指数 前年同月比 (7月 3.8%、予想 3.1%)
- 15:00 8月 貿易収支・物品 (7月 -127.06億ポンド、予想 -120.00億ポンド)
- 15:00 8月 貿易収支・全体 (7月 -31.17億ポンド、予想 -28.00億ポンド)
- ユーロ圏
- 18:00 8月 鉱工業生産 前月比 (7月 1.5%、予想 -1.6%)
- 18:00 8月 鉱工業生産 前年同月比 (7月 7.7%、予想 4.7%)
- 米国
- 21:30 9月 消費者物価指数 前月比 (8月 0.3%、予想 0.3%)
- 21:30 9月 消費者物価指数 前年同月比 (8月 5.3%、予想 5.3%)
- 21:30 9月 消費者物価コア指数 前月比 (8月 0.1%、予想 0.2%)
- 21:30 9月 消費者物価コア指数 前年同月比 (8月 4.0%、予想 4.0%)
- 27:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月21-22日開催分)