ポンド円見通し FOMC後のポンド高一巡、ロンドンは緊急事態宣言

ポンド円

おはようございます。大塚亮です。

2021年12月20日の相場分析です。

概況

ポンド円の12月17日終値は150.457円、前日比1.013円安と反落した。取引レンジは151.715円から150.429円。

12月16日早朝の米FOMC声明発表直後に一時的にドル全面高となったものの早々にドル安へと流れが変わり、16日夜には英中銀が市場予想の現状維持に反して利上げを決定するサプライズでポンドドルが上昇、ドル円が114円台を維持する中でポンド円は16日夜高値で152.634円へ一段高した。

ポンド円は急騰一服で152円を割り込んだものの151円台を維持していたが、17日夜はNYダウが大幅下落、欧州の感染拡大の深刻化や米連銀が来年3月にも利上げに踏み切る可能性が出てきたことなどからドル全面高へとなりポンドドルが反落、ドル円が株安を嫌気して113.10円台まで下落した局面ではポンド安と円高の両面から圧されて深夜安値で150.429円まで一段安となった。その後はポンドドルが18日早朝へ続落したもののドル円が113.70円台へ反騰したことに支えられて150.50円前後での揉み合いで週を終えた。週明けは週末安値を割り込んでのスタート。

注目情勢 感染拡大への楽観は再び後退

英国での新規感染者数は12月17日に9万3045人となり3日連続で過去最多を更新した。18日も9万0109人、日曜の19日も8万2886人と肩どまりしている。オミクロン株発生前段階から感染拡大基調に入っていたが、オミクロン株流入からは拡大ペースが上がっており、今年1月のピーク時に6万7794人だったところを大幅に超えてきている。オミクロン株による入院数は18日時点で65名死者7名とまだ少ないが日々倍増ペースで急増している。

ロンドンのカーン市長は18日に「緊急事態」を宣言した。医療逼迫への懸念が強まっているが、19日に開催予定だったイングランド・プレミアリーグは多数の試合が延期となり劇場街ウエストエンドでも公演延期が相次いだ。

英インペリアル・カレッジ・ロンドンは17日に「デルタ株と重度が異なる兆候は確認されなかった」「デルタ株と比較してオミクロン株による再感染リスクは5.4倍」「オミクロン株の再感染に対する防御が最低19%程度にとどまる可能性を示唆している」との調査結果を公表した。

オランダは政府の感染症専門家の諮問委員会が政府にロックダウンを進言、デンマークもロックダウンを回避しつつも規制強化計画を発表、フランスは英国からの入国を禁止した。米国では12月17日の新規感染者数が16万人を超えて7日間平均では12万3000人へ拡大しているが、米疾病対策センター(CDC)のフリーデン元所長は「病院がオミクロンの津波に見舞われる」と警告した。

FOMC後のドル安一巡で「往って来い」

英中銀は12月16日のMPC(金融政策員会)で政策金利を従来の0.10%から0.25%へ引き上げた。利上げは3年4か月振りで市場予想が現状維持だったためにサプライズでポンドドルが急伸した。FOMC直後のドル高が一時的なものにとどまってドル全面安へと切り返していたところで利上げ発表だったことでポンド買いが勢い付いたが、17日はその流れも続かず、NYダウの大幅下落や感染拡大報道等を嫌気して再びリスク回避的なドル買いポンド売りへと流れが変わった。

ポンド円は12月3日安値148.983円の後を新たな安値更新を回避して152円台まで切り返したことにより、7月や8月及び9月のように150円割れを押し目底とした反騰入りの可能性が期待されたが、12月16日は当日高値から終値まで1円を超える日足の上ヒゲを付けて失速し、17日は前日比で1円を超える続落となったため、150円割れからの戻りも一巡して今度は148円台から150円までの下値支持帯がもう一度試されることとなってきた印象だ。

短期テクニカル

ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちと反落を繰り返すリズムがある。
12月4日早朝安値以降は12月8日夜、9日夜、10日深夜、14日昼と安値を切り上げ、12月14日昼安値を起点として一段高へ走ってきたが、16日夜高値から1円を超える反落となったために17日午前時点では16日夜高値を起点とした下落期入りとし、安値形成期を17日の日中から21日昼にかけての間と想定した。12月17日深夜へ続落した後も150円台中盤での下げ渋りのためまだ一段安余地ありとみる。強気転換には151.50円を超えるような反騰が必要と思われる。

60分足の一目均衡表では12月17日夜に遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落した。このため遅行スパン悪化中は一段安警戒とする。遅行スパン好転からはいったん戻しに入るとみて高値試し優先とするが、先行スパンを上抜き返せないうちは遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところからは下げ再開とみる。

60分足の相対力指数は12月16日夜の急伸時に80ポイントに迫ったところから50ポイント割れへ反落していたが、17日夜に30ポイント台へ低下してからも切り返せずにいるのでまだ一段安余地ありとし、強気転換は50ポイント超えからとする。

12月20日の売買戦略

12月16日早朝からの急騰が一巡して大幅下落しているため、もう一度150円から148円台中盤にかけての下値支持帯を試す流れとみて戻り売り有利の状況と考える。150.80円から151.00円にかけてのゾーンは戻り売りにつかまりやすいとみる。
150.00円割れからは12月14日昼安値149.766円、さらに12月8日夜安値149.360円等を試す流れとみる。また150.50円以下での推移なら21日も安値試しへ向かいやすいとみる。

12月20日の主な予定

英国関連は特になし

  • ユーロ圏
    ー18:00 10月 経常収支・季調済 (9月 187億ユーロ)
    ー18:00 10月 経常収支・季調前 (9月 269億ユーロ)
  • 米国
    ー24:00 11月 景気先行指数 前月比 (10月 0.9%、予想 0.9%)

今週の主な英国関連予定

  • 12/21(火)
    ー特になし
  • 12/22(水)
    ー16:00 7-9月期 経常収支 (4-6月 -86億ポンド、予想 -156億ポンド)
    ー16:00 7-9月期 GDP改定値 前期比 (4-6月 1.3%、予想 1.3%)
    ー16:00 7-9月期 GDP改定値 前年同期比 (4-6月 6.6%、予想 6.6%)
  • 12/23(木)
    ー米国、債券市場は短縮取引
    ー英国関連は特になし
  • 12/24(金)
    ー休場、独、スイス、英仏は短縮取引、米国の株式・債券市場は休場