ポンド円 ドル全面高でポンド急落、円安続行でも耐えきれずにポンド円は急落

ポンド円 ドル全面高でポンド急落、円安続行でも耐えきれずにポンド円は急落

おはようございます。大塚亮です。

2021年9月29日の相場分析です。

概況

ポンド円の9月28日終値は150.958円、前日比1.151円安と急落した。取引レンジは152.569円から150.530円。

9月23日未明の米FOMC後のドル高局面でもポンドドルの下落反応は軽微にとどまり9月24日未明に1.37497ドルまで戻した後も1.37ドルを挟んだ持ち合いで確りしていた。米長期債利回りが23日から連騰に入ったが英10年債利回りも上昇を続けたことでドル高圧力が緩和されていたことが背景であり、ポンドドルが確りする中でドル円が急伸したことでポンド円は9月21日夜安値148.947円を起点とし他反騰を継続、28日もドル円の続伸により午後には152.569円まで高値を伸ばしていた。

しかし米長期債利回りは28日も一段と上昇、ダウ先物の反落によりリスク回避感が強まったことで夕刻から深夜にかけてドル全面高の様相となり、ポンドドルが23日早朝安値を割り込む急落となったためポンド円はドル円の上昇では支えきれずに急落に転じて深夜安値で150.530円まで大幅安となった。その後は急落一服で151円台を回復してきているが、1日の高安としては2円を超える下落規模であり、急落の衝撃を解消するには時間がかかりそうだ。

テクニカルポイント ポンドドルが一段安

ポンドドルは9月23日未明の米FOMC直後に若干の乱高下となり23日早朝に1.36095ドルまで下げたが、材料消化から23日夜にかけて反騰に転じて24日未明には1.37497ドルまで上昇してFOMC前の水準をいったん超えた。その後も米長期債利回り上昇と共に英長期債利回りも上昇したことや、英中銀による年内の利上げ可能性等を背景に確りし、28日の日中は1.370ドルを挟んだ揉み合いでの推移だった。

しかし28日夕刻からの急落で23日早朝安値を割り込む一段安となり、さらに売りの連鎖反応で29日未明には1.35205ドルまで続落した。29日午前も安値圏でほぼ横ばい程度にとどまっている。

9月29日未明への下落により、7月20日安値1.35721ドルを割り込み6月1日高値1.42493ドル以降の安値を更新した。7月20日安値から8月20日安値へわずかに底上げとなり、7月29日高値から9月14日高値へと高値ラインは切り下がっていたため、7月20日以降を「抵抗線切り下がり、支持線切り上がりの三角持ち合い」とすればそこから転落したことになる。

2月24日高値を6月1日高値で若干超えたところでダブル天井を形成、戻り高値切り下がりからの一段安により、7月29日の戻り高値を起点として二段目の下落期に入り、その二段目が三段下げ型に発展してゆく流れの中で二段目に入ったという印象であり、先安感が強まる姿となっている。この下落基調からだっ規約するには1.38ドル台回復へ急反騰するような勢いが必要だがハードルは高く、当面は安値試しが続きやすい状況と思われる。

ポンド円はドル円の上昇とポンドドルの下げ渋りが強気の組み合わせとして働いてきたために上昇してきたが、あくまでもポンドドルの上昇が本格化しないことには上昇継続には限界も出てくる。高値を切り上げた当日の日足大陰線による下落のため、9月21日からの戻り一巡による下げ再開が警戒される。

注目材料 英国の燃料不足と年内利上げの動き

英中銀のキャサリン・マン委員(金融政策のMPC委員)は28日に「金融市場や労働市場からのインフレシグナルに問題はなく、エネルギー価格の上昇ペースも鈍化の兆候がみられる」とし、「インフレは一過性であり問題はない」等と述べた。最近の英中銀による利上げ姿勢を示す動きに対して物価上昇はまだ問題にすべきレベルではないとの見解だが、英中銀の利上げへ向けた姿勢は徐々に強まっている。

英国では輸送関連労働者不足により主要都市で燃料のパニック買いが広がっているとされる。ジョンソン首相はクリスマスに向けて政府が供給網を確立する取り組みを続けていると述べて平静を保つように呼び掛けている。28日の原油相場は反落したが、すでに北海ブレント原油は7月高値を超えて昨年4月のコロナショック暴落以降の高値を更新しているため、物価上昇圧力は衰えない雰囲気だ。

英中銀のベイリー総裁は9月27日の講演で、「物価上昇が続けば早ければ年内にも政策金利を引き上げる可能性」があると述べていいる。総裁は利上げ時期については「2021年末までの予定である現行の資産買い入れプログラムの終了を待つ必要はない」とも述べており、この発言から年内利上げの可能性が浮上している。ポンドにとっては強気材料ではあるが、金融市場全般としては米連銀による利上げ想定時期の前倒しに対するインパクトのほうが勝っているため、28日に米英共に長期債利回りが上昇したもののポンドドルの急落が発生しているともいえる。

短期テクニカル分析

ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちとピークアウトを繰り返すリズムがある。

9月21日安値で下げ止まり、23日夜からはドル円の急伸とポンドドルの上昇が重なって一段高に入ってきたが、28日午後高値から2円以上の急落となったため、28日午後高値を起点とした下落期に入っていると思われる。24日から27日午後にかけて上昇一服の持ち合いを入れてから一段高した後の急落のため、持ち合い終点の27日午後安値を基準とすれば安値形成期は30日から10月4日にかけての間と想定される。強気転換には151.50円を超えて続伸する反騰が必要と思われる。

60分足の一目均衡表では9月28日夜の急落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落した。このため遅行スパン悪化中は安値試し優先とし、先行スパンを上抜き返せないうちは遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところからは下げ再開とする。

60分足の相対力指数は23日夜から28日午後への上昇に際して指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられて急落している。20ポイントまで下げたところから戻しているものの50ポイント以下での推移中は一段安余地ありとみる。強気転換には50ポイント超えから続伸する反騰が必要と思われる。

9月29日の売買戦略

1日の高安で2円を超える急落となる大陰線での反落のため、戻り一巡から安値試しへ流れが変わっているとみて、目先は戻り売り有利の状況と考える。151.30円から151.60円にかけては戻り売りにつかまりやすいとみる。28日深夜安値割れからは150.00円、149.50円を順次試す流れとみる。151.50円羽化での推移なら30日も安値試しへ向かいやすいとみる。

9月29日の注目指標

・ドイツ
・15:00 8月 輸入物価指数 前月比 (7月 2.2%、予想 1.2%)
・15:00 8月 輸入物価指数 前年同月比 (7月 15.0%、予想 16.1%)

 

・英国
・17:30 8月 消費者信用残高 (7月 -0.4億ポンド、予想 3億ポンド)
・17:30 8月 マネーサプライM4 前年同月比 (7月 6.0%)

 

・欧州
・18:00 9月 消費者信頼感確定値 (速報 -4.0、予想 -4.0)
・18:00 9月 経済信頼感 (8月 117.5、予想 116.9)
・23:30 レーンECB理事、ECBフォーラム発言
・24:45 ベイリー英中銀総裁、黒田日銀総裁、ラガルドECB総裁、、パウエルFRB議長、パネル討論会

 

・米国
・23:00 8月 住宅販売保留指数 前月比 (7月 -1.8%、予想 1.4%)
・23:00 8月 住宅販売保留指数 前年同月比 (7月 -9.5%)
・23:30 EIA週間石油在庫統計
・27:00 ボスティック・アトランタ連銀総裁、講演